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『首都2日で陥落』の衝撃

 連日報道される北京オリンピック。同じくらい、毎日その名を聞く東欧の国がある。ウクライナ。「ロシア侵攻」の可能性が取り沙汰され、瀬戸際の外交戦が繰り広げられているという。

 おととい、衝撃的なニュースが飛び込んで来た。
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220207/k10013470621000.html

 ロシア軍が侵攻した場合、ウクライナの首都キエフは2日以内に陥落し、5万人が死傷。500万人が難民になるー。 アメリカの情報機関などが分析した結果として報じられたのである。

 云うまでもなく、首都は国家にとって枢要な機関が集中し、「何としても防衛しなくてはならない」最終拠点である。と同時に、その国の国民の心の拠り所でもある。首都が敵の手に落ちるとは、抗戦意識を喪失するには十分な出来事だからだ。

 古来、戦争などで首都が陥落したり、占領された例は枚挙に暇がない。ローマ帝国と激しく争ったアフリカの都市カルタゴ(将軍ハンニバルが有名)は、ローマに敗れ、全土を徹底的に破壊されたと聞く。草木も生えないよう塩をまいたらしいから、ローマ人のカルタゴ憎しの心はどれほど強かったか。中国の帝国の首都は何度も農民反乱で占拠され、第二次世界大戦ではワルシャワやパリもナチスドイツに蹂躙されたし、東京にはマッカーサーが乗り込んできて司令部を置き、占領政策を開始。朝鮮戦争では、北朝鮮軍の猛攻でソウルもあっという間に陥落。南ベトナムの首都サイゴンが陥落し、ベトナム戦争は終わった。アフガニスタンの首都カブールがタリバンによって落ちたことは、記憶に新しい。

 当然、いつの世も、首都にはたくさんの人が生活している。赤ちゃん、小学生、思春期の恋人たち、夫婦、じいちゃんばあちゃん。彼らの平穏が破壊され、彼らの血と涙が大地に流れたということになる。朝鮮戦争でのソウル撤退の時は、北朝鮮の進攻を食い止めるべく、軍が橋を爆破した。何が起きたかわからず、家や財産を捨て、着の身着のまま逃げる避難民もろとも。何百人もの人が巻き添えを喰い、漢江にその命を沈めた。そういうことが起こるのである。

 プーチンはそのことを分かっているか。ロシア支持を打ち出した習近平はそのことを分かっているか。戦争になれば自国の兵士も傷つく。血を流す。家族や恋人を思い、泣く。死ぬ。

 しばらく経ってnoteを更新する時、この記事は杞憂だったと、書けることを心から望んでいる。

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