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映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を見てきた。飽きさせない映像表現と多彩な動き。

映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を見てきました!
舞台地球ではありますが、マルチバース(多彩な時間軸がある)という設定で、いろいろな次元に移動する世界観です。アニメーションですが「レゴ人形の世界」や「実写世界」もあります。
そのマルチバースという展開を活かしてか、絵の描き方が多彩で(一つの作品の中にいろいろな作風が溢れ)、それが私を楽しませてくれました。よく考えれば、マルチバースが一つの映画作品の中の「作風の違い」の説得ある理由とはならないですが(別の世界観からきた人がその世界と合わないという、のは理由にならなくもないですが)、納得感はあって「まあ、面白いからよし」と思っちゃいました。
冒頭はグウェンの独白から始まります。少し進むと、ヴィランとの戦いが始まるのですが、その動きのアニメーションが素晴らしいです。

作品のテーマはなんでしょう?
主人公である「グウェン」と「マイルス」はスパイダーマンであるが故に、親との確執があります(深刻度には差異がありますが)。親との確執というのはテーマの一つでしょうね。
マルチバース故の、その世界をまたがって動くことの弊害。これは、テーマというより設定として面白いという感じでしょうか。
スパイダーマンには残酷な運命が待っています。マイルスは運命に対峙し、戦うことを選ぶ場面があります。運命との戦いというのもテーマかな。
「マイルスとグウェンの恋」も、二人は別次元の人間なので、障害がある恋愛ということになりますね。これもテーマかな。
これらのテーマのもと、物語が進んでいきます。

アニメーションが素晴らしくて飽きさせない。特に冒頭のグウェンと、グウェンの世界に別次元から来た来たスパイダーマン、別次元から来たヴィランとの戦いは素晴らしく、物語の初めから惹きつけられます。
続けて、マイルスの次元では「スポット」という、他次元への移動が可能なヴィランと戦います。これもコメディタッチで面白いですね。
ただ、このスポット最初のコメディタッチの戦いのみに登場するかと思ったら、物語の最後まで出てきます。そして、スポットがこの映画の主たるヴィランとなっています。
この映画続きもので、ラストに一応の決着もありません(グウェンの物語は一応の完結はあったかな。親子の確執の解決は)。スポットはこの映画のラストあたりで大物感を出し、次作は楽しみなんですが、今作に限って言えば少しばかり物足りないんですよね。そこらへんがなんとなく、大きな敵への期待感を減らしており、物語に対して前のめりに入り込めない感じがありました。

物語が進んでいくと、マイルスと他スパイダーマンの諍いがあります。ここも動きが素晴らしかったのですが、少し退屈を感じてしまいました。
なんでですかね。
この場面ではマイルスは運命(未来のマイルスの父の死)を受け入れろという、次元をパトロールしているスパイダーマンのチーム(各次元のスパイダーマンたちが参加)のリーダー「ミゲル」と言葉に反して、運命に抗おうとします。
マイルスと他スパイダーマンの戦いで、マイルスの勝ち条件が見えないからかもしれません。結局、戦いで勝つことはなく、逃げるわけですが。
それとも、私の中でいまいち「マルチバース」というものを理解していないからなのかもしれません。「マルチバース」って何でもありになる可能性もあるんですよね(前作のように舞台としては一つの世界限定で、キャラクターが多次元からくる展開は理解しやすいんですが、色々な次元に移動できる展開になると展開の可能性がありすぎて、思考が止まってしまうのかもしれません)。それが緊張感を阻害していたのかもしれません。ただ、マルチバースゆえにマイルスの逃げ先が、マイルスが思ったところに行かなくて面白い展開になってました。

主人公にはいまいち共感はできなかったです(これは、私が大人だからだと思います)。グウェンは自分のイライラをバンド仲間にぶつけてあまり好感はないです。グウェンがスパイダーマンである自分の正体を隠すのはわかるのですが、親との関係がうまくいってそうなマイルスは正直に言ってしまえばいいのに、とは思ってしまいました。まあ、若い頃は軽いことでも必要以上に重く考えてしまって、誰にも相談できないというのもわかります。スパイダーマンであるってことは、少し人間ではなくなっている。そのことを話すことは勇気がいるでしょう。それでも、そこらへんが私には「わがまま」に見えてしまいました。しかし、私は「言えない気持ちもわかる」と書きました。であれば、その気持ちにもっと寄り添えるような演出があったら、私は主人公たちを応援できたのかもしれません(わたしがあってほしいと思った「演出」が万人に必要かわかりませんが)。
アニメーションの格好良さには感嘆しながら、主人公たちに対していまいち応援できてなかったようです。
応援できなかったのは、上述しましたがヴィラン(主人公をより良く見せるための悪)があまり魅力的でなかったからなのかもしれません。

マイルスは運命に抗う選択をしますが、よく考えると「スパイダーマンが大事な人を失う」というのは物語上の要請ですよね。力を持ってしまった若い人が、その力を濫用したために大事な人を失う。その後悔で成長するということが、物語のカタルシスになる。それが何故、スパイダーマンにとって避けられない運命になるのでしょう? 私は最初のスパイダーマンの実写映画シリーズ、次のシリーズを見ておじさんが亡くなる展開見ています。当時は、それがスパイダーマンお約束と知らず「また同じ展開かよ」と思ったものです。その経験があるので「スパイダーマンとはそういうものだ」と思ってましたが、よく考えると謎です。メタ的視点がないと、よくわからないですよね。スパイダーマンの神とかいるのでしょうか? 物語上のルールであるなら、説明が足りないような気がします。

この作品、物語は終わってません。何か一応の決着もついてません(上述しましたがグウェンの物語は完結しているようです。それにこの感想を書くまで気づかなかったことを考えると、私はマイルスがこの映画の唯一の主人公として見ていたようです)。なので、作品として評価はできないです。物語や、キャラクターについて少し不満を感じましたが、アニメーションは素晴らしいし、動いているのを見ているだけですごく楽しい作品でした! たくさんスパイダーマンが出てくるのも楽しいですね(東映番スパイダーマンやレオパルドンは出てきませんが。気づいてないだけか?)。

今回の作品を最後まで見るとでヴィランであるスポットの魅力のなさは解消されます。そのスポットとマイルスたちが戦う場面が楽しみです。
そしてマイルスの危機をグウェンはどう救うのかも楽しみです。前作に出てきた、キャラクターも出てきますし。

次回は来年の3月末の予定のようです。早く見たいな。


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