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映画「エターナルズ」を見てきた。壮大すぎる物語。

映画「エターナルズ」を見てきました。映像が美しく、戦闘描写も激しく動くので楽しんでみられました。登場人物が多いので、各々をどう映画でまとめるのか楽しみにしていました。

映画の始まりは文字情報から始まります。それも結構長い。映画なんだから、映像で見せて欲しい。その情報からわかる設定は興味を惹くものだけれど。物語は現代のパートを中心に7000年地球にいるエターナルズの過去を見せていきます。今現在は各々別れて生活しているのですが、地球にやってきたところから、別れの時(現在の500年前)まで断片的に見せていきます。過去パートに出てくる歴史的建造物は綺麗でした。彼らの目的は「ディヴィアンツ」という地球に生息する怪物から、人間を守こと。今は、その「ディヴィアンツ」も全て殺し、自分たちに「ディヴィアンツ」を倒すことを命じた、「セレスティアルズ」からの次の指示を待っている状態である(絶滅させて500年くらい待っているみたい)。この映画は、再びエターナルズが動くその時を描いている。絶滅させてはずの「ディヴィアンツ」にセルシとスプライトが襲われ、イカリス助けにくるところが物語の発端です。散り散りなっていた仲間を集めるセルシたち。エターナルズのリーダーであり、直接「セレスティアルズ」と交信できたエイジャックは「ディヴィアンツ」に殺されており、セルシがその能力を継ぎます。仲間集めをしていくうちに、自分たちが地球人を守ってきたのは地球の人を増やし、新たな「セレスティアルズ」となる「ティアマット」を作り出すための贄だったと知ります。自分たちの本来の任務を遂行するのか(ティアマットを生まれさせる)、地球人を守るのかでエターナルズは別れ(実は、エイジャックを死んだのはイカリスのせいでした。イカリスは最初から全て知っていたのです。イカリスとセルシは元恋人同士で、その挿話もちょくちょく入ります。白人の人がアジア系の人を普通に、そこになんのドラマもなく愛しているところに違和感を感じてしまった。エターナルズに人種なんてないのかもしれませんが、表現として普通に描かれているのは良いですね。私の頭は古いままかもしれませんが、この映画のように人種など関係なく「愛」があるのはいいですね。全国民とは言いませんが、アメリカではすでに普通なのかもしれませんね)。セルシたち、地球を守る派がティアマット復活を阻止し、物語は終わります。

情報量が多すぎて、私の頭が追いつきませんでした。せめて、登場人物の能力くらい把握していけば良かった。「セレスティアルズ」「ティアマット」とかその世界だけの用語が出ても覚えられないですよ。とくに「ティアマット」は言葉だけで、最後に出てくるまでイメージ映像すら出てきません。エターナルズが最後になにをするのか、勝ちなのかよくわからないので、セルシが「ティアマット」を止めるところは、いまいち盛り上がらない(セルシは大変そうだけれど)。イカリスと、ファストス、マッカリ、セナの戦いは面白い。この映画は何を伝えたかったのでしょうか? テーマみたいなものが、こうやって映画の内容を思い出して感想を書いていても見出せません。ファストスがゲイで、そこに何のドラマもなく当たり前のように描写されているのは良いですね。それが特別なことではなく、普通のこととして描かれているのは好感を持てます(何のドラマもないので、最初はゲイだということがわからなかった)。マッカリが聴覚障害を持ちながら、ヒーローと活躍しているのも良いです(滅茶苦茶スピードが速くて、強い。良いですね)。スプライトが子供の姿のまま、成長する体を持たないという点も考えさせられるますね(イカリスが好きのようです。しかし、姿が子供なのでそれを告白できません)。最後にエターナルズをやめて、人間になる展開も良いです。任務を全うするために、仲間と戦うことになるイカリス。決して仲間が嫌いな訳ではありません(イカリスは仲間たちがティアマットと争わないようにしたかったらしい。もうちょっと他に方法あるだろう、と思わなくはなかった。彼がエイジャックの死の原因と知ったとき。私はエイジャックが殺したとは思ってなかったですが「そういうものかな」と見てました。驚きはなかったです。裏切り者というかわかりませんが、そういう存在がいるとサスペンスは作ってなかったですね)。心を支配できるドルイグ。そんな力を持ちながら、傍観者でいなくてはいけない苦悩も考えさせられます。セナは記憶障害(だっけ?)があり、時に仲間を襲います。記憶を消せば、障害はなくなるそうですが、セナは皆のことを忘れたくないと思います。そのセナの苦悩。そんなセナを自分が襲われるかもしないとわかっていながら、彼女の記憶を消すことを否定し、共に暮らすことを選んだギルガメッシュ。仲間が二つに別れたとき、イカリスを指示しながら、仲間われもしたくなく、最後の戦いからから去るキンゴ。そして、元恋人と戦うことになり、来せずエターナルズのリーダーになってしまったセルシ(女優さんは魅力的でした)。それぞれに、テーマとなりうるものを抱えていますが、しかし、それらがこの映画の中心のテーマではないように思えます。彼ら共通の苦悩となるのは、エターナルズは実は「セレスティアルズ」に作られた存在で、地球に来る前にも「ティアマット」を覚醒させるため同じことをやってきていた、新たな惑星に行くときは記憶を消されていたようです(エターナルズのリーダーであるエイジャックのみは覚えていたようですが。エイジャックは人間との暮らしの中で人間を大事に思ったそうです。なのでティアマット覚醒を阻止することを考えてました。それゆえにイカリスによって死の罠に誘われます。が、今までの種族では「大事」に思わなかったのかよ、と思ってしまいました。サノスの行為が影響を与えたのかな?)。これは、テーマになりうるかもしれません。しかし、そこまで映画でこのことを強調はしません。「人間は新たな神を産む贄」という問題もあるか。これも設定だけで、深掘りされないですよね。私は映画自体は楽しみながら、今ひとつ物語に乗れなかったです。なぜだろうと考えると、このテーマというかこの映画の中心が見えなかったからかもしれません(テーマが見えないのは私の感想です)。主人公が一人なら、テーマ性が薄くてもその人に対して、何らかの反応も持てると思うのですが、この映画はエターナルズのメンバー10人いますからね。一応、セルシ中心に描かれますが、やはり主人公一人の映画に比べれば人物の掘り下げが弱い。彼女がなぜ地球人を守ることを選んだのか、もう少し深く描けたし、元恋人のイカリスとの対立もドラマチックに描けたと思ってしまいます。登場人物10人は多いですね。しかも、その映画全ての登場人物を大切にしている(なので、一人一人が描写不足な感じ)。2~3の人物には深い背景をつけて、後の7人はすごいな能力だけつけとけば、話としてはまとまったような気がします。みんながみんな、それなりに魅力的な登場人物となると、一つの作品でまとめるのは無理があるような気がします。その無理をやってしまっているこの映画はすごい。色々な人種の人が出てますね。みんな主要人物で。不思議な感じですね。あと、7000年も生きてきて、恋愛とかそういう感情とかあるんですかね。

