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家主のいない「空き家」を、1軒でも減らしたい

10年くらい前から、実家を「空き家」にしないことを考えています。

今の日本に、「空き家」は一体どれだけあるのだろう。
存在自体が危険と言われているにも関わらず、国も自治体もこれといった強い対策を取っているとは感じられないのが不思議。

私の実家は北海道にある。
雪のシーズンには、その重みに耐えかねた「空き家」が倒壊したニュースが流れたりする場所だ。それを観るたびに、そうならないようにと意識してきた。

10年前、私の両親は60代だった。
実家の整理を意識し始めてから、できる限り元気なうちに中の物を片付けて欲しいとお願いしていた中、昨年秋に父が倒れ、入院。母ひとりで整理するのは事務的に難しく、今年の春に実家を手放す計画だったが頓挫。
そして今年6月に、父が実家を遺して逝ってしまった。

6月からの2か月、ついに母が動きました。
名義変更、不要な家財の処分、実家解体の費用とそれに関わる補助金について自ら調べたのです。
いつも父の後ろに隠れ、そんなことを率先してする人ではなかったのに。私の言葉がやっと届いたとわかって嬉しかったです。
母が自ら重い腰を上げてくれたことで、私は離れていてもできる限りのサポートを続けることを決めました。

実家という存在に悩んでいるひとは多いと思う。
変な話、親が建て、屋根や外壁の手入れをする余裕がなく、ただ暮らし続けていた家はそれこそ「寿命」を迎えている。リフォームなしで次の世代が引き継ぐのはほぼ無理だろう。

早めに親と実家の整理を話し合い、解体までの道筋を決めておけば、費用の積立など金銭的な負担も心の不安も備えあれば何とかで減らしておける。
もちろん、ひとりになった母の今後も考えていて、私は同居に向けた話し合いの最中だ。

実家は準備が出来次第更地にして、次の世代に渡すのが1番いいのではないかと考えている。
そうすれば「空き家」にならず倒壊を防ぐことができるし、犯罪の温床になることもないだろう。
思い出のある実家を、悪い噂の立つ物にしたくない。

ただ、私のできる範囲は実家だけ。

この記事を通して、実家の在り方に悩んでいる方の気持ちが少しでも良い方へ向かうといいなと願うばかりです。

6月、父の葬儀のために帰った地元。
実家近くの家がすでに幾つもなく、更地になっていました。
見晴らしのよくなった土地で、悪いことはきっと起こらないだろう。
何とも言えない、寂しさと引き換えに。

#未来のためにできること

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