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映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」を見てきた。こういうのはスプラッタ・コメディっていうのかな?

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」を見てきました。ちなみに「スーサイド・スクワッド」や「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」は見てないです。ジェームズ・ガン監督作品なので、見に行きました。前半は退屈を感じた部分もあったけど、クライマックスは最高に良かった。スーサイド・スクワッドの面々と楽しい時間が過ごせました。

犯罪者集団が、刑期を減らすなどの理由で国の機密に関わるミッションを与えられる。その集団のことを「スーサイド・スクワッド」というようだ。

すごい能力がありそうな中年の人の描写から始まる。意味ありげにゴルフボールくらいの球をバウンドさせている中年男性。その球を周りの壁に跳ね返らせて鳥を殺してしまう。「おーこの人や、これ以外にもすごい能力者が集まって何か行う話なんだな」と思う。私は映画を見に行く前に、ほとんど情報を得ない、なのでまさかこの人がその後ぜんぜん活躍しないとは思わなかった……。なんだかんだで、ミッションが始まる。飛行機に乗る犯罪者集団、ハーレイ・クインが最後に乗る。仲良さそうに話しているのは、前作にも出てきたのだろうか? このハーレイ・クインが主人公だと思っていたが、映画全体でいえば一番出ている時間は長かったような気もするが、主人公ではなかったね。主人公はあえていえば、ブラッドスポートという狙撃手の男かなと思う。彼がなぜ、ハーレイ・クインより主人公かと思ったかというと、まずチームの方向性は彼が決めいている。彼だけ犯罪者集団に加わる娘を助けるためというエピソードがある(最初のおっさんもあるにはあるが、すぐ退場するしね。他の人も最初のおっさんと同じ理由だろう)。そして娘との仲が良い方に前進する場面がある。クライマックスの戦いと前の仲間割れで、決断を伴う見せ場がある(ピースメイカーがラットキャッチャー2を殺す場面。彼は仲間の一人を殺すという決断をする。前半のどっちが強いかという言い争い、の決着もつけている)。嫌いなネズミを克服する。などなど、リーダーであるから主体的動く場面を見せ、物語の最初と最後で変化がある。ハーレイ・クインは暴れ回っているだけ。劇中で恋仲になるが、それによって何かが変わるというわけでもない。重要な決断を求められることもない。生存本能と、破壊衝動、感情の赴くままに動いているだけである(仲間を助ける場面もあるにはあるが)。クライマックスに戦う化け物に「トドメを刺すのかな」とも思ったが、トドメはささなかった(あれは化け物のの中に入る道を開いたということなのかな? トドメを刺したのはネズミだ)。こういうふうに考えると、主人公には「重要な決断」を行い、「最初と最後で精神が変化している」ことが必要なのかもしれない。主人公と思えるくらい出番がありながら、ハーレイ・クインを私が主人公と思わなかった理由から類推している。日本の映画のwebサイトだと、ハーレイ・クインの方がブラッドスポートより登場順が上だから、ハーレイ・クインが主人公扱いっぽい。

最初に集まった犯罪者集団は実は、もう一方の犯罪者集団(ブラッドスポートがいる)のおとりだった。最初に出てきたおっさんは戦場から逃げ出して、死ぬ。他の犯罪者もハーレイ・クインと、この集団のリーダーだったリック・フラッグ以外、全員死ぬ。とにかく死ぬ。敵も味方も、血が飛び散り残酷に死ぬ。この時点で気づけば良かった、この作品がコメディであると(こういうのをスプラッタ・コメディというのかな? ジャンル名はよくわからん)。このあとけっこう脚本がめちゃくちゃなんですよ。おとりじゃない方の犯罪者集団が、捕まったリック・フラッグを助けるために、捕まえていた現地の軍と思われる人たちを殺しまくる。なんの慈悲もなく。で、実は現地の軍でなく、その軍と対抗している(舞台となる国は軍事クーデターで、軍が政権を握っている)解放軍だったんですよ。そう敵は共通だったんですよ。でも、解放軍の人は特に逡巡もなく(悲しみはみせるけど)、犯罪者集団の計画を手伝うんですよね(利用しているってことだけど)。で、ハーレイ・クインはというと軍事政権に最高責任者として押し上げられたこの国の大統領に、なぜかみそめられ(理由らしい理由は一応あるけど)、ともに行動し、愛し合い、でも考えに反したことを一言言ったという理由だけで、大統領を殺す。完全に物語の都合上殺しているでしょ、と思った。だけど、前述した解放軍皆殺しの場面も思い出して、「ああ、この映画はこういう場面(圧倒的な力で、何かの皮肉のように簡単に殺されていく場面)を見て楽しむ映画なんだ」と思った。そう思えば、楽しんでみれるといえば見れる。と言って、そこまでスプラッタシーンが好きでもないので、すごい楽しめるわけでもないけど。ハーレイ・クインの活躍は、変な演出も相まって楽しかった。スーサイド・スクワッドの面々は強すぎて、緊張感が出るということもないからね。

