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映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」を見てきた。幸せとは。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」を見てきました。初めからアクションがあって引き込まれます。そのあと少し落ち着いてから、またアクションです。目玉の怪獣みたいのと戦う場面は興奮しますね。最近のアメコミ映画は怪獣見たいのがよく出てきていいですね(「ザ・スーサイド・スクワッド」とか)。一匹と言わず、もう少し戦ってくれ。

私はそこが不満なんですよ。もっと「怪獣」と戦ってくれ。この映画の敵役は以前はアベンジャーズとしてサノスと戦ったワンダ(スカーレット・ウィッチ)なわけですが、すぐ敵だとわかっちゃんですよね。見ている人にはわかってもいいけど、ドクター・ストレンジにバラすのはもう少し後でも良かったのではなかろうか。ワンダが敵だとバレるところ、あまりにベタすぎて(うっかり、まだ聞いてないのに狙われている女の子名前を言ってしまう)、最初「あれ、ドクター・ストレンジ、そんな話したっけ? 聞き逃した?」と思ってしまった。都合上そこだけ頭が悪くなった感があるね。愚かさゆえに物語が展開するのは好きでないですね(意図的にワンダはバラしたのかもしれないけど。作っている人がが、あまりまどろこしいことするのが好きでなくて。といっても、「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」も「ちゃんと話せよ」という展開だったけど楽しんじゃったけど)。「ワンダ敵なのに、ドクター・ストレンジに近くにいる」とハラハラしたかった。何より、正体バラすの後にすればもっと「怪獣」出てきたんじゃないかな。ここに限らず、色々展開が早い。別世界のアベンジャーズみたいのがでてくるけど、ワンダが操る別世界のワンダ(ややこしい)にわりとすぐやられる。もっと盛り上げられそうなのにもったいない(と言いつつ、ワンダの圧倒的な力は見ていて小気味良い)。ドクター・ストレンジも別世界の、しかも闇落ちした自分の戦うのだけれど「ここももっと盛り上げられそうだけどな」なんて思ってしまった。最初と最後は素晴らしいんだけれど、間がとても駆け足に感じた。ドラマ作品としてじっくり描いた方がいいんじゃないかな、なんて思った。ドラマじゃ、こんなにお金かけれないかもしれないけれど。
私はワンダのドラマ見ていたけれど、見てないとワンダがなんで敵対するのか分かりづらいですね(ドラマ見ていても、何でワンダがこうなっているのかあまりわからないけれど。納得して自分の作った世界を壊したんじゃなかったっけ。ラストに闇落ちしているような場面もあったし、闇の魔術書を読んだからって、この映画でも語られていたような気がするけど。それでも、わからないと思ってしまう。ドラマでの変化はなんだったでしょうか? 変化、成長あったよね。諦めという形だったかもしれないけど)。
正直マルチバースがわからない……。別世界に行くのはわかるけれど、どうしても「時間」はどうなっているの? と思ってしまう。別世界の時間軸を自由に行き来できるなら、けっこう何でもありになっちゃいますよね。マルチバースのルールがわからないから、何でもあり感があって、悪い意味で予測ができない。魔法に関しても、そういう面はありますね。魔法に関しては見ていて派手だからすごい楽しくて、そんな疑問は忘れちゃうんだけれど、これは派手なエフェクトと動きを見せられる映画だから成り立つ展開ですよね。コミックや小説では難しいですよね。逆に、コミックや小説ならくどくど魔法のルールを語れるけれど。マルチバースの設定に関しては映像で押し切るのは難しく、どうしても説明が必要と思います。
「ドリームウォーク」「インカージョン」「ダークホールド」と専門用語がたくさん出てくる。「ドリームウォーク」は異世界の自分を動かす。「ダークホールド」はドリームウォークなどすごい魔術が使えるようになるけど、闇落ちしてしまう魔術書。「インカージョン」だけは最後までよくわからなかった。後で調べたら「別の宇宙と宇宙がひかれあい衝突しそうになる現象」とあった。そんな描写あったね。流石にその場ですぐ見返せない映画で、専門用語出てくると見るの大変ですね。

