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映画「ヴェノム」をPrime Videoで見ました。本編はそんなに長くないけど、よくまとまっている。

映画「ヴェノム」を見ました。この映画の前に見た、映画「メッセージ」と同じく宇宙人と交流する話でしたね。ヴェノムに出てくる宇宙人とは対話なんてできませんが。相手が対話の姿勢がないと相互理解なんて生まれませんね。ヴェノムの宇宙人は地球の生命体に寄生しないと、地球で生きていけないし、そもそも目的が地球制服らしいから、対話なんてするつもりもないっぽいですが。物語本編の上映時間が約90分くらいと、短くまとまっていて良かったです。

ヴェノムたち宇宙人を捕らえた宇宙船が不時着するところから始まります。そして、物語主人公となるエディのことを、記者として活躍する番組を見せることで紹介します。物事に忖度しないで行動することが示され、彼がこれがらやらかすだろうことが想像できて緊張感が出ますね(わかりやすすぎですが)。エディはライフ財団という、表向きは良い医療会社(なのかな?)の取材を行います(そもそも、エディのような人間にきな臭そうな会社の取材をやらせる方が間違っていると思いますが)。彼はライフ財団の訴訟問題を抱えている恋人のメールを盗み見、ライフ財団の代表カールトンを糾弾します(人体実験をしている疑いがある)が、それは果たせず仕事を首に、恋人も首になって、二人は別れます。ライフ財団の研究(謎の宇宙生物の研究)、宇宙船不時着の時にただ一人逃げた宇宙人の動向、エディの情けない日々を描写し、エディはライフ財団の科学者ドーラ(カールトンの行動に疑問を持っている)から相談を受けます(エディがライフ財団を取材したことと、その態度ゆえに相談を受けたのでしょうね、ジャーナリストとして)。エディは彼女と一緒にライフ財団の研究所に入ります(いくら同行者がらいるからってバレずに入れるかね。入れるのはいいとして、中で行動していたら監視カメラで撮られるだろうと思った)。その研究所にいたのはエディの知り合いのホームレスの女性(知り合いがいるのは、まあ映画の都合としていいとして、なんでドーラはエディ一人で宇宙人がいる場所の残すのかな、と思いました。ここは説明あっても良くないですかね)。ホームレスの女性を救おうとして、エディは施設を破壊。ホームレスについていた宇宙人(シンビオート。個人名はヴェノム)は、エディに取りつき、エディはライフ財団の施設から逃げます。エディに異常な兆候が出てきます。「彼はどうなっているんだ」という気持ちで見ていきます。何するかわからないので、緊張感を持って見られますね。エディはレストランで元恋人ローランドとそのパートナーに出会い、パートナーは医者なので調べてもらういます。いったん家に帰るも、ライフ財団に追われます。ここら辺の逃走劇は長いですが、アクションで楽しく見られますね。ここら辺では、物語の終着点がまるで見えません。直近のアクションで飽きさせず、「エディには逃げられる未来があるのか」と直近の未来を想像させて楽しませています。この映画はその連続だと思いました(なんとなく、一人だけ逃げていたシンビオートと何かしらあるとは想像できますが、同じ種族ですらね戦うとは思いませんでした)。ライフ財団代表カールトンは、一人逃げでいたシンビオートに支配されます(一人逃げていたシンビオートはシンビオートのリーダー。目的は、ライフ財団が所有する宇宙船を使って、仲間たちを地球に連れてゆくこと)。エディはローランドに連れられて、病院にエディとヴェノムは分離します。その分離している最中に、ライフ財団にエディは捕まります。ローランドに乗り移ったヴェノムにエディは助けられ、ヴェノムとエディはカールトンと戦い、勝ちます。最後の戦いは面白かったのですが、戦う二人がシンビオートで見分けがつかなく、どっちを応援していいのかわからず、楽しめない部分もあった。