物語が進行している中で、スーサイド・スクワッドの面々が向かっている先には、ヒトデの化け物がいるらしいということもわかってくる(スターフィッシュ計画のスターって星型の化け物のことなんだね)。最後どうなるのと思っていたら、まさか怪獣バトルになるとは。

ヒトデの化け物ごと研究施設を破壊することがスーサイド・スクワッドの作戦だったのだが(研究施設にはそこの博士を捕まえて案内してもらう)、その作戦最中、実はこの怪物の研究はアメリカが秘密裏に行っていたこととわかり、その秘密を握りつぶそうとするピースメイカーと公表しようとするリック・フラッグの対立する。この二人の対決は緊張感あったね。この二人の戦いも含み、研究施設に入ってから、最後まではすごい面白かった。退屈なだと感じていた気分が吹き飛んだ(最初からコメディとして見ていれば、退屈と感じなかったかもしれないが)。仲間同士の戦いも終わった後は、ヒトデの化け物(ウルトラマンシリーズの怪獣に姿が似たようなのいた気がする)との戦い(その前に、キング・シャークと水槽の中の謎の水棲生物との交流や、ポルカドットマンが仲間の死を嘆くが、ハーレイ・クインやブラッドスポートはその存在にも気づいていないというコメディタッチな場面もあった)。前述もしたが、まさか怪獣バトルになるとは、思いもしなかった展開。指令しているアメリカの上官は化け物との戦いはどうでもいいと思っていたようだが、スーサイド・スクワッドの面々は怪物退治に向かう。熱い展開だ。でも「こんな化け物どうやって倒すんだよ」とも思う。この戦いに関しての期待といえば、今まで見てきたスーサイドスクワッドの面々ハーレイ・クインがどう活躍するのか、序盤に渡された槍は何か意味があるのか(結局なかった気もするが)、ヒトデは目が大きかったので「きっとこの槍で眼をぶっ刺す」のだろうと期待し、ブラッドスポートがどう指示し、ヒトデの怪物を攻略しようとするのか、キング・シャークの凶悪な力は化け物に通用するのか、ポルカドットマンには見せ場はあるのか、ラットキャッチャー2とネズミの相棒セバスチャン、非力な彼らがどんな活躍をするのか。大きな障害の前で彼らシーサイド・スクワッドの面々の活躍を期待するのだ。その大きな期待の中で、個々が動き、見ている人はその動きから次の展開を期待する。大きな期待のなかの、小さな期待。この化け物との戦いは本当に楽しい。みんな見せ場があるしね。ブラッドスポートが作戦出すけど、特に有効ってわけでもなかったような気がしたが。これは、有効であって欲しかったけど。あと、連携もしている感じでもなかった。連携していたら、もっと熱かっただろう。大きな化け物との戦いに加えて、洗脳された人々まで襲ってくる。絶望に絶望を重ねる展開で、ますます「こんな化け物どうやって倒すんだよ」感が強まる。支配されていて、もう死んでいるとはいえ、ブラッドスポートは容赦なく洗脳された人々を殺す。これには「殺しちゃうんだ」と思った。まあ、元犯罪者なんだけどね。倫理観を測るのは難しい。この事件を見ているブラッドスポートの娘を出して(父の活躍を見る)、和解を感じさせる場面を入れていてうまいと思う。そして物語は終わる。最後は怒涛の展開で面白かったですね。

雲や、海岸の砂浜、事故ったトラックの炎を文字にして、これからの展開を説明する演出は良いですね。わかりやすくなっている(目的を簡単に説明して、人物たちが説明することを省略している)。ハーレイ・クインの戦いの場面とかも、派手な演出で面白くしている。ピースメイカーとリック・フラッグの戦いや、ピースメイカーとブラッドスポートの戦いも。最初の仲間が集まる場面や、研究施設に入る前のスーサイド・スクワッドの面々の場面も熱くなる。時間軸が戻る場面もあったが、ちゃんと説明してくれる。

吹き替えで見たのだが、字幕で見れば良かったかもと思った。ハーレイ・クインの声は役者さんの声で聞きたかった。日本の声優さんの声が可愛すぎるし、日本語でハーレイ・クインのふざけた語り口を聞いていると、なんとなく恥ずかしい気持ちになってしまった。

最初スーサイド・スクワッドの面々の純粋な暴れっぷりを楽しもう。そうしないと退屈感を多少感じてしまう。でも、後半はすごい面白い。その活躍の後だと、もっと、スーサイド・スクワッドの面々の活躍を見たいと思っちゃっいますよ。楽しい時間でした。


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