ミッション・ビジョン・バリューは何故大切なのか? ~あなたの乗っている船はどこへ向かっている?~
『何で言った事やってくれないんだろう。。』
『普通さぁ、、やるよね?』
『全部ルール化すればいっか』
すべてをルール化すれば良いというものでもなくて、全て起こりうるケースをルールに落とし込む事はかえって、効率を下げたり、想定外の事が起きると、判断が遅くなる場合もあります。
社員同士のすれ違い、自分の居場所に対する不安、それこそが仕事に向き合えなくなる原因の一つだと思います。
それは、「経営者や社員同士の価値観の違い」から生まれると思っています。
例え話をしながら、考えをシェアしていきたいと思います。
1、会社が進んでいる方向って一体どこ?北?南?東?西?どこー?
会社を船として例えてみます。
皆さん(乗組員)が乗っている船が、どこに向かっているのか、目的地を知らずに乗っているとします。
当然、「どこに向かっているのか?」を船長に聞きます。
ですが、船長は「とにかく、前進あるのみ!」としか答えません。
乗組員は、意にそぐわない返答に、ぶつぶつ言いながら与えられた業務をこなします。
目的地が分からないが故に、「いつ、どの島に着くのか」が分かりません。
そうなると、乗組員の行動が乱れ、船内に異変が生じます。
まず、予想されるのは「食料の取り合い」です。
いつどこに着くのか分からないので、食料が制限されるのが当たり前です。大人が食べる量の半分や、4分の1以下になるかもしれません。
ですが、人間の3大欲求の一つ、「食欲」を止める事は出来ません。
そうなると、力が弱い者は食料にありつけなかったり、真面目に食料を我慢している者は衰弱していきます。やがて餓死したり、壊血病になり、命を落とす者が出てくるでしょう。
「船で生きて乗り続けている事が目的」なので、自分の命さえ助かれば良いとさえ思う者が大多数になり、困っている人を助ける事をしなくなります。命を落とした乗組員を海へ投げ入れて「隠ぺいして無かった事」とし、それを船長に報告する事さえもしないかもしれません。
また、力のある者が業務をサボり、力の弱い者にやらせる者も出てくる事は、容易に想像がつきます。
それから、戦力の温存にも影響があるでしょう。
海賊船に襲われた時、「戦うべき時」と「逃げるべき時」があると思います。
戦うべき時は、自分達よりも数が少なくて勝てる算段がついている時。かつ、勝った時のメリットが大きい時。
逃げるべき時は、その逆です。
それが、目的地が分からなかったらどうでしょう。
「とにかく全戦全勝!突撃あるのみ!」と船長が言い出すかもしれません。
勝ち目がない相手に戦いを挑み、全滅する可能性もあるでしょう。
勇気を持って逃げる選択をしていれば、戦力を温存し、勝負すべき相手に対峙した時に勝てていたかもしれません。
目的地が分からないがゆえに、「プライド」「べき論」「世の中の良しとされる価値観」で意思決定をせざるを得なくなり、遅かれ早かれ、沈没の一途を辿っていくのではないでしょうか。
目的地が分かれば、そこから逆算して、「自分たちは一体どんな行動を取ればいいのか?」行動指針を全員で共有する事が出来ます。
その目的地に着くためには、
「どの方角へ向かうのか?どのくらい食料を温存し、食料をどこで供給するのか?どんな相手なら戦って、どんな相手なら逃げるのか?」
を決める事が出来ます。
2、船の目的地が決まっている!
「途中に島はないが、1ヶ月で着く島がある!そこが目的地だ!」という船のケースです。
すると、様々な行動指針が決められます。
・ここの気候は天候が変わりやすく、異変に気付いたら即、情報共有せよ!
・海路が把握しにくい海のため、何としても航海士を第一優先に守る事!
・常に鍛錬を怠らず、誇り高き船乗りであれ!
・曜日感覚を忘れないように、金曜日にはカレーを食べる!
・どんな時も仲間と助け合う事!
それを、乗組員全員に浸透させる事により、「どう行動すれば、1ヶ月航海を続け、目的地に着けるのか?」が分かるようになります。
乗組員同士でも、行動指針が明確になっているので、どんな行動をすれば良いのか迷いが無くなります。
行動指針に沿った行動が良しとされ賞賛され、反対に行動指針に沿わない行動は「目的地にたどり着けない行動」とされ、注意を受けるか、厳重な罰を受けるかも知れません。
目的地がミッション・ビジョン、行動指針がバリューと言われています。
そのバリューが目的地へ到達するのに必要なものとなります。
次の項で、堀り下げていきます。
3、ミッション・ビジョン・バリュー
・ミッション = 企業が社会に対して課題解決する事によって、与える価値
・ビジョン = 企業の夢や目標
・バリュー = 社員の行動指針
ここで、3社ほど個人的に熱いと思う、バリュー(行動指針)をご紹介します。
●株式会社メルカリ
バリュー:GoBold(大胆にやろう)
※ミッション:新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る。
●サイボウズ株式会社
サイボウズさんでは文化と表現されていますが、ぜひともご紹介したいのです。
文化(バリュー):公明正大(公の場で明るみに出ても、正しいと大きな声で言えること)
※ミッション:チームワークあふれる社会を創る。
●株式会社Take Action
バリュー:ENJOY & CRAZY!(努力は夢中に勝てない。困難をチャンスに捉えて全ての仕事を楽しむ。)
※ミッション:働く人に熱を。組織にエネルギーを。
ちなみに、私がミッション・ビジョン・バリューが大切だと学び、学ぶきっかけを下さったのが、上記のTakeActionさんの代表である成田さんの動画でした!youtubeのリンクをシェアしますので、ぜひご覧ください!
3社とも、数あるバリューや文化を1つに絞らせていただきましたが、共通して言えるのは、
「ミッションに基づいている事」です。
現代では、「業務が知識労働化」していると言われております。
何故かと言うと、現代ではモノが溢れているからです。
サービスやコンテンツやアイディアの質が、より求められています。
もちろん決められた事をやっていれば、ある程度成果出るかもしれませんが、新しいアイディアや、イノベーションは生まれにくい。
また、チームで意見が割れない事なんて、どんなチームでもあり得ません。
そんな時に、あの人が好きだとか嫌いだからとかを軸にしているのでは、目的地とは間違った方向に行ってしまう。
では、そんな時に何を軸に決定するのか?
それは、「ミッションに基づいたバリュー」なのだと思います。
同じ目的や価値観を持った人同士でやる仕事は、気持ちよく仕事が出来る上に、意思決定もスムーズです。
意見が割れたとしても、判断軸が明確なので、前向きな議論をした上で意思決定をし、行動が出来るはずです。
言われたからやるよりも、自主的にやった方がいいパフォーマンスが出る。
「やらないと怒られるから。。」と言ってやるよりも、自分で必要だと考えてやった方が、仕事は楽しくないですか?
なので、企業のミッションに、自分自身としてのミッションを持ち、重ね合わせる事も重要な事だと思います。
いかがでしたでしょうか?
あなたの乗っている船は今どこに向かっているか、はっきりと言えますか?
言えないなら無関心にならず、考えてみませんか?