面白かったです。でも、そもそもヴェノムが何で仲間(シンビオートのリーダーであり、本来の目的を遂行しようとしている)を裏切るのかよくわからない。ヴェノムは「エディのせいだ」というけれど、もう少し具体的に説明があった方が良いとも思う。それにヴェノムはエディの知り合いであるホームレスを殺して(まあ、生きるために彼女に同化する必要があったとも言えるけれど)、悪人とはいえ人間の頭を食べます。そんな宇宙人を主人公として扱っていいのか、ヴェノムはいいとして、エディの倫理観に対してモヤモヤ感がある。「最後に悪い奴しか食べちゃダメだ」とエディはヴェノムに言ってるけれど、悪人とはいえ食べるのはどうかと思う。悪い奴が主人公でもいいけど、もう少しどうにかならないものだろうか。殺す、血を吸うくらいなら許容範囲だけれど、人を食べるのには忌避感があるな。けっこうご都合主義で進見ますが、娯楽作品として見れば大変面白かったです。

テーマは宇宙人の侵略。人間が宇宙人に乗り移られたらどうなるか? なのでしょうが、テーマ性を強調するなら、人を食べる宇宙人に乗り移られたエディの苦悩とかを詳細に描写すると思いますが、そんな描写はありません(その描写があれば、人を食べることも許容範囲だったかも)。どんな作品にもテーマはあると思います(作っている人が考えてなくても、映画を見ている人が探せば何かしらあると思います。作っている人が考えないこともあるので、物語に必ずしもテーマが必要とは思いません)。しかし、そのテーマを強く押し出すか、それとも物語展開のいち装置になるかは、物語を作る人次第なんだなと思いました(直前に、宇宙人とのファーストコンタクトを描いた「メッセージ」を見ていたので、この作品と比べて思いました)。映画を作るにおいて、物語で楽しませたい、アクションを見せたい、映像を見せたい、映像と音楽の融合したものを見せたい、世界観を見せたい、メッセージを伝えたい、テーマを感じてほしい、人の動きを見せたい、人の心の動きを見せたい、歴史を見せたい、未来を見せたい、などなど映画を作る人によって違うのかと思います。この映画は「見ている人を飽きさせずに楽しませたい」「バイク・カーアクションの逃走劇を見せたい」というを強く意識して作られていると思います。そのためであれば、多少の物語の辻褄は都合よく見せ、テーマは物語の設定のための一要素でしかありません(宇宙人人の意識と人間の意識が合わさった時、人はどうなるのかなどは詳しく描写しません。描写すれは、外部的な動きが少なくなり、内面の動きが大きくなります、内面の動きは見えないし、ある程度生きてきている人にしかわからないところもて出てきて、どうしても映像的に退屈になる場合もあると思います。それはこの映画が目指しているものではないです)。作品によって、テーマを強く押し出すか、一要素として置くかが変わることを、たまたまですが「メッセージ」と連続して見て、強く認識しました。エディは行きつけのコンビニに強盗が入っても、何もできない人でしだが、最後の場面ではヴェノムとともにコンビニ強盗を退治します。成長というか、恋人に振られてうじうじしていた感情は無くしていることが描写され、変化を示してはいます。物語のオチとしては良かったですね。

アクション場面で、エディが飛ぶところは驚きがあって良かったことですね。ヴェノムがビルの上に立っている姿は格好良かったです。

娯楽映画として面白い作品でした。本編だけ考えると90分でしたが、尺が足りないとも思えず、よくまとまっていますね。最初にエディの人となりをきちんと描写しているので、彼が起こすだろうトラブルが想像でき、ヴェノムが乗り移ってからもその危険性が想像できて(これは、シンビオートのリーダーが一人で暴れる場面を見せていたから)、緊張感を持って見られました。まあ、ご都合主義出来なところや、人を食べるところ、最後の戦いで見分けがつかないなど、上述してますが、受け入れらないところもありましたが、とても楽しめました。

「ヴェノム」と「メッセージ」。異星人とのコンタクトというアイディアは同じなのに、物語のアプローチの仕方でここまで全く違く作品になるのですね。勉強になりました。


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