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Beatles 名曲『across the universe』 和訳と隠された意味

皆さんおうち時間どうお過ごしでしょうか。ひたすらこもって映画に浸ってるなんて人も多いのでは。

僕のおススメなんですが去年に公開された映画『yesterday』見ました?ディレクターが『Love actually』と同じ人とかで公開早々に劇場駆けこんだのですが、期待通りのマジ良作で。

売れないシンガーソングライターがBeatlesが存在しなかった世界で唯一Beatlesを知ってる人間となり、彼らの曲を世に残すために歌い、スターダムを駆け上がっていく。が同時にずっと支えてくれて恋心を抱くマネージャーとのすれ違い、人の曲で売れることとの葛藤で揺れ動く主人公を描く。てな感じです。

後悔させません、マジでオヌヌメなんで兎に角見てください。

んで『yesterday』をきっかけにBeatlesの曲にハマり、聞き漁って掘ってるうちに何個かお気に入りの曲を見つけたんですね。

そのうちの一つが『across the universe』。歌詞はいかにもジョンレノンワールドが展開されていて、凄く意味深で理解しがたいのですがすごく素敵なメロディで。


そして先日、インドにて10日間の瞑想合宿をした時の講師の口、またドロップインで参加したヨガクラスの講師からも”Universe”という言葉が頻発した際におやっと思い調べてみると、Beatlesはインドに実際に訪れて瞑想をしたりとかなり東洋哲学に傾倒してたみたいでした。

ただし彼らが行っていた瞑想は、仏教をベースとする瞑想ではなく、ヒンドゥー教をベースとする「超越瞑想」というものの様です。(ジョンレノンは禅にも精通してたようですが。)しかし宗教が違えど説いている根底の部分て、突き詰めるとほぼ一緒でこの「Across the Universe」の歌詞も僕がヴィパッサナー瞑想で習ったことにすごくフィットしていました。そこで分からない単語の意味だけを調べ、合宿で学んだことをベースに自分なり(仏教Ver.)に翻訳してみました。



もちろん同じように沢山”across the universe"を翻訳してる人たちはいたのですが敢えてそれは見ないようにして、あくまで僕が解釈した翻訳になってます。

まずこれが歌詞です。

Words are flowing out like endless rain into a paper cup
They slither while they pass, they slip away across the universe
Pools of sorrow, waves of joy are drifting through my opened mind
Possessing and caressing me                    Jai Guru Deva, Om
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
                                 Images of broken light which dance before me like a million eyes
They call me on and on across the universe
Thoughts meander like a restless wind inside a letter box
They tumble blindly as they make their way across the universe
Jai Guru Deva, Om
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
                                Sounds of laughter, shades of life are ringing through my open ears
Inciting and inviting me
Limitless undying love which shines around me like a million suns
It calls me on and on across the universe
Jai Guru Deva, Om
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva


では少しづつ分解しながら考えていきましょう。


words are flowing out                                                    Like endless rain into a paper cup                 They slither while they pass, They slip away  across the universe                                                                      言葉は溢れ,こぼれ出ていく                     それはまるでペーパーカップに永遠と滴る雨              地這って広がる水のように                      全宇宙へと広がっていく

ここでいう言葉とはゴーダマ(仏陀)の言葉、つまり仏教の教えを表します。そしてUniverse(宇宙)とは、Outer space(この地球の外の空間)のことでなく時間、空間を含むもっと総括的な概念、簡単にいうと「世界」みたいなものですね。

Slither、Slipは何かが表面を這うように動いて聞くことを表しています。つまりコップから溢れこぼれて土台の表面に広がっていく様子を周りに影響を与えながら世界広がる仏陀の教えに例えています。

Pools of sorrow, waves of joy                                                          Are drifting through my opened mind                                             Possessing and caressing me
                                                                                                      悲しみの溜まり、喜びの波は                       私の開かれた心を流れていく
私を支配しながら、私を愛撫しながら

前バースで使われた水の表現はここでも「溜まり」や「波」として登場します。それらはそれぞれ”Possess”、"caress"に対応し、悲しみで憂鬱になり心を支配し、喜びが快感をあたえると歌っています。”drift”は「流れる」「漂流」するなどの意味合いがあるのですが、特に外部の力によって流れていくことを表し、コントロール外の周りのものが精神に影響を与えるニュアンスをあたえます。つまり悲しみだとか喜びは自分の意志とは関係なく心を流れていき、そのことで一喜一憂する様子が表されています。


Jai Guru Deva, Om
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world 
                                   偉大なる師よ感謝いたします                     何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない


