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子ども姿勢の発達

最近は自分自身の姿勢が悪すぎるせいで
患者さんに「姿勢悪いですねぇ」
と言えなくなってしまっている中村です。

さて今回は大人の姿勢を考える上で
子どもの姿勢に注目してみたいと思います。
そもそも最近の子どもも姿勢が悪くて
肩こりや腰痛の症状が以前と比べて
圧倒的に増えています。

そこで今回は子どもの姿勢の悪さについて
その原因やどうやって改善していけば良いかを
解説していこうと思います

○子どもの姿勢の発達曲線

ここからも分かる通り,子どもの運動神経の発達は
5歳頃までをピークとして発達していきます。

逆にリンパ系と言われる免疫に関わる機能は
それ以降,6歳ごろから急激に伸びるのが分かります。

ここから言えることは3,4歳頃までにある程度の運動をしておけば
本来持っている機能としての運動能力を高められることができます。
免疫に関わるリンパ系においても外での活動が増えるほど
自然免疫が獲得されていくので,風邪などに簡単にかかりづらい
体になることができると言えます。


○年々変わりゆく姿勢

ここで少し話は変わって姿勢の話になります。

猿から猿人・原人と進化する過程において
ヒトは二足歩行というものを獲得しました。
従来四つ足で歩いていたものが2足歩行になることにより
手の自由度が上がりヒトは道具を使えるようになりました。

その反面画像の通りヒトの姿勢は以前のものとは大きく異なり
猫背や巻き肩,ストレートネックと呼ばれる
悪い姿勢へと変化していきました。
これは進化というよりも人間の歴史において
道具の発達やより環境に適した変化ではありますが
本来の人間の機能と比較すると退化といった方が
適切かもしれません。

○子どもの姿勢で大切なこと

さて,子どもの姿勢においても同様のことが言えます。
子どもの姿勢も年々悪化の一途を辿っており
戦後に比べ身長や体重が目覚ましく成長したものの
肩こりや腰痛といった症状が比較的年齢が若い頃からも
起きやすくなっています。

ランドセルの大きさや内容量がそこまで変わってはいないものの
持つだけで体に痛みを感じているのは明らかに筋力不足そのものです。

また最近では外で遊ぶ機会の減少やコロナの影響で
ますます運動する機会が減ってきている現状です。

教科書が減りiPadを導入してその内容量を減らしたり
ランドセルでなく旅行に行く時のようなキャリーバッグを
検討している自治体もあるそうです。

確かに子どもの体を守るという側面で考えると大事なことですが
本来の子どもの筋力や能力を低下させることは
その時だけでなく大人になっても腰痛や肩こりなどの
症状を引き起こす種を作っているだけに過ぎません。

そういった意味でも子どもの姿勢を整えるための
運動やストレッチが必要になってきます。


○子どもがやるべきストレッチ

やってほしい運動は挙げるとキリがないので
今回は敷居を低くして子どもでも簡単に
行えるものを3つ紹介させてもらいます。

  1. 大胸筋ストレッチ

  2. 背骨ストレッチ

  3. 顎引きストレッチ

まず1つずつ解説していきますね。
1つ目の大胸筋ストレッチですが
胸にはとても大きい大胸筋という筋肉があります。
この筋肉はとても力が強いため
肩を前に出し,いわゆる「巻き肩」を作る
原因となってしまいます。

それを防ぐために写真のような形で
壁に手をつき,胸を大きく開く形をとって
ゆっくりと胸の筋肉を伸ばします。
40秒から1分間ぐらいを目安に
気持ちいい程度に伸ばすようにしましょう。

2つ目の背骨ストレッチですが
普段の生活でも勉強やゲームの影響で
背中が丸くなることがとても多いと思います。

そこで写真のようなバスタオルやクッションなどを
背中に挟むことで背骨を後ろに倒す
柔軟性を作ることができます。
両手をバンザイの姿勢でゆっくりと深呼吸をしながら
1分間を目安に行ってみてください。

最後の顎引きストレッチですが
顔の位置は本来肩の真上に乗っかる位置が
正しい姿勢です。
ただし顔が前にのめり込んでしまう姿勢が
どうしても多くなります。
いわゆるストレートネックを起こしやすい
姿勢となってしまうわけです。

その状態を防ぐために顎を引き
胸を突き出すような姿勢で首の後ろの筋肉も
ストレッチしてあげます。
本来の顔の位置に戻り
肩こりや首の痛みを和らげる効果もあります。


こういったストレッチを1日の中で
勉強やゲームの合間に入れてあげると
非常に効果的です。

○まとめ

今回紹介させて頂いた子どもの姿勢の話ですが
特に親御さんがとても心配されることが多く
お電話でも相談を受けることが多くなってきました。

子どもの将来のことに関わる為
私自身も子どもがいるので心配になる気持ちは
とてもよく分かります。

ただ子どもの姿勢やストレッチをして頂く時に
1点気を付けて頂きたいことがあります。
それは「子どもに無理やりさせない」ことです。
つい子どものことを思い一生懸命になりがちですが
子どももなぜその姿勢が悪いか
本質的なことを理解するのは難しいかもしれません。

そこで行って頂きたいことが
「親や大人も一緒に楽しんでやる」ことです。
つい一方的になりがちですが
子どもは楽しいことが好きなので
楽しいことは続けやすいです。
それは大人も一緒です。

ですので最初は無理せず
楽しみながらゆっくり行っていきましょう!

参考文献・URL

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