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公園を歩く男を斜め後ろから写しながら、ナレーション。

生きていく中で、どうしようもなく不安になる時がある。何か確かなものに、すがりたくなるような時が、安定を求めているのか、はたまた、安心を求めているのか。

ベンチに座りうなだれるような男の絵

俺はつい最近、仕事で大きな失敗をした、取り返しのつくことじゃない。
けど、失敗する前から、いつか失敗するかも、いつか失敗するかもと日々怯えながら、仕事をしていた。
なんだか、警察から逃げている指名手配犯のような気持ちで、失敗した時は、あーついに捕まっちったかという気分になった。犯罪者でもないのに捕まる人の気持ちが少しわかったような気がした。

人生のドン底とも言える時は無性にあたたかいものに触れたくなる。言葉では表せないあたたかいものだ。本当に大切なものは、そういう時にしか気づけないのかもしれない。

同僚が男に近づく
同僚「お、だいぶ疲れた様子だねー」
男「まーな」
同僚「そりゃ疲れるわな、あんだけ大変だったんだからさ」
男「まーな」
同僚「でも良かったじゃねーか、プロジェクト大成功だったんだから、さすが我が社のエース、これからも頼むぜ!」
男「(笑いながら)任せとけ、そろそろ返ろうかな」
同僚「一緒に戻ろうぜ」

ナレ:俺もそろそろ還ろうかな。

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