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意図を決めつけられたフィードバックは納得を得られない

有名な心理学のモデルの一つに、ジョハリの窓というものがあります。

「自分」と「相手」、そして「知っている」「知らない」の2軸で、
自己認知を4象限(窓)に分けて整理しています。

1.開放の窓:自分も他人も知っている自己
2.秘密の窓:自分だけが知っていて、他人にはまだ知られていない自己
3.盲点の窓:他人は知っているが、自分では気づいていない自己
4.未知の窓:自分も他人も知らない自己

この4つの窓の中で3.盲点の窓は、他者からのフィードバックによって光が当てられることになります。

これまでにない気づきを得ることができる領域であるため、ここへのフィードバックをうまく受け取って活用することが、自身の成長にすごく重要だと思います。

しかしながら現実は、人から「あなたはこうだよね」と言われても、しばしば納得できず、受け取れないということがあります。

まず言えるのは、そもそも事実認識がずれていたり、解釈にバイアスが入っていたりするケースです。このような場合、きちんと観察して、SBI情報で伝えていくことが必要です。

ただ、実際にSBI情報をおさえて伝えても、お互いの認識のずれが埋まらず、関係性を悪化させてしまうケースも見聞きします。

私は、その原因の一つに、相手の意図を悪く解釈して信頼関係を壊してしまうというパターンがあると考えます。

たとえば、「あなたが会議で黙っていたのは責任を負いたくないからと感じた」のように、相手の言動の意図を悪く捉えてしまうというものです。

このような捉え方でフィードバックすると、相手は、「この人はそんな風に私を見ていたんだ」と心を閉ざしてしまいます。

実際のところ、「会議で黙っていた」というときに、黙っていた意図まではわかりません。

緊張していたのかもしれないし、元々じっくり事実確認しないと話せないタイプかもしれない。考えがまとまらなかったのかもしれないし、何か気になっていることがあったかもしれない。

その結果生じた周囲との認識のずれは、意図ではなく、表現力や感受性、ロジカルシンキングなどのスキルが向上することで改善される問題かもしれません。

フィードバックをもって未来に向けた建設的な話をするには、相手の意図の部分は、決めつけずによく聴き、理解する。そして、認識の差をうめるためにはスキルの部分に焦点をあてて、どう補っていくかを話すということの方がよいように思います。

また来月もよろしくお願いします!

2024/4/25 VOL160                             sakaguchi yuto

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