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映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」をU-NEXTで見ました。敵がヒーローものにいそうな組織だ。

映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」を見ました。これはすごく面白かった。シリーズの中で一番好きかも。

何がそんなに良いと思ったのでしょうか? まず、敵(「シンジケート」前作にも台詞では出てきたような気がする)の存在が最初から提示されている。2は別ですが、このシリーズ「敵は誰か?」を探るところから始まりますよね。それはそれで面白いんですが(一作目はその存在を探すのが物語主軸でしたしね)、そうして見つけた敵の背景が複雑です。役者の演技から悪人ってことはわかるんですが、武器商人だったり、変な思想を持つ人だったり、敵の目的がきちんと見ていればわかりますが、少しわかりにくいような気がしました(話が後半になると複雑になるんですよね。その一因が敵側の行動目的が複雑になってしまう存在だからかも)。今作は世界中の諜報員を集めて、自分たちの正義のために世界を混乱させようとしている存在です。わかりやすい。ヒーローものや、アニメに出てくるような敵ですね(偏った考えではありますが)。戯画的と言えばいいのでしょうか。

もう一つ面白いと思えた理由は、シンジケートに潜入している英国の女性諜報員であるイルサ・ファウストの存在です。この作品の主人公はもちろんイーサン・ハントなわけですが、今作に限っていえばイルサも主人公格の存在です。一見、イーサンに協力的ではありますが、どこまで信用できるかわからない存在となっており、動きの方向性を増やしています。イルサはシンジケート内でも疑われており、イルサ視点の物語の方が面白いような気もします。
この作品も前作に続き、イーサンの恋人役の存在は出てこず(妻への言及も無くなった)、イーサンは仕事に邁進しています(一応、作中でIMF解体で「シンジケート」を追うために姿を消したイーサンは追われてはいるけれど。作中で、追われていることが原因でピンチになることはない)。主人公は物語を進めるための存在として、葛藤などは脇役に任せるパターンですね。

前作あたりからシリーズに続けて出てくる人も多くなってきて、前作を見ていた方が楽しめる形になってきました(見てなくても面白いとは思いますが)。

冒頭は相変わらず惹きつけるようなアクション。今回はいきなり任務に従事している場面から始まります。毎回、毎回、違う形で冒頭の場面を見せていてすごいですね。
イーサンが新たな任務を聞きに行くと、それは敵に制圧されていて、そこに出てくる敵組織のボス(ソロモン・レーン)。無感情で人を簡単に殺します。役者の方が良かったのかもしれませんが、大物感が出ていて良いですね。

物語は、オーストリアのオペラ会場、モロッコの発電所からシンジケートの構成員などの情報が入っているデータの奪取(イルサの同僚が手に入れて隠したが死亡してしまって、誰も取れなかったようだ)、イルサは協力していたイーサンを操り逃亡。そして、カーチェイス(お約束な展開ですね)。ファイルを見るためには英国首相の声が必要となる。きちんと見える形でデータを渡せとレーンから要求されるイーサン(人質が取られている)。イーサンはどうするかという葛藤、仲間との対峙(そんな長く争わないけど)。最後の戦い。イーサン、イルサ両者に見せ場があって良かったですね(イーサンの戦いの最後はあっけなかったけれど。イルサと戦うのはシンジケートでボス以外に唯一名前がある人物)。

アクション場面はどの場面も良かったですね。オペラ会場の戦いは、限定されたエリアで他の人たちに知られないようにの戦い。敵と思われる人間が三人も出てきて、どういう展開になるか予想させないですし。
発電所でのアクションは水の中でのアクションで、今までになかった形で面白い。溺れてイルサに助けられたイーサンは、どこかポカンとしていて「記憶とか無くなった」なんて思ったりしましたが、そんなことはなかった。その後、カーチェイスしますしね。カーチェイスは最初車で、次はバイクと移り変わり、変化があって楽しかったですね。
そして最後は緊張感があって良かった。レーンに協力しなくてはいけなくなったイルサと、仲間が人質に取られているイーサンとの対峙。最後の戦い。

マクガフィンは「構成員の情報」でしょうか。最初からイーサンはシンジケートを狙っているので「構成員の情報」マクガフィンとは言わないかな。
テーマは何でしょう。アクションを見せるということは、当然の前提として。イーサンは組織がなくなっても個人で戦っていますが、いつも勝手に行動していると思うのであまりテーマ性は感じません(本人が強いのはもちろんですが、個人なのになぜかハイテク機器とかの装備がすごいし)。それで悩んでいるようにも見えませんしね。
イルサに関して言えばテーマかどうかわかりませんが、葛藤は感じますね。シンジケートの潜入スパイとして働かなければいけないですが、と言ってもイーサンに対して悪いことはできない。オーストリアの首相暗殺に対しても、実際に殺すつもりはなかったですしね。任務を果たしても、国側からは報われない。スパイとして何のために戦っているのか、イルサを通してからは国のために従事することの悲壮さは感じます。感じる程度で、イルサの口からそれらの感情が吐露されるわけではないですが。演技で見せていたのだとは思いますが。
イーサンも組織に信用されないかたちになってますが、あまり悲壮さは感じないですね。違いは何か、考えられそうです。イーサンは心が強そうですよね。心が折れないということは、変化の可能性が感じられないので、動きをあまり感じさせないので、物語としての盛り上がらないかもしれません。
敵側にも思想はあったので、語らせていればテーマ性を感じたかもしれませんが、語らないですね。尺が長くできたら、語らせていたかもしれませんね。

シリーズを見ていて思いました。この作品に出てくるハイテク機器は、ドラえもんの秘密道具みたいに考えればいいんじゃないかな、とやっと気づきました。あまり中身の仕組みとかは考えないことにしました。

この作品(シリーズ全てですが)さくさく物語が進むわけですが、「ここに行く」と登場人物が思ったらすぐにその場所に行ってしまうんですよね。そこがテンポ良くていいと思うか、「急すぎないか」と思うかは、人によって違うとは思います。

突っ込みところといえば、いつも通りですがイーサンは色んな国に行くわけですが、CIAから追われている状態で飛行機に乗れるのか? とは思います。
孤独に戦っているイーサンの資金源はどこから? なども思ってしまいますね。

これはすごい面白い作品でした。映画館で見たら、もっと興奮したと思います。


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