たべたび。02：超ローカル店の名物を食す① 大歩危駅前の歩危マートと、出会う食材たち
少し前になるが、初めて徳島を訪れた。
徳島行きは偶然で、それも数日前に決まった。
どうしてそんなに急だったのかというと、JALが行っているマイルポイントの利用方法の一つである『どこかにマイル』によってだ。
どこかにマイルは、簡単に言えば航空券ガチャだ。通常よりも少ないマイルポイントで航空券が手に入れられる代わりに、行先は四つの候補の中からランダムに選ばれる。抽選の結果は数日前に通知されるから、直前までどこに行くことなるか分からない。
どこに行くかは決められないが、しかし四つの候補地についてはある程度選択することができる。選択といっても、予約画面に希望の日時を入れると候補地がランダムに出てくるから、候補地の更新を自分が望む候補地リストになるまで繰り返すのだ。
「北海道に行きたいな」
私は久しぶりに北海道へ行きたくなった。それもできるなら、札幌周辺以外の土地に。
そういうわけで、さっそく候補地を選択。
何度か繰り返す中で、
札幌 釧路 女満別 徳島
こういう候補地リストになったのだ。
それまでのリストの中でこれほど北海道行の候補地が並んだことはなく、
札幌があるとはいえ4分の3で北海道に行けるとなると
これは最良のリストに近い。
さすがに北海道には行けるだろう……そう思い、
よし、とその日付で航空券を予約した。
行先確定は搭乗日の3日前……私はウキウキで、北海道の見どころや宿を
調べていた。
そして搭乗日3日前。行先確定のメールが届く。
行先は――徳島だった。
突然の徳島行きは、図らずも
そういうわけで徳島にやってきた私だったが、
蓋を開けてみれば、来てよかった徳島だった。
やはり、知らないとは良くない事である。
ともかくその徳島旅の中で、私は景勝地である大歩危峡へと祖谷地域へと足を運んだ。
その帰り道、なんとなく大歩危峡の駅である大歩危駅に足を運んでみたのだ。
このような山奥のローカル駅は、いったいどんな様子なのだろうか。
ちょっとした好奇心で、私は立ち寄ったのである。
うむ、良い眺めだ。
特に鉄道好きというわけではない私だが、こういうローカルな路線には
不思議と惹かれるものがある。
まさに旅情、なのだろうか。
さて、見たいものは見られたし、帰ろうか。駅に来たものの、私はレンタカーに乗っていたので電車には乗れない。日の暮れる前に、今日の宿へ向かおう。
……しかし、帰る前にあそこの店に寄ってみなければ。
駅前にあるあの店に、私はあまりに興味をそそられてしまった。寄らずに帰るのは絶対に後悔する。
気まぐれに駅へ立ち寄ったおかげであの店を見つけられた。それだけでも大歩危駅に寄った価値があったというものだ。
なんとなく立ち寄った山奥の駅で、私は『歩危マート』に出会った。
大歩危駅のお店『歩危マート』
この店構え、実に良い！
まさに地元の商店といった雰囲気は、旅先で出会うとワクワクしてくる。
向かい側には系列の食事処もあり、あまり電車の本数が無い大歩危駅で待ち時間を過ごすにはちょうどよい。
店内にはこの地域で採れた野菜やお土産が置かれ、買い物にも良さそうなお店だ。
そんな店の中で、私はこれらを見つけた！
なんだこいつらは。
こんにゃくはまあ、分かる。ぷりぷりで美味しそう。
しかしなんだこの巨大なブロック豆腐は。
そしてずいぶんと硬い。指で押しても全然崩れない。
そしてなんだこの、馬鹿でかい油揚げは！
そうです、このでっかいの、油揚げなのです。
なんと大きさは、
約40センチ！ でかい、あまりにも！
この食材たち、どうやら名物のものなのだそうで。
こんにゃくは祖谷地域で作った『祖谷こんにゃく』。
豆腐は祖谷地域の名物、『祖谷とうふ』。
油揚げは歩危マートの名物、『ぼけあげ』。
なんともローカルで、心惹かれる食材たちだろうか。
荷物になることを構わず、思わず購入してしまった私。
旅先でこういう風に食べ物を手にしてしまうことが多いのだけれど、
ひょっとして私、旅は食材の仕入れにいっている？
でも、美味しいならOKです。
次回に続く。
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