コンカレントトレーニングと私

どのようなスポーツでもあるレベルを超えて行う競技者であれば、競技練習と共にウェイトトレーニングを行うのは当たり前であり、事実私も球技をしていた時は1㎜も疑問に持たなかった。故に「コンカレントトレーニング」なる言葉すら聞いたことはなかった。
しかし、それは自分が持久力を主としたスポーツまたはそれと対局的なボディビルやウェイトリフティング、パワーリフティングなど、陸上で言えば主に跳躍系種目や投擲種目といったことに一切身を置かなかったからかもしれない。事実このコンカレントトレーニングによる検証的なことは、私の年齢と同じくらいの変遷があるみたいだ。
さて、今回のブログの概要であるが、私のブログを見る人は恐らくはアマチュアの自転車乗りであることが多いだろうから、その切り口でどのような人にはお勧めで、またそうでないかだけをあくまで個人的観点と丁度今、自身が実施し始めて丸々3ヵ月が経っての経験をもとにお話させていただく。
なお、仕組み・概念・論文データといった内容に私自身は触れているが、それを知りたければご自身で勉強する事をお勧めする。つまり自転車乗り(特にヒルクライムを主としている人)が嫌煙する理由となる「干渉作用」については、専門家や研究者でない私が話す範囲を逸脱するからである。あくまで、私自身の途上段階での経験測、学習、調査をもとの個人的意見であり、参考にとどめていてもらえればと思っている。「干渉作用」の話ではない。

どういう切り口で書くかかなり迷ったが、自転車への向き合い方や歴数、経験などの「①初心者~中級者 ②競技勢(特にどの種目でも総合上位に絡むような人) ③プロや個人にスポンサーなどがついて活動している人」というくくりで、コンカレントトレーニングがお勧めかそうでないかをお伝えしてみようと思う。
なお、さまざまな著書を記載されているS&CコーチのK氏、また元プロロードレースでPODCASTでお馴染みのスポーツデータアナリストのN氏も「持久系スポーツにおけるウェイトトレーニングのメリット」について肯定派であり、一言で言えば自分も「自転車乗りにとってウェイトトレーニングは良いことしかありません。」でこの記載も終えるのだが、その結論に至るまでの特に「干渉作用※ここでは書かない(再三)」についてのリスクは当然にある。また昨今SNS等でいとも簡単に情報(それは殆ど発信源が分からない中途半端なものも多い。)が手に入ってしまいがちで、知識がない者は何も疑いもなく実施する人も多いのも事実であるから、より専門的な内容はご自身でして頂いたり研究者に仰ぐなどしてもらって、そこに至るまでの橋渡し的な意味合いがこのブログにはあればよいかなと思っている。

では、本題に入る。
※注意 なお、結論ベース書く。異論もあるかも知れないが、このブログこそSNSで公開してもそこでの議論や個人的な意見のやり取りはしない。それは私自身が最前線の研究者でもなければ、恐らくこの内容に反論してくる人も、第一人者である可能性は0に等しく、双方の時間の無駄でありかつ何の生産性もなく精神衛生上良くないからだ。

①初心者~中級者
お勧め度合い:大いに大
理由⇒・怪我がしにくくなると思う。正しいペダリングを身に着ける事への道が短くなる可能性があると思うから。
※「小レベルの「(ⅰ)ただし」がつく。後ほど記載する。」

②競技勢(特にどの種目でも総合上位に絡むような人)
お勧め度合い:小~中(目的によっては大)
理由⇒・怪我がしにくくなると思う。加えて長年やっていれば癖や故障といったものから改善、開放される可能性が著しく向上すると思う。すなわちそれは競技成績にダイレクトにつながるだろう。自転車乗りが気にする体重増加、筋肥大なんかは、正しいやり方でほぼ無縁と思われる。そもそも自転車を一切乗らなくでウェイトトレーニング一辺倒などの本末転倒なやり方すらしなければ、早々に筋肥大なんて起こらないだろう。つまり、筋肥大と干渉しあう可能性としての毛細血管であったり、ミトコンドリアなんてものは多少あってもそれをも上回るメリットの方が大きいと思うからですだ。(この辺は勉強してね)
※「上記、小レベルの「(ⅰ)ただし」に加えて大レベルの「(ⅱ)ただし」がつく。」

