見出し画像

コーヒーを淹れる間に

最近、コーヒードリップパックにはまっています。

インスタントじゃ味気ないし、コーヒーミルでガリガリやるのも手間だなと思うときにちょうど良くて。たぶん、僕みたいな人むけに生み出された商品なんでしょうね。ありがとうございます。

毎朝5時に起きて、一番最初に自分のためにコーヒーを淹れるのが僕の日課。

南部鉄器でお湯をわかし、コーヒードリップパックにわかしたお湯をゆっくりと注ぐ。立ち上る香ばしい香りが、心を穏やかにしてくれる。あの瞬間がたまらなく好き。

この「コーヒーを淹れる」をする間の時間って、けっこういろんなことができるんです。

お湯をわかしている間に、食器を片付けて、洗濯機を回し余力があれば、お風呂掃除までしちゃう。

時間にしたら、およそ15分くらいなんだけど、我ながら手際が良いと自分を褒めたくなるほど。

手を動かしながら、間でドリップパックにお湯を注ぐ。そしてまたコーヒーが抽出されるまでの間に、バタバタと他のことを片付ける。

頭の中もフル回転していて。例えば、今日一日のスケジュールを確認したり、片付いていなかった仕事のことなんかも脳内で片付けちゃう。

すると、新しいアイディアがポンポン出て来る日もあるんですよね。

そういうときは、淹れたてのコーヒーを片手に、そのままノートに向かい、アイディアを「言葉」として、この世界に誕生させる。この一連の流れがすごく好きなんです。

今朝は、その勢いがとても順調で。

書きたい曲の詩や、このエッセイのこと、本当はやりたいと思ったまま止めてしまっていた仕事のことなんかまでが、脳の中からスルスルと出てきた。ワクワクが止まらない。最高の朝でした。

そして、ふと気がついたことが一つ。


「ああ。そうか、最近忙しかったのか」


「忙しい」という言葉が好きじゃなくて。だって「心を亡くす」と書くから。いつだって、自分の心だけは亡くしたくないじゃないですか。

でも、最近は「コーヒーを淹れる」をする間に、何にもアイディアが出てこない日が続いていて。コーヒーの香りを楽しむ余裕もなく、コーヒーは「ただカフェインを摂取できるもの」に成り下がっていました。

実は昨日、とある大きな仕事を一つ断ったんです。

「お金になりそう」という下心がある仕事は、往々にして上手くいかないのが僕のパターン。そうだとわかっているはずなのに、つい不純な同期で動いてしまう自分が情けない。でも、そんな情けない自分も人間らしくて好きなんだけれど。

思い切ってその仕事を断ってみたところ、脳の中にぽっかり大きな「余白」が生まれて、アイディアがポンポン出て来てくれるようになったんですよね。

「余白」って、すんごい大切。

そんな、当たり前で人生の中で何度も確認してきたはずのことを、今一度確認できた朝でした。

コーヒーを淹れる間に、アイディアが降り注がないときは、「忙しい」をしちゃってるときなんだろうなぁ。

また一つ、自分のことを知れました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?