全体的にホラーのような映像表現でしたね。特に、血を流しているワンダに操られたワンダが追ってくる場面(ゾンビか追ってくるみたい)と、ドクター・ストレンジに操られる死体のドクター・ストレンジの姿とか(ややこしい)。

テーマは何度も言及される「幸せ」かな(わかりやすく何回も映画で話されるのでミスリードかもしれないけど。そはないか。テーマのミスリードって意味ないし)。ドクター・ストレンジは元恋人からと、ワンダからも「幸せ」について言われる。ラストでウォンが幸せについて語っている、ドクター・ストレンジは直接は語ってない。この映画を見て、幸せについては特に考えなかったな。結局、ワンダも幸せはつかめなかったし(何かから奪うことで幸せはつかめない、ってことなのかな)。
それよりドクター・ストレンジの成長(大人にたいして成長というと語弊がありますね。自分を認めるって形かな)。異世界の元恋人にうまく想いを伝えられなかったのは「怖かったから」と伝えている。自分弱さを認めていることを見せ、こういう人間(傲慢さで自分の弱さを隠している人間)の側面も伝えていて良いと思った。至高の魔術師となったウォンに最初は頭を下げなかったけれど、ラストに頭をお辞儀するのビジュアルとしてもドクター・ストレンジの変化が分かりやすくてよかったですね(この変化も「幸せ」に繋がっているのかもしれないけれど)。でも、成長を見せるのは諸刃の剣だよね。ドクター・ストレンジの魅力のひとつである「ふてぶてしさ」か減じてしまった。
異世界を行き来できる能力を持っているアメリカという女の子の成長も描いています。

冒頭の入りもとてもよかったです。中盤が駆け足展開(というよりも、もっとじっくり描いて欲しかった)と、ここまで魔法使ってくるとどうしても何でもあり感があって、緊張感減りますね。ドクター・ストレンジ単体映画ならまだ良いけど、他のアベンジャーズもいる世界ですからね。目玉の怪獣と戦っている時「何でドクター・ストレンジの仲間しか駆けつけないんだ」なんて思ってしまった。ワンダの敵対理由もわからないでもないけど、もう一声、ワンダの落ちていく描写があればな、と思ってしまった。ワンダが最後まで圧倒的な力と格を落とさなかったのはよかったね(覚醒したアメリカに倒されるとかなくてよかった)。マルチバース中探せば、ワンダが死んで子供だけが生き残った世界もあるんじゃないかな、なんて思ってしまう。魔法とかある世界観だと、こういうふうになんでも想像できてしまう。そういう疑問が、物語を台無しにしてしまうような気がする。物語で魔法を扱うのは難しいね。

時計が扉の鍵になるのだが、そこにはご都合主義的なものを感じた。前作をもう一度見直していたら、この時計が元恋人話からもらった重要なものという描写あったのかもしれないが……。

ドクター・ストレンジが異世界のドクター・ストレンジの死体を操る場面があります。悪霊みたいのが出てきて「死体を操るのはルール違反」と言ってきます。もっと早く、ドクター・ストレンジが死体を操る前に言って欲しかった。そうすれば、その決断の場面でドキドキできたのに。ダークホールドを使う時点で、危険というのは示唆されてましたが。

なんか不満が多い感想になってしまった。私はどうやら、愚かさゆえに(納得いなかい愚かさ。子供だったり、成長要素がる部分においての愚かさは許容できるけど)物語が展開するのがあまり好きではないらしい。ワンダは少なくても私の中では映画で描かれているより愚かでないと思っていたようだ。さそれゆえに不満が多いのだろうと思います。時間が足りないにつきますね。アクション、魔法を使った派手なエフェクトがある戦いが良かったです。冒頭の怪獣との戦いで、すごい期待(怪獣戦争的展開を)してしまいました。違う方向に行ったけど、ワンダの強者としての存在感は素晴らしかったですね(異世界のアベンジャーズ見たいのを、ざくざく倒していくのは、もったいなさを感じつつけっこう好みです)。楽しみました。

深く考察するとこういう見方もあるんだと思った感想。https://fusetter.com/tw/26AKb8LZ#all


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