全日本大学駅伝の展望

こんにちは、遊撃です。

今回は11/4(日)に行われる「秩父宮賜杯第50回全日本大学駅伝対校選手権記念大会」(全日本大学駅伝)の展望を投稿したいと思います。

記念すべき50回目を迎えた全日本大学駅伝だが、今回から距離が変更になっている。熱田神宮西門前をスタートし、フィニッシュの伊勢神宮内宮宇治橋前まで、8区間で106.8km。その内訳は以下の通りだ(カッコ内は以前の距離)。

1区 (14.6km)→9.5km
2区 (13.2km)→11.1km
3区 (9.5km)→11.9km
4区 (14.0km)→11.8km
5区 (11.6km)→12.4km
6区 (12.3km)→12.8km
7区 (11.9km)→17.6km
8区 (19.7km)→19.7km

全長は変わらないが、8区以外は大幅に変更。1区~6区までは10km前後で、7,8区がかなり長くなっている。昨年までは距離の長かった1,4,8区に力のある選手を持ってくる戦略が一般的だったが、この変更によって各校の戦略もかなり変わってきそうだ。

7,8区に力のある選手を配置するのは間違いないが、6区までの各区間の距離に大きな差がない分、力のある選手だけに頼ることができない。となると、これまで以上に各校の「選手層の差」がもろに出そうな気がする。当然といえば当然なのだが、1区~6区を安定して走ることのできる選手の多いチームが有利か。その視点で見ると、青山学院大学駒澤大学といったあたりが強さを見せそうな距離変更になったと言っていいのではないだろうか。

とはいえ、全日本の難しさは変わらない。近年圧倒的な強さを誇っている青山学院や、箱根で無類の安定感を見せている東洋が、全日本ではともに1度しか優勝していないと言うところが、それを如実に表している。

それではここで改めて出場校を整理する。今回に関しては、関東の大学のみを見ていく。その他の大学のファンの方はご了承ください。

・神奈川大学
・東海大学
・青山学院大学
・駒澤大学
・東洋大学
・中央学院大学
ーーここまでシード権ーー
・早稲田大学・法政大学・國學院大學
・城西大学・明治大学・帝京大学
・日本体育大学・順天堂大学・日本大学

先日行われた出雲駅伝では、1区から一度も首位を譲らず優勝し、史上初となる2度目の3冠に向けて好スタートを切った青山学院大学。その強さは今回も際立ちそう。区間エントリーは
1区湯原① 2区神林
3区鈴木③ 4区
5区吉田祐③ 6区吉田圭
7区岩見② 8区梶谷
となっている。
これを見る限り、1,5,7区あたりで当日変更があるのではないかと予想している。補欠登録は小野田④、森田④、橋詰④、橋間④、竹石③の5人。誰が来ても区間上位の走りが出来る。1区は経験がモノをいうので、出雲でも1区を走った橋詰が有力か。下り坂のある5区は下りのスペシャリスト小野田か。2番目に長い区間である7区は恐らくエースの森田だろう。原監督は「4区がポイントになる」と話していた。4区は距離は短いもののアップダウンがあり、差が付きやすい。ここにチームで一番力のあるを置ける所が、今の青山学院の強さを象徴している。この選手層は本当にすさまじい。全員が高いレベルで走ることが出来、一番優勝に近いだろう。戦略に長けた原監督が最終的にどんな布陣で来るのかも楽しみだ。

出雲では2位だった東洋大学。打倒青山学院を掲げてはいるが、どこまで食らい付くことが出来るか。
区間エントリーは
1区田上② 2区西山
3区今西③ 4区浅井
5区渡邉③ 6区鈴木
7区吉川② 8区相澤
となっている。
小笹④、山本④、定方③が補欠に回っていることを考えると、1区と4区あたりで当日変更がありそう。青山学院の「4区林」を酒井監督がどう見るか。これを考慮すると、1区に小笹、4区に山本か。2区の西山と3区の今西で差を広げて、7区吉川、8区相澤で逃げる展開を作りたい。相澤は10000mの今季学生最高記録を持っており、青山学院の梶谷とも対等に走れる。

東海大学は、出雲では青山学院・東洋に差をつけられて3位に終わった。昨年の全日本はアンカー区間で神奈川大学に逆転され、悔しい思いをしている。しかし、その走力はトップクラス。実力を発揮できるか。
区間エントリーは
1区塩澤② 2区
3区館澤③ 4区西田
5区鬼塚③ 6区郡司
7区湊谷④ 8区湯澤
となっている。
東海も高田③、西川③、中島③、松尾③と力のある3年生が補欠登録されている。このまま出走する可能性も高そうだが、こちらも「青山学院の4区林」を見て、4区を変えてくる可能性がある。可能性が一番高いのは、アップダウンを難なく走れる中島か。8区の湯澤はスタミナはあるもののスピードはそこまでではない。各校のエース相手にどこまで粘れるか。とはいえ、鬼塚館澤の3人が揃うのは久しぶりで、期待感もある。

