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[入社エントリ]メルカリを卒業してIVRyへ[退職エントリ]

はじめまして。現在IVRyでPdM&事業責任者をしているyuuです。前職メルカリに新卒で入社し、6年の時を経て始めての転職先がIVRyとなりました。入社エントリではありますが、多分に退職エントリの要素を含む記事となっています。


メルカリ時代

大学院・インターン時代

大学・大学院で数学を選考し、数論や代数幾何学と呼ばれる分野の研究をしていました。そんな学生時代、アルバイトと奨学金で生活費と学費の全てを賄っていた私にとってメルカリは、人間らしい生活をするために必要不可欠な革命的サービスでした。もしもメルカリがなかったら私は数学の勉強も友人との遊びも満足にできなかっただろうと思います。買い物は全てリセールバリューを考えて行い、不要になったらメルカリで売っていました。そのおかげでアルバイトの時間を減らし、勉強や遊びに時間もお金も使うことができました。メルカリは私の人生を救ったサービスであり、そんな素晴らしいサービスに関わりたいという気持ちがメルカリ入社を希望した最初のきっかけだったのです。そんな想いもありつつ、メルカリにはインターンとして入社することになりました。インターンの配属先は検索チーム(メルカリ商品検索のアルゴリズムを改善している)で、そこではPdM兼アナリストとしてUX改善から検索エンジンの同義語辞書やランキング改善に関わることになりました。全ての仕事が初めての経験で毎日が楽しくて仕方なかったのを今でも覚えています。一方で今でも忘れられない強烈なフィードバックを受けたりもしました。SQL初心者だった私は配属先上司に紹介された分析チームのエース社員の方に1on1を申し込んだのですが、そこで一蹴されてしまいました。「これはあなたの個人的な成長のための質問か?それとも会社の成長のための質問か?」という質問をされ、「会社の成長のため」と即答できなかった私はそこで1on1を打ち切られたのです。今になって思うと相当無茶苦茶なことを言われていると思いますが、当時の私は「全員が事業の成長にフルコミットしていてなんて素晴らしい会社なんだ。ここで働きたい。」と心底思いました。そんな洗礼を受けつつも、周囲の方からのサポートを受けながらがむしゃらに仕事をした結果、インターン経由での内定を獲得することができました。内定後もインターンは続け、結果的に約1年の長期インターンとなりました。

メルカリ前期(~1年目)

入社後の配属はデータサイエンスチーム。プロジェクトのアサインは検索改善プロジェクトだったので、実際はインターン時の延長のようなアサインでした。この時検索チームは検索エンジンの基盤を総入れ替えする超大型リリースを控えていて、その推進やリリース判定のための分析に関わっていました。そして入社から半年後、チーム全員でなんとかリリースまで持っていくことができました。リリースを終えることができてホッとしていると、私の社会人としての最初の師匠であり検索チームの統括PdMだった上司が新しい挑戦のためにメルカリを卒業するというビッグニュースが入ってきました。そんな事情もあり、当時ぴよぴよの新卒1年目だった私はまさかの検索チームのPdMに正式に任命され、PdMとしては検索チームを一人でリードしていくことになりました。メルカリでは購入数に占める検索からの流入割合は非常に大きく、さらにチームメンバーのエンジニアは業界でも有名な猛者ばかりという状況で、新卒の私にチームを任せるのは会社としては相当にGo Boldな判断だっと思います。一方で私にとってはとてつもなく貴重な機会であり、この時期にPdMとして最低限必要なスキルを実践形式で鍛えることができました。会社としては急速にグローバル化が進んだ時期でもあり、英語MTGが増えたり、私の上司も日本語の話せないアメリカ人になったりと、当時全く英語を話せなかった私にとっては新米PdMとしての試練に加えて語学の試練も重なった時期でもあります。それでもやっぱり検索チームでPdMをすることは非常に楽しくて、チームメンバーにも恵まれ、皆で終電ギリギリまで毎日のように検索エンジン改善のための議論をしていました。

メルカリ中期(2~4年目)

入社2年目になると、周囲のサポートのおかげで徐々にPdMとして価値のある仕事ができるようになっていました。出品者が商品とは関連性の薄いキーワードを商品説明に詰め込むことによる検索結果の汚染に対処したり、同義語辞書の拡張によって検索結果のヒット数を増やしたり、上記のようなロジック改善が継続的におこなえるように検索結果のデフォルトソート順をおすすめ順に変更したりと、チームとしても意味のある検索改善が着実に増えていきました。このあたりから、仮説を立ててそれをABテストで検証していくPDCAサイクルを高速化することができ、当時社内で一番ABテストを走らせている人になっていたと思います。社内でのデータドリブンな意思決定に投資をしていきたいという機運と、私のデータドリブンな改善スタイルがはまり、なおかつ年間で10億円規模の改善になる施策を複数当てていたことが評価され全社のMVPにもありがたいことに選出されました。また、入社3年目になると、社内ではshopsなどの新しい事業も立ち上がり、検索体験において既存のメルカリビジネスを最大化しつつも、新規事業のビジネスも最大化するという難易度の高いプロジェクトも主導するようになっていきました。入社3~4年目にはチームのメンバーも爆発的に増え、検索チームのPdMも4人体制でエンジニアも20名を超える社内でも有数の大規模なチームになっていました。増えたメンバーはほぼ全てグローバルメンバーだったのですが、1年目は全く話せなかった英語も多少上達しMTGをこなせる程度にはなっていました。またこの時期にはプライベートで子供が生まれたこともあり育休を取ったりもしていました。

