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パーソナルトレーナーの女性の方への10シリーズ_#3

ロルフィングの「10シリーズ」は、文字通りに「10回のセッション」を受けていくのですが、それには「3つのフェーズ」があります。

最初が「表層のセッション(1〜3回)」、そして「深層のセッション(4〜7回)」、最後に「統合のセッション(8〜10回)」となっています。

「パーソナルトレーナーの女性」の方は、今回が「セッション3」で、「表層のセッション」の締めくくりになります。

扱うエリアは「膝から上の身体の外側部分」です。(膝から下が「セッション2」でしたね。)

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上の図は、「前額面」という、身体を「前後に分ける面」を表しています。

「セッション3」では、この面を「基準」として、「前にあるものは前に、後ろにあるものは後ろに」となるようにアプローチしていきます。

「猫背」であれば、「肩が基準より前に出ているので、それを真ん中に」となりますし、「反り腰」であれば、「脊柱のカーブがニュートラル」になるようにしていきます。

彼女のセッションを受けた「感想」の後には、僕の「より理解を深めるための解説」も書いてあります。感想だけでも、じっくりと解説まで読み込んでもらっても大丈夫です。

前回までの感想はこちらにまとめてあります。

それでは、「セッション3」の感想をどうぞ。


セッション3の感想

ロルフィング3回目

ロルフィング3回目は身体の側面にアプローチしてくれました。

身体の側面からのアプローチで、横から見た時の身体の前後のずれを修正していくイメージです。

いつものようにエネルギー療法から始まりました。
今日は結構身体が静かな感じで、いつも感じるピリピリ感は少なく、段々身体が整ってきているのかなと思いました。(1)

筋膜リリースのセッションでは、膝上の腸脛靭帯(2)から始まり、前鋸筋(3)までのリリースをしてもらいました。

今回は、アルティメットの東北リーグ後で身体の外側が張っている感じと、少し両膝が痛いという症状でした。その週末には全日本の試合に出る予定をしているので、どうにかこれが治ればいいなという思いはありました。

ですが、ロルフィングは足元から上に向かって、段階的に身体を整えていくものなので、痛みを単純に取るものではなく、痛みの発生する根本の姿勢を変えていくことが最優先になります。(4)

いわゆる、「急がば回れ!」です。
私の今の痛みは取れないかもしれないけれど、身体は確実に変わっていってることは、ここ2回のセッションで感じていました!

嬉しいことに、今回の膝の痛みはどうやら今回のセッションで治りました!!

タイミングがとても良かったんだなと毎セッションで思います!
前回、膝下のセッションの前には足部に違和感があり、今回は膝に違和感や痛みがあり、毎回のセッションでそれが治っていく感じは本当に嬉しい限りです。(5)

では、セッションで感じたことを順番に書かせてもらいます。

腸脛靭帯や大腿筋膜張筋(6)のリリースは横向きでやるのですが、膝の曲がる角度で押されている感覚が全然違います。ちょうどいい角度にセットされて、押されている状態で自分で少し動かしました。(7)

緩む瞬間があって、カクンッと力が抜けて、何度かそれを繰り返すと押されている痛みは消えていきました。このカクンと緩む感覚は本当に気持ちよかったです!(8)

無闇にポールなどでゴリゴリやるのでは、緩んでいるようで実は全然緩んでなかったんだなと思いました。(9)

その後、股関節のリリース、そして、前鋸筋のリリースをしてくれました。

前鋸筋のリリースはまさに職人芸のようで、少しずれると全然入っていきません。肘をピタっと当てて、前鋸筋の扇のような動きを出してくれました。
私自身、前鋸筋のリリースをされたことはなかったので、押されている時は息の仕方を忘れてしまうくらい身動きが取れなかったです!(10)

でも、大友さんが笑かしてくるので、笑いで身体が震えるけど、関節固められて動けないみたいな状態で、1人カオス状態で苦しかったです!笑

ある意味、笑いをこらえるのが1番苦しかった!笑

これは是非皆さんに体験していただきたい!
前鋸筋リリース!!

