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映画「バブル」をNetflixで見ました。うずまきの意味を教えてくれる。

映画「バブル」をNetflixで見ました。物語の構成はわかりやすく、美しい。とても楽しんで試聴しました。冒頭からすごく動いていて、もうそれだけでひきつけられてしまいますね。この作品は物語も良かったけれど、この動きだけでも最後まで見れちゃいそうです(物語がないと「動く」必然性がないけど)。

公式サイトであらすじを本編を見終わってから見たら「重力が壊れた東京」とありますね。アニメの見栄えとして、大げさに動きを描いていると思っていたし、それに対して特に疑問を持たなかったです。そんな説明あったかな?
物語は人魚姫をモチーフとして描いているようです、作中の中で本を読んだり、ウタ(主人公の前に突然現れる謎の少女)が心の中で、何度も自分と人魚姫を重ねる形で引用しているので、わかりやすいです。人魚姫という要素を取り除いて物語を考えると、ボーイ・ミーツ・ガールという形の物語です。あと地球外の生命との交流という要素もあります。少年の成長物語でもありますね。コミュニケーションをあまりしない主人公の少年、ヒビキがウタとの交流の中で変化していき、そして仲間との関係性も良くなっていくという形でそれは示されます。作中では主人公たちの変化と同時に、世界を変えた突然の泡や、絵としてたびたび現れる渦巻きについての言及があります。最後にマコト(科学者)が「そして渦を作って混ざり合い、やがて別れ。地球が滅びたとしても、わたしたちはまた大きな渦の一つとなるのだろう」(1:33:00ごろ)と語ります。作中にも、人がいつか滅びる存在であることが語られます。ここらへんは、いろいろ考えさせますね。この物語で伝えたかったのは(テーマは)これで、見やすいように「ボーイ・ミーツ・ガール」を描いているのではないかな、なんて思ってしまいました。多層性がありますね。ヒビキたちの物語と、マコトが最後に話すことの関連性がもう少し高かったら、もっと感動したかもしれません(逆に説教くさくなるかな)。

物語構成は本当にわかりやすいです。崩壊した世界を見せ、その崩壊の理由語るよりも前にまず動きから見せてこの作品の世界観に興味を持たせます。人が動く動機はこの崩壊した世界を利用した競技。勝負ごとは視聴している人を惹きつけますね。
その競技の中で、主人公ヒビキが競技のチームメイトとうまくコミュニケーションを取ってないことや、海の中にある渦の危険性の説明などを溶け込ませています。最初、ヒビキを見た時は「少し顔が地味だな」と思いましたが、見ているうちに段々と気にならなくなりました。主人公であるから、ヒビキ主体で物語を描くわけで、その中で魅力を感じたのでしょうか? 主人公の主人公たる所以ってなんなんでしょうね、
そのあとマコトの声を通して、崩壊した世界の説明(泡が突然降ってきて爆発したらしい。ここは少し長く感じました。こういうふうな世界観の説明の仕方もあるんだな、と思いました)。ヒビキとウタの出会い、ヒビキとそのチームメイトとウタとの生活、その生活を通してのヒビキの変化。次の競技の相手の描写(強敵っぽい)。競技を通してのヒビキとウタの心の強いふれあい。そして、ヒビキと仲間たちとの関係性の変化。ウタとの別れ。そして、ほとんど説明はないけれど泡がなんなのかを考えさせる描写(ほとんど言葉として説明がないのに、色々想像させる映像は素晴らしい。映像を信じて言葉を費やさない脚本もすごい)。となっています。少年の成長や、だんだんと見えてくる世界観や、敵役(敵チーム)の見せ方など、物語の教科書ともなるほど基本に則っているような気がします。しかし、こんなに映像を信じて物語を作れるかというと、なかなか難しいと思います。

東京を覆った「泡」については映像でしか説明がなかったので、私の解釈を書きます。
「泡」は知的生命体だと考えます。「泡」ひとつひとつに個としての思考とかがあるわけでなく、全ての泡にそれとなく思考が繋がっている一つの大きな生命体だと考えます。ただ、人個人に相反する思考が存在するように、「泡」にも色々な思考があって、泡の一つが子供の頃のヒビキと出会い、人に対する愛情に近いものを持ったのでしょう。「泡」は舞い降りた地上を泡で満たすことを目的(というか本能)として来たが、泡の思考の一つがヒビキと出会ったためにそれを行わずそのまま地上にとどまった。それとも、「泡」は人が生きるべきを見ていたのかもしれません。
ヒビキが海に深く落ちたことをきっかけに、「泡(ウタ)」はヒビキと再び出会うことができた(なんで今まで出会なかったんだ、というと理由はわかりませんが、私はそういうものなんだろうと思って見ました)。ウタはヒビキとの生活を通して、「泡」が世界を覆うことを「泡」の一つの思考として否定し、世界は救われたのかな、なんて、思いました。「地球外生命との交流」はここから感じました。「幼年期の終わり」とかだと色々説明があったような気がしますが、この作品は説明ほとんどないですね(なので私な勝手解釈です)。

ヒビキが競技の中で、イヤホンを落とす場面は変化を具体的に見せていで良いですね。
絵は最初から最後まで精緻なんだけれど、印象的な場面の人の描写がより実写っぽくさらに精緻な絵になる場面がありますね。何か効果を狙っているのだろうか? 私は「アニメっぽい絵のほうが好みだな」とその変化を見て思いました。
もし、ウタの姿が「少女」でなかったら(海の過中に落ちていた電車の広告の少女のイラストを見て変身したようなので。もしイラストが男性だったら、男性に変身したのかな)、物語が成立しないなあ、なんて意地の悪いことを少し考えたりしてしまいました。

映像として動きが派手で退屈しなく、物語も少年の成長物語、ボーイ・ミーツ、ガールとしてみると追いやすい、それでいて最後に語られる「渦巻き」の説明から、色々考えさせられる。楽しく視聴できた作品でした。

「パルクール」という競技が現実にあるものだと知ったのは、他の人の感想を見てからだということは秘密だ……。

5/16 追記
私は肯定的な感想でしたが、世間では否定的な感想の方が多いですね。
面白いなと思った、どちらかというと肯定的な記事と、否定的な記事のリンクを貼ります。
https://note.com/akiko_saito/n/n0d6546027e2a

http://shiratamazenzaitsubu.blog14.fc2.com/blog-entry-6206.html

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