③プロや個人にスポンサーなどがついて活動している人」
⇒やるべきです。生業としてやっている、もしくは個人的な利権以外が絡むような人であれば競技力向上および数値的成績は正義であり、干渉作用も含めてしっかりコントロールをし、成績向上に努める責任があると思うからだ。

■小レベルの「(ⅰ)ただし」
①②とも共通事項としてもあげさせてもらったが、正しい体の使い方は、自分の癖や特徴も含めて第三者的に専門家から見てもらう必要があると私は常々思っている。極端に言うと正直、しゃがむ動作ひとつとってもそれが自転車に乗るという側面から見た場合、うまく連動して体を動かせているかどうかであったり、実践することすらできないように思う。必要なトレーニングであるSQなんてもっての他、私がいつも持っている見解としては、雑誌レベルでも扱われているプランクなんかも出来ている人はかなり少ないのではないか。つまり1時間プランクができようが、自転車に乗るということにとってそれが正しい位置でかつ正しい場所の筋肉への刺激が入っていないようであれば意味が少ないと思うからだ。それであれば正しく1分出来た方が効果がある様にすら思える。人の体はどこかしら弱い部分があるとそれを補うようにして動かしたりするのが事実。自転車のフィッターさんが、「乗り始める時こそフィッティングを受けて下さい。」というのと同じように、ウエイトトレーニングも専門家に診てもらうのが、一番の安全かつ近道だろう。因みにかういう私も私自身は体系立てて人体の機能解剖学を理解しており、資格と基本的な事はマスターしているが、PTをつけてズレや動かし方の修正を日々行っている。
■大レベルの「(ⅱ)ただし」
まず前提として小レベルの「(ⅰ)ただし」がある。その上で競技力向上となってくると、ツーステップ位踏んでようやくコンカントトレーニングのスタートラインに着く感じだ。まず前段階としてウェイトトレーニングに入る前段階としてそれを行って良い安全かつ効率的な技術、つまりアセスメントが備わっているかどうかが重要になる。要は可動域だったり動かし方、正しく神経に信号が行くかどうかが前提という話。これはある意味①初心者~中級者にとっても必要なことだが、より継続的にかつ負荷をかけて競技力向上に努めるというのであれば、マストであり、皮肉な事にここをすっ飛ばして筋力を向上させていくと、真面目に継続させる人ほど体の使い方そのものが乖離し始めて、そもそもやらない方が良かったとなる可能性が高くなるからだ。そして正しく体を動かせてウェイトトレーニングも出来たうえで、それを自転車のパワーやサイクリングエフィセンシ―に繋げるには乗り込みをも含む技術的な訓練が必要となる。勿論個人差もあるだろう。

ここまで、読んできて鋭い方は分かると思うが、継続と忍耐を伴う。
ここでは主に扱ってない「(勉強が必要な)干渉作用」があり、それを防ぐためには試行錯誤を伴う。そしてその試行錯誤の中にはトレーニングのスタートラインにそもそもつくためのアセスメントを含む体の使い方や知識が必要になってくる。そして体は数日で変わるようなものではない。つまり継続性と忍耐が伴う。このことを直観的に感じている人も居るから、そもそも楽しく乗る方を優先するし、乗り込みや生理学的観点のインターバル練によって向上を図った方が、分かりやすいし気持ちいいからであろう。だからアマチュアの「②競技勢(特にどの種目でも総合上位に絡むような人)」にはお勧め度少~中をつけさせてもらった。ただ分かると思うがどこにターゲットを絞りレースで結果を残すことを最優先に考えている人が居るならば、化ける可能性は大いにあると思うから「目的によっては大」と書かせてもらった。ただしレース結果が正義だという人であっても、もっと言うと自分がロードを主戦場とするのかシクロなのかそれともヒルクライムかでも変わってくるのは確実で、身体的な差も含めて結果に表れるのは時間がかかる。

最後にひとつ。時間・物理的な制約で始めた「コンカレントトレーニング」だが、私の一番のメリットは日常生活における体力的な事や子供と遊ぶときなどにどれほど体が思うようになったことか!運動は自転車一辺倒にしてから5年…。競技特性故に偏ったからだが出来上がりつつあったんだろうなぁ。


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