メルカリ後期(5年目~)

育休からも復帰し、メルカリ最後の一年はとんでもなく濃い経験をすることになりました。社内の最優先プロジェクトの一つとして、出品・データ・検索を横串で横断的につなぐことでマッチング体験を劇的に改善するプロジェクトが発足し、プロジェクト全体リードとPdMチームとデータチームのマネージャーに就任しました。約40名からなる開発チームで当初は1年かかると言われていたリリースを半年でやりきったりと、ここでも周囲のメンバーには恵まれました。一つの事業として予実管理をしたり、毎週の経営会議に参加したり、これまでにない経験となりました。そしてこのあたりのタイミングから私は、大好きなメルカリを今以上に改善して世の中に届ける価値を最大化するためにメルカリで執行役員を目指して頑張ろうと考えるようになっていました。

IVRyとの出会い

ファーストインプレッション

2024年1月に友人からIVRyへの転職話を聞きました。始めて話を聞いたときは、私はメルカリのサービスが大好きでメルカリに骨を埋めるつもりで働いているし、そもそもtoBのSaaSで魂こめて働いている自分が全く想像できなかったために話半分でその話を聞いていました。しかもその領域が電話で絶対にこれから伸びる会社だというので、これはとんでもないポジショントークをされているなと感じていました。にもかかわらずIVRyの代表の奥西と会って欲しいと半ば強引にアポイントが決定しました。そんな経緯ではありつつも、その友人へは私自身が絶大な信頼を寄せていたことと、その友人の熱気に当てられたこともあってIVRyという会社を調べてみることにしました。調べた結果、「わからん笑」というのが正直な感想でした。友人から話を聞いた6日後、代表の奥西と話してみて僕の気持ちに少し変化が生じていました。気づいたら面談直後に「もっとIVRyという会社とその事業の解像度を高めたいから、各種ドキュメントの共有をして欲しい」とお願いしていました。そしてその翌日がIVRyのオープンデー(社外の人がオフィスに遊びに来ていい日)で吸い込まれるようにオープンデーに参加することになりました。

オープンデーへの参加

私はあまり積極的に社外のイベントに行くタイプではなかったので、このような会は慣れていなくて少し緊張していました。しかし、実際に参加してみるとめちゃくちゃ楽しかったのです。IVRyの全員が会社の未来を信じていて、誰もが会社の魅力を自分自身の言葉で語り、一人残らず目を輝かせていたのです。そして会の終盤では、私を誘った友人や代表らが真面目な事業の話を私の隣で始めるのです。そこで聞く内容は、メルカリにいたら聞くことがないような資金調達の話だったり、新規事業の勝ち筋の話だったりと、どれも私にとっては新鮮なものでした。そして私は気づくのです。この人たちめちゃくちゃ頭いいぞ。単純に私にとって聞き慣れない話だったのもありますが、シンプルな頭のキレを感じました。特に代表のあらゆることへの解像度の高さには驚きました。事前の面談で話した感じから代表の思考や行動は私と似ているタイプだと思っていました。だからこそ私は自分がいかに今まで狭い世界で仕事をしてきたのだと痛感させられました。「代表の奥西は私の一つ上の学年。しかも思考も近い。にもかかわらず、私のずっとずっと前を歩いている。これは絶対に追いつかなければいけない。そして追いついたら私が壁打ち相手になって事業の成功確度を上げなければならない。」などと深夜のテンションで考えていました。

メルカリかIVRyか

上述した通り、そもそも私はメルカリを辞める気などありませんでした。大好きなサービスを改善しながら、さらなるサービス改善のためにできることを全部やる。という入社時からの決意を固めていたはずの私が何故かIVRyに入社する人生もありかもしれないと悩み始めてしまったのです。IVRyがなぜ私にとって魅力的なのかを整理してみると次の3つになると思います。