終了後、身体のチェックをすると腕が上げやすくなったり、膝が楽になりました。

マッサージや筋膜リリースをされている時に、いい痛みと悪い痛みがあります。大友さんのセッションを受けて、昔に受けてたきたいい痛みと悪い痛み(効果がない、むしろ組織痛めつける)の区別がちゃんと付けれるようになってきた気がします!(11)

それほど、大友さんのロルフィングは私にめちゃくちゃ合ってるなと思うし、技術の高い施術者だなと思います。本当にオススメです。(12)

ぜひいい痛みを感じて、身体が変わっていくのを感じてほしいです。

2時間のセッションでこの値段は、関西から来た私からするととってもとってもお安いです!!山形県の人はラッキーだなと思います!!(13)

来週は4回目!楽しみです!


より理解を深めるための解説

(1)これは、「SourcePoint Therapy」というエネルギー療法になりますが、彼女の「おためしセッション(解説2、5、6)」や、「セッション1(解説7)」に詳しく書いてあります。
 
 この「ピリピリ」が何かは、僕自身はっきりわかっていませんが、人体の中には「生体電流」とも呼ばれる、微細な電流が流れていて、特に「組織が損傷している場合」には、その周りに「損傷電流(電気的な異常)」が生じているとも言われています。その電流の「読み取り」をして、それに応じて「修復電流」を流す「アキュスコープ」という治療機器もあるのですが、僕は整形外科に勤務していた時に、よくそれを使用していました。

 個人的な想像では、この「損傷電流」が「いつまでも組織に居座っている状態」が続いてくると、「なかなか傷の治りが遅い(治癒サイクルの停滞)」ことだったり、「内臓などの組織を変性、病変させる(病気の起こり)」ことが起こってくるのではないかと考えています。つまり、「なるべくなら、ぐずぐずと居座らずに、スッキリとさせた方がいい」ということです。

 「身体に触れている僕自身」も、実は同時に「ピリピリ」を感じています。その「ピリピリ具合」が、「アキュスコープを作動させた時の、周りの空間のピリピリ具合」とよく似ているので、勝手に「同じようなことが起きているのかな」と想像していました。

 または、「イライラしている人」のことを、「あの人、ピリピリしてるよね」って言ったりしますよね。僕は敏感なので、そういう人のいる空間にいると、先ほどの「損傷電流」のように「ピリピリ」を実際に身体で感じます。「傷ついた身体」にしても、「イライラしている人」にしても、「ピリピリ」は「放出」してもらって、「スッキリ」としていてほしいなと思います。
(2)太ももの外側にある細長い靭帯。6の筋肉とお尻の筋肉(大臀筋)とつながっています。
(3)肋骨に付着している「のこぎり(鋸)」のような形をした筋肉。ボディビルダーなど、筋肉量が多く、脂肪量が少ない人は見やすいです。
(4)いわゆる「治療」が、「痛み、不調の除去、軽減」を目指すものだとすると、「ロルフィング」は、「身体全体の構造の関係性、バランスを整えて、重力と調和した状態」を目指して、「10シリーズ」の各セッションを進めていきます。

 「基礎(足、下腿など、セッション2のエリア)」の部分から、少しずつ上へと構造のバランスを取っていって、「セッション7」で「頭、首周り」にアプローチしたら、そこから先は「全体のバランスの統合、調和」を目指していきます。

 そうすることで、「不自然な構造」を「筋肉で崩れないように支える」というステージから、「ライン(構造を支える上向きの力)」によって身体が支えられるように「シフト」していって、「筋肉」は「支えること」から「解放」されて、本来の「動くこと」に多くの力を割けるようになります。これが、「重力と調和した状態」になります。

 その「結果(恩恵)」として、「長年の痛みがなくなった」ということや、「原因不明の不調が軽減した」というような「治療的効果」が得られることがあります。
(5)ロルフィングのトレーニングを受けている時に、先生が「10シリーズが順調に進んでいるサイン」を教えてくれたことがありました。それが、「次のセッションのエリアに、痛みや違和感が出てくる」ということでした。

