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映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を見てきた。謎の女性の魅力は、作品の魅力。

映画「閃光のハサウェイ」を見てきました。ガンダムの映画を映画館で見るのは初めてかも。画がよく動くし、背景画像がすごく美しかった。これは本当に絵なのだろうか、すごくすぎて写真にしか見えないときもありました。ロボットSFという荒唐無稽のものをリアルに見せるには「それ以外のものをリアルに見せないといけない」とはよく言うけれども、ここまですごい絵でいいのだろうかと思ってしまった。私は満足ですが。

物語は序章って感じでした。三部作の第一部ですしね。物語の背景もほとんど説明せず展開します。ハサウェイがテロ組織(反地球連邦政府運動マフティー)のリーダーであることは作中では秘密で展開するのかと思ったら、そんなことはなかった(謎で物語を引っ張る展開を考えていた)。ただ、それがよかったのかもしれない。謎の女性ギギにはなんとなく察せられて、それをケネス大佐にバラすかも(ハサウェイはギギが言わなくてもケネスにはバレるだろうと考えてたみたいだけれど)という緊張感。物語中盤、モビルスーツ同士の市街戦に巻き込まれた時、マフティーという組織を考えた時、邪魔であるギギをハサウェイが守る展開は緊張感があってよかった(ハサウェイがギギを捨てて逃走するのか逡巡している。ハサウェイの魅力はここら辺にある。これからその性格により、破滅するだろう未来を感じさせる)。この展開はハサウェイがマフティーのリーダーとわかってないと緊張感が出ないしね。主人公であるハサウェイたちが市街戦に巻き込まれるかたちになっている。モビルースーツ同士の戦いで、建物が崩れ、ちょっとした瓦礫でさえ死を感じせ恐怖を覚えた。ビームの熱線も逃げているハサウェイたちの近くに走り、その描写は恐怖をともなう緊張感がでていた。

中盤の盛り上がりがモビルスーツの市街戦なら、前半はギギの魅力で引っ張る。勘(ニュータイプ?)でなんとくなく何度も察してしまうギギ、言動がいまいち謎で、何を目的にしているのかよくわからない。ハサウェイに魅力を感じたのか、彼に近づく。アニメなので絵ではあるが、その造形の美しさも伴ってとても魅力的な謎の女性に見えた。なかなかこのような人物を魅力的に見せるのは難しいと思う。余裕があり大胆な女性にも見えるが、着替えているところを見られれば恥ずかしがる、ハサウェイについているかと思えばケネス大佐に近づく、市街戦では涙を流している。性格も全くよくわからない。ただの不思議な女性でなく、どこかしら人間的なところ見せているところに魅力を感じていたのだろう。ギギの緑色の瞳に、少し赤があるところにも魅惑的な感じを出している。キャラクターデザインも良いということか。

後半はモビルスーツ同士の戦いが素晴らしい(画面が暗かったけど。二回目視聴した時は、展開を知っていたからだろうか最後の戦いが少し短く感じた)。クスィーガンダムとペーネロペーの一騎打ち。クスィーガンダムにはハサウェイが乗り、ペーネロペーにはレーン(マフティー殲滅部隊の中尉。清廉潔白で、それゆえに危うさの片鱗は見せたが、劇中ではいちパイロットの扱いだった。二部以降の活躍に期待)が乗り込む。後半の盛り上がりのひとつに「クスィーガンダム」の回収があったのだけれど、これって事前に「クスィーガンダム」の回収って説明あったけ? 回収はメッサー(モビルスーツ)に乗ったエメラルダ(マフティーの戦士)が行ったのだけれど、回収の時すごく緊張している場面を映して危機感を煽っていたが(一回失敗して、「次はない」とハサウェイも言う)、何をやろうとしているのかわからなかったから、いまいち見ている自分には緊張感が湧かなかった(二回目見た時は、緊張感があって楽しめました。大切なものをとろうとしていると知っているからね)。こちらが緊張感が湧かないのに、エメラルダは大変そうにしている場面を見せられても、「何をしているか知りたい」と言う気持ちがあって長く感じた。きちんと映画での説明を見逃していたなら、これは自分のせいだが。ここくらいかな不満に感じたのは。不満というか、こんな緊張感出る場面を楽しませてくれないなんて、という感じの不満である。

ハサウェイがなぜ反地球連邦政府運動などをしているのか、それに至った経緯は何か、全然説明されない。それでも、面白く感じさせるのはすごいなと思う。主人公のことを知らないとなかなか物語に乗れなかったりするしね。まあ、ハサウェイ自体にはあまり魅力を感じなかったのだと思う。彼らが戦う動機などモビルスーツ同士を動かし、戦わせるためのものでしかない、とも思える。モビルスーツ同士の戦い(動き)こそが主で、ハサウェイの目的や、ハサウェイとケネスにできた因縁などは、その動きに厚みまさせ面白くする。

ギギについてはモビルスーツ同士の戦いにそれほど寄与はしていないから、また別の話である。次の動きが全く見えない彼女がどう動くか、その動きもまたこの映画の魅力である。ギギを主と考えると、ハサウェイもケネスもその魅力をより見せるための存在とも言える。

結論からいうと、この映画はモビルスーツ同士の戦いと、ギギの魅力でできているのだ。次回作で、ハサウェイの背景が開示されれば、彼についても動きの主となる可能性はある。それに期待しよう。背景を知れば、知るほどその人間の動きの予測ができ、それゆえに緊張感が出てくる(その人を知れば、その人の行動も説明せずに見え、物語が提示した展開とぶつかる予測ができるから)。本来はその人の背景が見えるからこそ、人物に魅力が出るのだが、ギギはその逆だね。ギギみたいな人を主人公にするのは難しいけれど、彼女自体が物語における障害であることを予測させるから魅力を感じるのだろうね。次回が楽しみだ。小説では次回はあまりモビルスーツ戦がないということだけれど(ネタバレくらいたくないから、ネットでも断片的な情報だけれど)、モビルスーツ戦あって欲しいな。

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