4年経っても許せないこと
銀行員の皆さんは自分の預金残高調べたことありますか?
僕はありませんでした。
確かに同期は調べて遊んでました。
業務時間中に(笑)
入社して2年経つ頃のお話。
当時は預金課にいて、次年度預かり資産担当になることが決まっていました。
預かり資産には投信とか保険とかがあるんだけれど、主に投信を推進してたので、仮に投信課としておきましょうか。
ある日、次年度上司になる予定の投信課長から言われました。
「投信100万買ってくれ。」
当時、投信利用者1人あたり年間○万円追加購入させるという目標があった。
自分は、前年度別の目標の為に自社で投信利用者になっていたので、その目標の対象者になってしまっていた。
(今もそうだけれど)給与が入るとネットバンクに移していた。
そこで投信や定期にしていたので、投信を追加で買える余力はなかった。
目標は大変かもしれないけれど、無い袖は振れない。
正直に伝えた。「もう他行で投信になってるのでお金がないです。」
「いや、あるんやて。」
ある?あるって何?確かに自社とネットバンクの預金全部だせばギリ足りなくもない…。
いやなぜそれを知っている??
定期預金500万円。
投信課がよく見ている顧客画面を見せられた。
普通預金20万円、定期預金500万円。総残520万。自分の把握している全財産の軽く2倍を超える残高が表記されていた。
自分の小さいころからここの金融機関は使っていた。
身近だったから入社したってのもある。
それがまさかこんな形で仇になるとは。
薄々祖父母が貯めてくれているのは知ってはいた。
年末に○○くんの満期が、なんて話を小耳に挟んだことはあったから。
けれどそれ以上を聞くことはなかった。
きっと祖父母の思いがあるだろうから、と。
金額を知ったのはこの時が初めてだった。
いつか来たであろう「こんなに貯めてくれてるとは思わなかった。」の感動の機会は、会社で奪われた。
当然話した。
これは自分の預金ではない。今の今まで知らなかった預金だ。
たぶん祖父母の貯めたもので通帳も手元にない。
会社で知らされたからと言って「くれ」とは言いづらい。
「金が無い。」よくある断り文句だったんだろう。営業のプロである投信課からは切り返し話法が来た。
「そうは言っても法律上は○○くんのお金なんだから。」
「浪費する訳じゃなくて投資なんだから。」
「100万じゃなくても○○万(記憶ない)の購入でも足りるから何とかならんかな。」
「将来の○○くんのためのお金なら、おばあちゃんに言って貸してもらったらどうだ。」
極めつけは
「来年から○○くんもこっちの部署で働くんだからさ。」
もうこれは断れないと思った。
拒否権なんてなかった。ここで断ったとしてももうあと数ヶ月でこの人の元で働くのだから。
こんな勧誘方法ある?まあ、勧誘ではなく圧か。
元々投資意欲はあった。別に投資が怖いとかそういう訳ではない。
ただ「余裕資金がない」と言っているのに。
来年から投信部で働くんだから、投資怖いとか言ってるなよ?投信くらいやってろよ?
それは分かる。自分が売るものくらい知っててもいいと思うし。
でも、投資は“余裕資金であること”ってお客さんにも確認するんですよね?
使い道決まってる、とか、借入金はお客さんやる気させたとしても手続きとれないんだったよね?
ばあちゃんに、“借りて”って…。
結局祖父母には相談せぬまま、他行も含めた全預金と、他行で買ってた投信の一部を解約して投信を買った。
預金残高ほぼゼロ。
ラッキーなことにその頃作ったクレカの引き落とし日は、給料日の数日後だったので残高不足にはならなかった。
相談せず買ってしまったのは、買ってくれと言われた金額が、自分の全預金でギリギリなんとか出来そうなラインだったのと。
何より言いたくなかった。
会社で預金をバラされたから貸してくれ。なんて。
なんでこんな前の話を思い出したか。
先日、たまたまコンプライアンス相談で、「無理矢理自社商品を買わされたことはありませんか?」なんて項目があった。
大いにある。あったぞ。言えなかったけれど。
あぁ、今ならこういう所に相談できるのにな。
あの頃の上司、今訴えたら勝てるのかな?(笑)
流石に遅すぎるな。もう別にいいし。
昔怖い店長が言ってた。
自分のした悪い行いを、された側は一生覚えてるもんだ。
今でも覚えてしまっているよ。部長。
入社2年じゃ、これが異常なことだとは判断付かなかったね。
次起きたら訴えよう。
今は、社員の購入は実績対象外だからもうないんだろうけど。
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