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地図を旅して目的地を探す

浪人していた長男。本人の希望で受かっていた公立に行かずに第一志望を後1年目指したいと言った。もしも学力が上がらなければ、第二志望を受けて2年は浪人しない。そんな約束で。最初のうち、勉強に身が入らないように見えた。本人に任せて様子を見ていたが一向に勉強する気にならないようだった。

そんな中、長男の理解の仕方のヒントを感じる音声配信があった。話をすると本人も「確かに!」
とやる気に。図解のためのノートを購入して目を輝かせていた。

がしかし。その後夏になっても勉強をする気配がない。それまで口出しをしていなかったが、夏休みになって一度しっかり話すことにした。

やりたいことがあると語った長男。


長男は第一志望の学校でやりたいことがあると言っていた。その未来を見て、勉強しなければ入れないのではないのか?
あるいはもう勉強が嫌なら、最低限学力が落ちない程度は復習をして第二志望に備えた方が、頭も心もスッキリしていいのではないか?

わかっていると言いながら結局年が明ける共通テストの時期になっても、二次試験の時期になっても勉強する様子はなかった。

省エネ受験。現役時代に共通テストまではかなり頑張っていたので、そのアドバンテージが効いたのだと思う。そして今になってわかったのが、長男はおそらく口では「やる」と言いながら、勉強したくなかったのだ。

「やる」自分でありたかったのではないか

ではなぜ、あと1年頑張りたいと言ったのか。
1年頑張りたいと言った時、途中で「勉強する」と言った時、本気に見えた。親を納得させるための嘘をついつるようには見えなかった。私は決して彼は嘘で言っていたのではないと思っている。
だからこそ、彼の行動が不可解だった。

長男は、もう一度挑戦する自分でいたかったのではないか。「やる」自分でいたかったのではないか。
でも
やらない自分、やれない自分が現実にありながら認めたくなかったのかもしれない。認めて、「やめること」「やること」をはっきりした方が、頭も身体もスッキリするのに。

朝起きた瞬間にふと気づいた。本当にふと。

「山登り型」と「川下り型」

以前田中慶子さんがvoicyで、ゴールに向かうのに「山登り型」と「川下り型」がある、と話していた。
同時通訳者でありながら、コーティングもされている田中慶子さんは、目的の場所への到達の方法を解説。
山登り型はゴールが見えていて、そこへ向かって積み上げていくタイプ。
川下り型はゴールはなんとなくわかっている状態で川の分岐に合わせて行く方を選択しているが、絶対的に決定はしていない。

この音声配信を聴いた時、自分はミックスだなと思った。確かにゴールは決める。決めるけれども状況により、ゴールを変えるし、時にと登るのもやめれば良いと思っている。偶然何かのご縁で始まることも多く、そこにふらっと乗ってみる。その結果、またゴール地点は変わっているが、それで良い。
だから、山登り型でありつつ、状況に流されて変わる川下り型なんだと。多分どちらの気持ちもわかるのではないかなと。

長男は真正「川下り型」

だが、違った。「根っからの本質」はきっとどちらかに分類される。私はきっと「山登り型」だから「目的がはっきりする方が頭がスッキリする」し、変更があれば、その都度どんな変更なのかを曖昧なままにせずはっきりした方が、その変更した目的に向かえる、と考える。
そして、長男はきっと真正な「川下り型」なのだ。目的地は曖昧なままでいい、というより、曖昧で「選択肢が多い方が落ち着く」のかもしれない。だって川の降る先がはっきりしているのは、よほど急か狭い川。
もっと雄大にくねりながら、可能性が広がる中で道を選択して行き着く先が見たい、のかもしれない。
ミックスだからどちらの気持ちもわかるなんて、勘違いも甚だしい。全くもって違うなら、どんなに彼が「こうしたい」と言っていても実のところ、しっくりきていなかったのではないだろうか?

川下り型はもしかしたら、広がった地図を旅しているのかもしれない。そのうちに見つかる目的地の読み方を調べながら歩くような人を前に、主役力はどう使えるだろう。
「自分を知りましょう」「何がしたいか書き出しましょう」と言っている私は、もしかしたら無茶振りをしているのだろうか。
田中慶子さんの配信の内容と、長男の行動がリンクして突如として、降りてきた気づき。
川下り型の方のプロデューサー力はより可能性を広げる方法で伝えたい。


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