この”Jai Guru Deva, Om”についてはさすがにググりました。これはサンスクリット語、仏教やヒンドゥー教の礼拝用言語です。Jai 「万歳!」などの何かをたたえる感嘆句、Guruは師、そしてDeva は神を表すそうです。そして多く見られた英訳では ”I give thanks to Guru Dev”「偉大なる師よ感謝いたします」となるようです。最後についた”Om”はジョン達が行った瞑想で唱えられていたマントラと呼ばれる呪文的なもの?らしいです。

ここの部分は、僕が行ったヴィパッサナー瞑想とは違うみたいですね。ちなみにジョンレノンは ”Jai Guru Deva” と刻まれたブレスレットをインドにいた際に気に入り購入したそうです。

次に繰り返される「何も私の世界を変えない」での世界とは先ほどの"universe”全宇宙を表す世界ではなく、自分の内面的な世界を表しています。つまり瞑想によって周りのものに一喜一憂するのでなく常にマインドをニュートラルに保つことを唱えています。

Images of broken light 
Which dance before me like a million eyes
They call me on and on across the universe

光の姿、百万もの瞳を経て、私の目映る
それは私を絶えず呼び込み、宇宙へと広がっていく


ここでの光とは仏陀の姿を指し、彼の姿は古代から現代まで百万もの人々を通して、常に人々を魅了してきたことをたたえています。そしてそれは普遍的に広がり続けながら、同じように人々を誘い続けている様子が浮かびますね。


Thoughts meander like a restless wind inside a letter box    They tumble blindly as they make their way across the universe

思考のメアンダーはレターボックスに吹き荒れる風のよう
それらは宇宙に広がっていくときにランダムに巻上げひっくり返す 
 

メアンダー

メアンダーとは上の画像のような連続性の幾何学模様のこと。僕が瞑想中にも感じた思考が次から次へと飛び移る状態を表しているのではないでしょうか。箱の中に風が吹き荒れ、巻上げられた紙が暴れる様子は、まさに瞑想中雑念が連想ゲーム化し止め処なく頭の中をぐちゃぐちゃにして集中ができないときにぴったりな表現な気がします。


Jai Guru Deva, Om
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world                                                                                            
偉大なる師よ感謝いたします                     何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない」



Sounds of laughter, shades of life
Are ringing through my open ears
Inciting and inviting me                                                                                                              
笑い声、人生の影
私の開かれた耳に響き, 誘い、駆り立てる

それぞれ笑い声は喜びの、人生の影とは悲しみのシンボルです。ここでもそれらのものは、心に感情というものを駆り立てようとします。


Limitless, undying love
Which shines around me like a million suns
It calls me on and on across the universe

                                  無限の、滅びることない愛                      それは百万の太陽のように私を照らす                 私を絶えず誘い込み、宇宙に広がっていく

無限で不滅の愛とは、教えの中の慈愛をさし、それらを光に例え、光が煌々と包み込む様子を表しています。その慈愛がより信仰に引き込み、また他の人をも魅了しながら全世界へと広がっていきます。


Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Nothing's gonna change my world
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva
Jai Guru Deva                                                                                                                                   
何も私の世界を変えない                      何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない                       何も私の世界を変えない                       偉大なる師よ感謝いたします


サビで繰り返されるGuru(サンスクリット語で師の意味)は、ビートルズがインドで超越瞑想を教わったマハリシ・ヨーギー氏のことでしょう。彼の教えに心底感銘を受け、瞑想の世界に足を踏み入れるきっかけになる人物です。恐らくビートルズに最も影響を与えた人の一人でしょう。しかし最終的にはビートルズは彼のアシュラム(道場)を突如退去したようです。諸説ありますが、ジョンとマリハシ氏の間に何かトラブルが起こりその関係に亀裂が生じてしまったようです。


まとめると”Across the Universe"は、瞑想に感銘をうけたBeatlesが、その教えが在外的な世界(宇宙)に広がっていく様子と内在的な世界の変化を巧みなメタファーを用いて歌われた曲だという事でした。その中でヴァース(Aメロ)ではその教えが広がる様子、ブリッジ(Bメロ)では感情の揺らぎ、コーラス(サビ)では瞑想によって外のものに影響されず自分の世界を確立することを歌っていました。(3番だけヴァース・ブリッジの内容が逆転しています。)


以上、瞑想をしてみて分かった ”Across the Universe" の訳でした。いかがでしたでしょうか?ぼくも瞑想してみて初めて分かったんで、あらためてビートルズの世界観でめちゃめちゃ深いっすねー



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