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聖なる欲

私の彼は車椅子に乗っている。仕事中に脊髄損傷となる大事故をして、ある日突然歩けなくなった。
幸いにも上半身に後遺症はなく、今は家で料理をしたりしてゆっくりと暮らしている。

夜の生活の方は今は行為は出来ない。
それでも触れ合う時間を大切にして二人だけの形を作れたら良いと思っていた。
でも、まだまだお互いに満足してるか?と、聞かれたら、イエスとはっきり言えない。
セックスを出来ない事は、実際に二人の関係に大きな影響を与えていると思う。少しずつ、お互いに満たされない気持ちが溝になっていく。

私は正直セックスが大好きだ。
だから、出来なくなった時はショックすぎて受け入れる事が全然できなかった。

だから、彼が事故をしてしばらく逢えなくなった時は、寂しくて他の男性と会っていた日もある。その時は、自分の寂しさを埋める為に必死だったのかもしれない。
そうなると、彼から気持ちは少しずつ離れてしまう。その時に出逢った男性の事がどんどん好きになる。その気持ちを抑える事が出来なかった。女性は割り切ってセックスをする事が難しい生き物だと知った。

私は本当にそれで良いのか?
決して、彼の事を傷つけたいわけじゃない。
じゃあ、どうしたいんだろう?

今は、まだ分からない。
だから、とりあえずまずは自分ととことん向き合おうと思っている。

出来ないからこそ、自分で潤いを絶やさない様にセルフケアを怠らない様にしていこうと思う。セックスが出来なくても、セクシャリティーな気持ちを自分の中から封印する必要も、抑える必要もない。

でも、それを誰かに埋めて貰っていては、きっと私はいつまでも本当の意味で満たされないのかもしれないと思った。
自分の中にある聖なる性としっかりと向き合ってみよう。

ただ、発散したい訳じゃない。欲に振り回されずに、力を扱えるようになりたい。

性エネルギーには、大きな力がある。命の源だとも思っている。自らの命を、私は何に使っていきたいのか?

まだまだ自問自答を繰り返しているけど、自分の中から湧き上がってくる想いに忠実でいたい。溢れてきたものを、もっと世界に産み出していきたい。

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