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多様性って何だ。

多様性とは、あらゆる性質を持ったグループが存在している状態のことを言うらしい。
人間社会では、グループといっても複雑に絡み合っているのでわかりにくい。

僕自身をグルーピングすると(アジア人)(日本人)(男性)(30代)(無宗教に近い仏教徒)(同性愛)(会社員)などと挙げることは可能だが、自分は自分なのであって、普段は所属グループを意識して生きているわけではない。

ところが、人々が話のネタにまとめるとき、グループを便利使いしているのかもしれない。
突然あるグループを持ち出してきて悪口を言ったり、賞賛したりする。

例えば海外で活躍している日本人がいると、その個人の性質や努力や運によって成功しているのに、「海外で活躍するすごい日本人」という伝え方に置き換わる。

そして、グループはマイノリティが連帯するときにも活躍するが、時に対立やモヤモヤを生み出す。

昨今、日本でも同性婚を可能にしようという活動が行われていて、僕は賛成の立場だが、中には、「同性愛者がみんな同性婚をしたいわけではないので、グループの代表みたいな顔をして意見しないで欲しい」という人もいる。

難しいのは、同性愛者というグループの中にも、同性婚に(賛成)(反対)(どちらでもいい)などの複数のグループが存在することだ。
つまり、メディアや公の場で同性婚の必要性を説いているのは、当事者である同性愛者の中でも(同性婚に賛成)のグループなのだ。

同じグループだと思っていた人が、自分とは意見が違う!ということはよくあることで、自分自身の立場を分解して、意見を整理しておかないと、対立やモヤモヤが起きてしまうのだ。

多様性はあらゆる性質を持つグループを許容するので、自分と他人の意見や性質が違っていてもいい。

ただ、気をつけなければならないのは、自分の意見や性質が正義だと他人に押し付けたり、気に食わないからと罵詈雑言を投げかけたり、自分の価値観に合わないグループは認めない!と躍起になってしまうと、それは差別やヘイトにつながる。

自分こそが正義だと主張するのは結構だが、その思いが言葉や行動に変わって誰かを傷つけることは、多様性ではない。まずは自分の意見を整理して、その意見と違う意見もあることを自覚することから始めたい。

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