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期待しても、いいですか。

もう好きな人は作らないと思っていた。
誰も好きにならず、誰にも好かれないと思っていた。
一人で生きていくのだと、一人は孤独ではないと言い聞かせながら、心の片隅に寂しさがあった。

唐突なメッセージに唐突な通話。私の身の周りがようやく落ち着いた矢先の出来事だ。それまでも何度かメッセージのやり取りがあったり大勢を交えて話したことはあったけれど、一対一で話すのはこれが初めてだった。
お互いに暇つぶしで繋げたはずなのに、私は始終緊張していた。聞き慣れないけれど心地良い声が、時折ぽつぽつと言葉を形作る。いつしか緊張は解けていた。無言さえ苦痛ではなく、気の済むまで沈黙を抱きしめていられた。気がつくと4時間以上が経っていて、その時間の速さにただ驚いていた。

そして次の日も、私たちは声を交わした。「眠れないから」と取ってつけたような言い訳をしたのは私の方だ。探り合うような会話に心臓がおかしくなってしまいそうだった。






本当は、最初の通話の後に言いようのない感情が溢れていた。

他の人にも同じことをしていてほしくない。

無言の居心地が悪くないのは私だけであってほしい。

どうか、どうか、どうか。





関わりが浅いなんて分かっている。

一時の気分の揺れかもしれないなんて分かっている。

だからこそ、それが“気のせい”で終わらないように。

想いが互いの方を向くという奇跡を、可能性で終わらせないために。

大切に、大切に、この想いを温めていきたい。






諦めていた未来に、期待してもいいですか。

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