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おはようが苦手

 朝、友達とあったとき。みなさんは「おはよう」っていうはず。いつからだろうか、わたしは「おはよう」がいちばん苦手になっていた。

 「友見知り」の話を以前したけれど、まさにそれである。先輩に対しても、後輩に対しても、友人も、恋人も、はじめの挨拶がいちばん苦手だ。無視したくないのに、言葉に詰まってしまう。挨拶ほど苦手なことはないし、だから「人見知り」と思われてしまうんだろう。

 本当はダメだってわかってる。そういうことが降り積もるうちに、性格が変わっていくんだろうなってふと気付いた。

 昔、めちゃくちゃ知らない人と話してたらしいの。電車で。海でも人に話しかけてたらしい。今なら絶対無理だし、きっと緊張して家に帰ってしまうだろう。最初の挨拶さえ交わせれば、もう大丈夫なのに。最終関門を突破できるのに。

 こういうことって、ちゃんと相談するのはなかなか恥ずかしい。だから、こういうところで文字にしたためる。形にすることで、少しでも直そうとしようと思いたいから。頑張りたいから。

 頑張るって難しいんだよ。でも、昨日考えた時に頑張らない理由が見つからなくって、それはちょっと嬉しかった。だったら、自分を信じて、ぎゅーっと前に進むしかないじゃない。思った方向へ進むしかないじゃない。

 挨拶って人間の基本だって言われてきた。それが出来ていないってことは、基本がなっていないということ。そう言われたら、めっちゃ屈辱的だもん。許せないもん、詰め寄りたくなるもん。

 ごめん。言いすぎた。でもさ、それくらい恥ずかしいって嫌いなんだ。

 挨拶ができないなんて信じられないし、昔出来ていたことができていないというのはもっと信じられない。しかし、自分の現在地点はここで、ひとつずつ壁を乗り越えていくしかないんだよね。出来ない理由を探すより、やる理由を探した方が絶対いい。

 おはようを頑張る。今年の目標のひとつに書き足しておきました。そうだ、ここでみんなに目標を言ってなかったな。

 エッセイ「古今東西・偏愛AtoZ」第H回
 坂岡 優

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