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鬼滅の刃 スパイファミリー ヒットの理由は「憧れ」と「共感」

現在の超人気作2作品

今年ジャンプで連載が完結した漫画「鬼滅の刃」。
言わずもがな全世代的なヒットをし、単行本累計発行部数1億2000万部を叩き出してるバケモノ。真菰ちゃんかわいい。
それとは別に、ジャンプの漫画アプリ・ジャンプ+で、連載開始当初から支持を集めるホームコメディ漫画「スパイファミリー」。こっちも単行本累計発行部数800万部を成し遂げ、波に乗りまくってる。アーニャかわいい!
どちらもジャンプということで、バトル要素ありの少年漫画的作品だが、 果たして何でここまで人気なのか?誤解を恐れずに言うと、似たような作品は探せば出てきそうなモノ。しかし、この2作品には現代でヒットしうる要素が詰まっていて、それゆえここまで多くの人の胸を打ち人気が出た。
それが、「憧れ」と「共感」だ。

希薄な繋がり・夢を持ちにくい今

令和の今、多くの人は何を求めてるのか?それが、この2作品を通すと見えてくる。

スパイファミリーは秘密を抱えた3人が偽装家族となり、次第に心を通わせ本当の家族のようになっていくという作品。
鬼滅の刃も、妹という家族のためにひたすら突き進む話だ。
一方、現実はどうか?
一人暮らし世帯が増え家族の繋がりがどんどん減っている。
ここから見えてくるもの。
それは、繋がりが希薄になっている現代で、近い繋がりに「憧れ」を持っている人が多いんじゃ?ということ。
スパイファミリーでは3人の心の繋がりがメインで描かれ、鬼滅の刃も主人公の炭治郎は常に妹ことを考え、モノローグ(心の声)も丹念に描かれている。どちらもバトルを見せるというより、キャラクター同士の繋がりをメインで描いている。
リアルでの繋がりは減っても、Twitterやインスタなどのsnsは頻繁に使われてる。
スパイファミリーのように、血の繋がらない人たちが一緒に暮らす映画「万引き家族」のヒットも記憶に新しい。
表には出さなくても、根っこで思ってる「憧れ」という欲求をガツンと揺さぶられたのだ。

また、ここに「共感」も大きく関わってくる。
家族というのは、多くの人にいて普遍的。今は1人暮らしでも、実家や離れた場所に家族がいて、ずっと一緒に暮らしてきた人が多いと思う。スパイファミリーも、スパイという設定でも中身は家族のやり取りだ。懐かしさ・微笑ましさなど、共感できる部分が多い。

そして、鬼滅の刃。これにも、現代だからこその共感がある。
ドラゴンボールが連載していた時代は、現実でも未来に希望をもてる凄く明るい時代だった。だから、ドラゴンボールを集める、という壮大な目的にもついていくことができた。
だが今は景気もいいとは言えず、先のことなんて全くわからない。そんな時、ドラゴンボール集めるって言われても正直冷めてしまう部分が大きい。
一方、鬼滅の刃の目的は妹を助けること。この目的は、ドラゴンボールと対照的で、すごく内向きにある。
あくまで行動するのは、家族のため。昇進や壮大な夢じゃなく、身の回りの人を幸せにする程の目的。そういった炭治郎の考え方が、今の人たちの考えに共感を与えたんじゃないかと思う。

結局は、運

こうやってみると、まさに鬼滅の刃・スパイファミリーは、現代にピッタリハマる作品だったのだ。
じゃあ、これを狙って作品を作れば大ヒット!!
…とはならない。仮に、今から狙ってつくろうとしても、時代が変わるのは早く世に出るときはもうウケないなんていうのはザラにある。また、狙いすぎるとあざとくてしつこさが出てしまうということも。だからつまり…、運だ!!
結果から推測して、ヒットの部品を取り出すことはできても、その部品でヒット作が作れるとは限らないのだ!
何と厳しい世の中か。
でも、分析することは無駄じゃなく、そこから吸収できることも多い。そこからヒット作とまではいかずとも、見た人の気持ちを動かすまでいければ、充分。

自分はまだそこにもいけないので、そんな作品をつくるためまたネームを書きます。

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