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健全の4つの質感。 「秩序」編 (2022年11月コラム)

先月のコラムで、「健全」のことを少し書きました。

今回から、「健全がどんなものなのか」を、「4つの質感」から説明してみたいと思います。

1、「秩序」があること

 この世界に存在するものは、時間の経過と共に、少しずつ「秩序が失われていく」のが普通です。屋根に飛ばしたシャボン玉のまん丸は、そのうちに風に吹かれて割れて消えてしまうし、砂場のお城は、次の日には誰かに踏まれていたり、新築で建てたピカピカの家も、数十年も過ぎると、荷物は押し入れからはみ出すほど多くなり、日当たりのいい場所は、元々の鮮やかな色彩が失われいき、ドアがギイギイと鳴き始めたりします。(詳しくは「エントロピー」で検索してみてください。)

 僕たちの「身体」も、ゆくゆくは微生物たちに分解され、いずれは土に還っていきますが、「生きている」ということは、バラバラだった原子から、細胞が作られ、それが集まって、身体の各組織が構成されて、それがバランス良く配置されて、僕の「この174cmの身体」を作っています。頭には髪があり、指は5本あって、先っぽには爪があり、体温はおおよそ36度を少し超えるくらいで維持されて、食べたものを消化して、排泄物を出す。「生きている」というのは、「秩序を作り出しいている」とも言えます。これはとても「大きな秩序」です。

 この「大きな秩序」は、無数の「小さな秩序」によって支えられていて、それらはとても簡単に「秩序が乱れる」ことがあります。例えば、重いダンボールを持ち上げる際に、腰の骨の位置関係がずれてしまったり、出されるはずの消化液が、それが通る管が、周りの組織に圧迫されて出にくかったりすることもあります。または、ある場所の筋膜が、手術を受けた後に癒着してしまったり、あるいは、脳と脊髄を満たしている液が、潮の満ち引きのように一定のリズムで循環しているのが、それが乱れてしまったり。

 「(身体が)健全である」というのは、そういった「小さな秩序」が幾層にも折り重なって、「大きな秩序」を安定的に保っているということなのです。

 残りの3つも、このコラムで説明しようかと思ったのですが、1つ目を書き過ぎてしまいました。次回は、【「バランス」があること】について書いてみたいと思います。

※「4つの質感」に関しては、僕のオリジナルの考えではなく、「SourcePoint Therapy®」というエネルギー療法のコンセプトを元にしています。「ロルフィング」と組み合わせて、いつものセッションで提供しているものです。

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