最後の戦い、セルシと「ティアマット」、イカリスと地球守る派のエターナルズ、そこに「ディヴィアンツ」も参加してきます。「ディヴィアンツ」はセナと一騎討ちの形になります。セナの活躍が見れたのは嬉しいのですが、エターナルズの能力を吸収した「ディヴィアンツ」は一体だけで、ラストボスになる魅力があるのに、最後の戦いに水を差すように表れ、いなくなるのは少しかわいそう(最初は「ディヴィアンツ」が敵かと思ってたのに、途中で存在が薄くなりますね)。セナの活躍が見れたのが嬉しいというのは、予告を見た時すごい活躍することを期待していたんですよね。貫禄もあるし(あまり俳優には詳しくないですが、有名な女優さんですよね)。期待してたのに、活躍が少ない。記憶障害も、その理由がいまいちわからない(本来消されるはずだった記憶の一部が残っていたみたいです)、それ以上に何で仲間を襲うのかわからない。

冒頭でも伝えましたが、面白かったです。映像も素晴らしい。アクションもいい。難点は登場人物が多すぎて、誰を中心に見ていいか分からない(みんな主役級になりうる魅力が描かれすぎている)。用語がよくわからない(確かティアマットがセレスティアルズになって、セレスティアルズというのは総称であって、個別にも名前があったはず。よくわらない)。デューンはよくわからないながらも楽しめたのは、その映画内の専門用語を現実のものに置き換えられたからかな。あと、ひとつひとつの用語にエターナルズの「セレスティアルズ」のように関連性はなかったはず。話が壮大すぎてどちらが正しいかわからない(まあ、これはセルシの描写をもっと深くすれば、解決できると思うけど。どっちが倫理的に正しいかわからない問題は、それを選ぶ人間のそれなりの理由がある解釈で決めてもらえればいいと思う)。登場人物を誰を中心に見ていいかわからないので、中心となるテーマがあるかというと、私には見つけられなかった(記憶を失いながら、永遠に生き、同じことを繰り返す絶望感をもっと強調したら楽しめたかも。でも、そうなるともっと長くなるね。しかも、ヒーロー映画ではなくなりそうだ)。これは、マーベルのシリーズとつなげる必要あったのだろうか、エイジャックが人間を守ることを選択したのは、サノスとの戦いがあったからこそのようだけど(人間と一緒に暮らしたから、という方が大きいけど)。サノスとの戦いが、架空のことでなく現実のこととしてあり、それが全く別の戦いをしているヒーローにも影響しているのは面白いですね(エターナルズは基本的にディヴィアンツとの戦い以外の戦いには、関与しないらしい)。

設定だけじゃテーマにならない。その設定に対して、その作品に出てくる人たちがなんらかの問題意識を持って、悩むなり、解決するなり、なんらかのアクションをしなければ、テーマにならないのかと、この作品を見て思いました。

映像は迫力があります。昔の建造物を見られるのは感動します。映画館で見るのが良いですね!

私が見過ごしている点をきちんと書いている批評。

この動画も脚本などのことを言っていて面白い。

エンドゲームから続けて見ると、「地球」というものに対する問題意識が次の段階になっているのね。考え方が面白い。もしかしたらマーベルのコミックが最初だったのかもしれなけど、自分は地球の人類を犠牲にして新たな生命(神的な)を作るという展開は「よくある話だな」と思ってしまった。


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