昨年の覇者神奈川大学はシード権獲得が目下の目標となるが、虎視眈々と上位をうかがっている。
区間エントリーは
1区山藤④ 2区安田
3区多和田④ 4区北崎
5区荻野③ 6区
7区井手② 8区越川
となっている。
大後監督も「エントリー通り」と話しており、アクシデントが無ければこのまま出走するだろう。1区山藤と2区安田はともに力があり、2区終了時点では上位につけている可能性もある。ただ、他校、そして昨年のチームと比較したときに、やはり選手層は落ちる。5区荻野と8区越川は経験豊富なので、この2人に期待したい。越川は区間賞を獲る走りを見せたかと思えば、区間下位に沈むこともあり、波がある。この日はどっちの越川が見れるか。

青山学院や東洋が苦しむ中、全日本に強いのは駒澤大学だ。今年の箱根ではシード権を失ったため、出雲には出場しなかったが、先月の箱根駅伝予選会では2位に7分以上の差をつけて1位通過。力の差を見せつけた。
区間エントリーは
1区小原② 2区小島
3区伊勢④ 4区中村大成
5区伊東② 6区神戸
7区堀合④ 8区山下
となっている。
こちらも片西④や④、白頭④や中村大聖③といった力のある選手が補欠に登録されており、当日変更が予想される。とはいえ、どの選手もしっかり走れるだけの力があるので、コンディション次第か。予想が難しい。2区に西山(東洋大)や關(東海大)が居ることを考えると、ここに白頭中村大聖を投入する可能性はある。また、8区の山下をどう判断するか。今年の箱根は2区を走るなど、大八木監督からの期待は大きい。しかし、実力通りならここは片西か。箱根予選会での状態のよさ、選手層の厚さから見ても、青山学院と競るのは駒澤なのではないかと見ている。

早稲田大学も面白い。力のある1年生が怖いもの知らずの走りを見せれば、優勝戦線に絡んでくる可能性もある。
区間エントリーは
1区千明① 2区宍倉
3区中谷① 4区太田直
5区半澤① 6区車田
7区遠藤③ 8区清水
となっている。こちらも太田智③、新迫③、吉田②ら力のあるランナーが補欠登録されているが、出走機会はあるか。新迫が6区、太田智が7区を万全の状態で走れると、かなり面白そう。ただ、良くも悪くも1年生次第といったところか。彼らが爆発力を見せれば優勝戦線に絡むだろうし、失速すればシードも危ういだろう。今回、というよりは来年に期待が持てるチームだ。

優勝争いに加わってくるのはこの6校か。だが、中央学院法政國學院城西帝京順天堂も侮れない。シード権争いもかなり熾烈になりそうだ。

中央学院は駅伝での安定感が素晴らしい。絶対的な存在は居ないが、外す選手も居ない。堅実な走りでシード権の獲得を目指したい。

法政は1区に次代の山の神青木③、3区に次代の山下りの神佐藤③を起用。6区坂東④、7区土井④にも力があり、全員が力通りの走りが出来ればシード権が見えてくる。

國學院浦野③や江島④、土方③ら力のあるランナーが揃っている。6区を終え土方に繋いだ時点でシードが見えている位置に居ると面白そう。序盤の出遅れを防ぎたい。1区の区間変更はあるか。

城西はトラックでのタイムはさほどだが、ロードに強い。アンカーを走る金子④は、今季10000mでまずまずのタイムを残している。他校のエースに付いていけるか。

帝京も駅伝では安定感がある。それに加えて、今年はスピードのある選手が多い。1年生の遠藤は既に5000m13分台の記録を持っている。他校のエース格が配置されている4区でどんな走りを見せるのか楽しみだ。

順天堂は、学生No.1ランナーの塩尻④が4区にエントリー。青山学院の林らとのアツい戦いが見れそうだ。アンカーの難波③もしっかりと走れる選手。補欠登録されている山田④の出走はあるか?

出雲の時に行った想定タイムの比較も行いたいのだが、登録変更が多そうなので、あまり意味がないと見て今回は行わない(時間がなかったのもあります笑)。お許しください。

優勝争いは青山学院・駒澤・東海・東洋あたりに絞られそう。やはり選手層の厚い、そして外さない青山学院が序盤、遅くても4区(林のところ)までにはリードを奪って逃げ切る展開になりそう。駒澤がどこまで付いていけるか。東海はやはり鬼塚湯澤らに少し不安が残るので、優勝は厳しいかと。東洋ももう1つ推せるポイントが少ない。

以上のことを踏まえて

優勝 青山学院大学
2位 駒澤大学
3位 東洋大学
4位 東海大学
5位 帝京大学
6位 早稲田大学
7位 中央学院
8位 國學院大学

と予想します!

青山学院が史上初の2度目の学生駅伝3冠に王手をかけるのか、それともライバルたちが待ったをかけるのか。明日の午前8時05分に号砲が鳴る。

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