会議にはその会社の状態がとてもよく現れる
「会議」というと無駄なものが多いという批判がよく聞かれます。
結論の出ない会議、目的がよくわからない会議が多く、時間がたくさんとられる割に何も生み出せていないのではないかというものです。
私の会社でも定期的に会議はありますし、会議の場を見させていただくこともあるのですが、会議はその会社の状態がとてもよく現れる場だなと思います。
業績がよく、組織の状態もよい会社であれば、会議も生産的に行われている傾向があるように思いますし、その反対も然りです。
私は会議のプロではないですし、その質を上げていくためにどのような手立てがあるかということに関して詳しいわけでもありません。
ですが、会議を変えていこうと思った場合に一つ注目すると面白い視点があると思っています。
それは会議の中で、誰の意見が通っていて、また、逆に誰の意見が抑え込まれるかということです。
最近、忖度という言葉が政治の世界では話題ですが、会議の場ではこのような忖度が透けて見えることがよくあります。組織内の力関係と言い換えてもよいかもしれません。
このような力関係は意識しないとすぐに出来上がって固定化していきます。
これまで積み重ねてきた信用とかイメージがそうさせていく部分も多分にあって、何を発言しているかではなく、誰が発言したかが結論を決めていくようになってしまうのです。
こうなってしまうとなぜまずいのでしょうか。
それは、議題を有効に実施する上で必要な観点がテーブルの上で検討されることなく、実行フェーズに下りていくことが起きてしまうからです。
重要なことが未解決のまま実行しようとしても、それは社内に対してのちゃんとやっていますよというアピールとしての仕事の範囲を超えません。
このような仕事ではなかなか成果につながりにくいことは言うまでもないでしょう。
ですが、組織に力関係ができてしまうと、本当は違うんだよなとか、こんなことやっても意味がないんだよないうことを各自が腹の中に持っていても出すことができなくなります。
それを出してしまうとネガティブに考えていてやる気がないと思われないだろうかとか、相手を不愉快にしてしまうのではないだろうかという意識が働くようになるからです。よかれと思って言わないことも往々にしてあるのです。
これは外の人が入ってみると意外にその違和感に気づくのですが、
日常の関係性のある人たちだけの会議ではそれがすでに当たり前になってしまっていて、自覚できなくなっていることがままあります。
私はこのようなことから、会議で成果を出すには、話をする内容を変えるのではなく、会議の参加者間の関係性を変える、風土を変えることが本質的なアプローチだと考えています。
このことに触れずに、アジェンダを事前に共有しておくとか、結論を出すことを心がけるとかいくら手法の話をしてもあまり効果は得られないのではないでしょうか。
ネガティブであるかどうかにかかわらず、どんな意見も安心して検討される雰囲気があり、そのような意見も踏まえた上で、どうすればできるのか。皆が信頼と納得の下で議論できるようにファシリテートすることが必要だと思います。
普段意見を言わない人はだれか?
会議でいつも扱われない、場に出ていないことは何か?
そして、それはなぜ扱われないのか?
などの問いへの回答こそが変化のきっかけとなり得るかもしれません。
また来月もどうぞよろしくお願いいたします!
2017/8/31 VOL86 sakaguchi yuto
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