  • 代表の奥西と一緒に働かない選択は私の人生にとって損失

  • 急激な会社の成長に立ち会い貢献することができる

  • IVRyは社会への貢献度が非常に高いプロダクトを提供している

その1:代表の奥西と一緒に働かない選択は私の人生にとって損失
これは前述した通りで、メルカリに留まったら絶対に獲得することのできない経験や考え方をIVRyでは獲得することができると思いました。もちろんメルカリに残っても、そこでしか得られない経験は存在すると思います。しかし、6年も在籍していると今後2~3年の間に経験するであろうことは大方想定できるようになります。想定できるということは、自身の成長も想定の範囲内に収まってしまう可能性が高くなります。一方でIVRyでは、代表の奥西をはじめこれまで出会わなかったようなタイプの優秀な人が多く在籍している環境があります。そして会社のフェーズやビジネススキームの違いもあるため、個人としても会社としても非連続な成長の機会があると感じました。IVRyのvalueで言うところのBeyond the Wallで、メルカリで言うところのGo Boldな意思決定をしようと思ったのです。

その2:急激な会社の成長に立ち会い貢献することができる
私がメルカリに入社したとき、すでに私の社員番号は1000番を超えていて、優れたビジネスモデルと優れた組織にタダ乗りしているよう後ろめたさがありました。IVRyでは出会ったときにすでにシリーズBだったので0->1とまではいかないのですが、1->10や10->1000のフェーズには自身が貢献しながら立ち会うことができるのは魅力的と感じました。私がメルカリのインターン時に感じた合理を超えて皆がコミットをして皆で成功を分かち合うような一体感のある会社をIVRyの皆と作っていけたら楽しいだろうなと思いました。これはIVRyのvalueではKeep on Groovin'でメルカリのAll for oneに相当する価値観を大切にしたいと思った結果だと思います。

その3:IVRyは社会への貢献度が非常に高いプロダクトを提供している
現在のIVRyプロダクトは電話に関するあらゆる業務改善を提供しているのですが、始めて聞いたときは正直あまりピンと来ていませんでした。しかしよく考えてみると、この領域は私自身もユーザーとして課題を感じた経験が何度もあることに気づきました。学生時代に飲食店でアルバイトをしていると営業のピーク時ほど電話はたくさんかかってくるし、美容院で髪を切っていると美容師さんは電話の度に作業を中断することを思い出しました。似たような事象が業界問わずに起きているのだとすると、IVRyのプロダクトは世の中のほぼすべての人へ価値提供をしていることに気づいたのです。

葛藤と決意

オファー面談を経て二つ返事でIVRyに入社しますと宣言をしたのですが、いざ退職の話をメルカリの仲間たちにすると気持ちが揺れ動きました。新しい挑戦を応援してくれる人と絶対に残ったほうがいいと引き止めてくれる人がいましたが、本当に親しい仲間からの引き止めは心にくるものがありました。会社で涙を流したのはこの時が始めてだったと思います。今までの楽しかったことや悔しかったことやもっとやってろうと思っていた様々なことが頭の中を駆け巡り、涙とともに迷いが生じ始めました。誘ってくれた友人や代表の奥西宛に「申し訳ありませんが、辞退させていただきたいです」という内容の文章を打ちかけては消すということを何度も繰り返していました。そんな中で最後の決め手になったのはIVRyの皆が本気でコトに向き合っていたその姿勢でした。メルカリも十分にそのような文化がある会社だとは思うのですが、IVRyではその熱狂のレベルが桁違いでした。ここに今すぐに飛び込まなければ絶対に私は後悔すると思い、IVRy入社への決意を固めました。


IVRy入社後

実際に入社してみて

2024年4月から前職は有給消化期間となったので、この時期から業務委託としてフルタイムで働き始めました。IVRyはみな誠実なので、できていることもできていないことも入社前に聞いていた通りで入社後のギャップというのは感じたことがありません。一方で、とりあえず社内をフラフラ歩いていたら会議に誘われて「じゃあ〇〇はyuuさんに任せます!」といきなりアサインが決まったのは流石に驚きはしました。「これがスタートアップか」ととにかくワクワクさせられました。ちなみにIVRyには会議室はなく、すべてオープンスペースで会議が開催されているので、適当に歩いていると面白そうな会議に捕まることはよくあります笑

IVRyで成し遂げたいこと

世の中の電話課題をテクノロジーの力で解決することであらゆる人へ価値を届けたいと思っています。その結果としてIVRyの時価総額を最大化を目指します。そして2024年7月から中小企業セグメントの事業におけるDirectorに就任したので、IVRyらしさであるwork is funを体現しつつもこれまで以上の高いコミットメントを追求していくつもりです。またIVRyでは既存のプロダクト以外にも、まだ外で言えないような新規事業の話やグローバル展開の話などワクワクする要素しかありません。これらの事業を成功させることで世界の歴史に残る会社をIVRyの皆で一緒に作り上げていきたいと思っています。

最後に

私はIVRyに出会ったことで毎日が楽しくて仕方ありません。もちろん事業を進める上では大変なこともあります。ですが、IVRyの全員がコトに向かっている姿勢がある限りどんな困難も乗り越えて事業が拡大していくことを確信しています。そんなIVRyで情熱を燃やして一緒に働きたい人を全職種で採用しています。少しでもIVRyに興味のある方はPittaでお話させてください。そして最後まで読んでいただいた方は本当にありがとうございました。


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