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ほんの紹介『リビングシフト』

今ゆっくりと起きている、地方への流れ。その背景がいろいろな側面から紹介されています。ICTによって働く上での時間と場所の自由度が高まってきたからこそ、地方も選択肢の一つになってきています。そんなかで自身はどんな関わりを築いていくか?

地域資本を最大化するまちのテーマパーク化

従来は、大きな工場や機械設備とった生産手段や労働力、金銭や株式といったものを資本と呼んでいました。そうした資本をテコにして、利潤を生み出し、成長を続けていくのが資本主義という考え方です。そうした従来の資本に加えて、人と人のつながりや、美しい自然や文化をも資本であると捉え、地域における資本を可視化して最大化していこうというのが、地域資本主義の考え方です。従来の経済資本に加え、地域社会資本、地域環境資本の三つの地域資本があるとしています。それぞれのまちには、本来、自分たちの資本があります。横並びになるのではなく、日本中のまちが自分たちの資本を最大化する。もしも都市部から離れた地域に活動拠点をおいたらどうでしょうか。スピード勝負に巻き込まれないように、いやでもオリジナリティを出さなければならなくなる。結果として、個性ある会社が増えるようになる。そうした個性的な個人や会社が集まることで、個性的なまちができ、まちがテーマパーク化していく。

好きなまちに住むからこそまちを好きになる

好きな場所に自由に移り住むことは、地域コミュニティへの責任を果たさないということではない。むしろ好きな場所に自由に移り住むからこそ、その地域により積極的に参加したくなる。移住してくるにしても、とどまり続けるにしても、自分の好きな町を選んで住む。そこに主体的な選択があるからこそ、このまちをよりよくしようという気持ちになり、結果としてまちをもっと好きになる。そういうサイクルが生まれてくるのではないかと思います。

移住する人の属性

①移住しなければいけない理由のある人。実家を継がなければいけない、家族の介護をしなければいけないなど、差し迫った事情のある人たち。
②特定の地域に強い思い入れがある人。たとえば漁業が好きだから三陸に移住してまちづくりに貢献したいなど、強い思いを持っている人たちです。この層の人たちは、すでに移住しているか、移住していなかったとしても、特定の地域に対して、自分で情報を収集しています。
③いつかどこかに移住してみたいと考えている人。①や②の人のように、すぐに移住する理由があるわけではありませんが、いつか移住してみたいと考えている人たち。東京をはじめとする大都市に住む必要性が相対的に低下する中で、こう考える人たちがとても増えています。

移住2.0

①条件検索で移住先を探す→人のつながりで移住先を探す
②地縁・血縁で移住→好き嫌いや面白さで移住
③ポータブル化するコミュニティ

リモートワークを成功させるための期待値の設定

①合宿型業務集中リモートワーク(出力量12)
②普段と同じ稼働量リモートワーク(出力量10)
③業務抑えめリモートワーク(出力量3〜4)
働く側がこうした期待値を設定するとともに、その設定に応じて、自分の予定を同僚と共有したり、迅速にメールの返信ができない時間を伝えておくといった対処が必要。

カヤックがフルリモートワークをしない理由

インターネットが進化して、どこでも働くことができるし、フリーランスとしての働き方も選びやすくなった時代だからこそ、なぜ組織に所属してその仲間と働くのか?ということにもこだわっていきたい。この人と一緒に働きたいと思う人と仕事をするため。同じ仕事をしていても、仲間と出会えて、喜びを共有することで何倍にも楽しくなる。苦しみを共有することで軽減される。簡単にフリーランスになれる時代、わざわざ組織に所属して働くのは、そういう価値があるから。だから、むしろ会社にくることが楽しくなることを目指します。会社にきた方が成長が早く楽しいという場をつくる。個人個人の作業スペースを孤立させず、できるだけオープンにしているのも、周囲の人たちの背中を見て、技術や企画を身につけられる環境を重視しているから。

コミュニティとプロジェクトの境界線

プロジェクトという言葉は、仕事の場面でよく使われると思います。何か目的があって、役割分担が明確で、それぞれのタスクの進捗確認をしながらすすめていく。一方でコミュニティというと、必ずしも目的がなくても、価値観の合う仲間でなんとなく集まったり、好きなものを共有して楽しむイメージ。最近、プロジェクトとコミュニティの境界線が曖昧になっている。会社というのは本来、プロジェクトを遂行するための器ですが、同時にコミュニティでもあります。

脱センター化

都心から離れたところに住むディスアドバンテージがどんどん減ってきている

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