 感想の中に、「セッション2(足、下腿のエリア)」の時には「足部に違和感」があって、今回の「セッション3(膝、股関節、胸郭の外側)」の前には「膝に痛み、違和感」があったとあります。

 ここで言う「痛み、違和感」というのは、「ここに何かあるよ」と、身体が「ワークを求めているところ」を教えてくれる「メッセージ」というような感覚です。なので、きちんとそれに「応答」すると、「そこまで長引かずに、すっきりとなくなる」のが特徴かなと思います。
(6)2に「大臀筋」と共につながっている筋肉です。
(7)ロルフィングを始めた「アイダ・ロルフ」さんの言葉を、彼女から直接学んだ「エドワード・モーピン」さんから教えてもらったことがあります。

Hold tissues where they are supposed to be and induce movement.
組織をそれがあるべきところにホールドして、動きを促しなさい。

 「ロルファーが、適切な場所、状態に組織をホールドして、クライアントさん自身に動いてもらう」ことで、組織が身体の構造の中に「再編成」されていきます。
(8)これが「筋膜が緩む」という感覚ですね。圧を加えられているところは、やはり「痛いところを突かれる」という場所なので、それに対して最初は「抵抗」しようとします。けど、次第に「気持ちいい」感覚になってきて、最後に「スッと抜ける」感覚になります。終わった後には、「軽くなった」「伸びた」「何かが抜けた(通った)」ような感じになります。
(9)前回の「セッション2(解説7、8)」でも書きましたが、「振動するローラーに、痛いところを押し当ててグリグリする」という「(世間一般的な)筋膜リリース」では、なかなかこの「質感」を得ることが難しいです。

 「施術者側」の「的確なポイントへのマニュアルで、微妙な力加減の圧刺激」と、「受け手側」の「自分で微細に動いて、それに合わせるように微調整する」ことの「掛け合い」によって、「最小限の刺激」で「最大限の効果」を得ることができますし、「組織へのダメージ」も「最低限」で済みます。

 起こしたいのは、ただの「気持ちよさ」ではなく、今後また、その組織が硬くなったり、流動性を失わないように「再編成(再秩序化)する」ということがポイントです。
(10)3の「前鋸筋」への「筋膜リリース」に関しては、かなり「薄い」筋肉なので、ほぼ「骨を押されている」ような感覚になるかと思います。「マッサージ」などでは、まず「揉む」ことはないエリアだと思います。「筋肉の厚みがないエリア」なので、少しでも「ズレる」と「グリっ」となって痛いです。

 「上手な人」にやってもらうと、信頼して「力が抜ける」のですが、そうでない人だと「危なっかしい」ので、なかなか「技術」がいるエリアです。うまくできると、「肩の可動域」が上がって、「呼吸が深く」なります。
(11)「セッション2(解説5)」に書きました。
(12)いわゆる「施術者」と「受け手」の人との「相性」というのはあるかと思います。でも、個人的には、「施術」のことを「セッション」と言ったりしますが、「どんな人とでもセッションできる」のを目標にしています。
(13)「保険診療」ではないので、「1セッション、10,000円は高い」と感じる方も多いです。(「神戸」でやっていた時よりも、「山形」の方がそう感じます。)

 「これからの医療」は、「ただ近いところに行く」というだけでなく、「自分に合った、自分の問題の解決に一番最適な医療を、自分で選択する」という流れになっていくと考えています。その中で、「身体も心も、その人全体を統合的に見る」という「ボディワーク」も、「選択肢の一つ」になっていくでしょう。

 本当にそうなっていった時に、「10,000円でもその価値がある」と思っていただけるように、日々がんばっていきたいなと思っています。


お問い合わせ先

Rolfing House festa|ロルフィングハウスフェスタ
https://www.rolfing-festa.com/

電話:090−2954−8207(大友)
メール:info@rolfing-festa.com

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