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パーソナルトレーナーの女性の方への10シリーズ_#2

「二人」のモニターの方に、ロルフィングの「10シリーズ」を受けていただいて、その「感想」を紹介しています。

前回までの「パーソナルトレーナーの女性の方」の感想は、こちらにまとめてあります。

そして今回は、「セッション2」になります。

主に、「膝から下の下腿(すね、ふくらはぎ)と足」を中心として、アプローチしていきます。

人間は、「地面との唯一の接点」が「足」になるので、身体の構造の「基礎」にも当たり、とても大切なエリアになります。

この記事でも、前回までと同様に、感想の中の「(ロルフィングを体験したことがない人にとっては)意味が伝わりにくい言葉」や「(同様の理由で)誤解を招く可能性がある表現」などに関して、「より理解を深めるための解説」が書かれてあります。

モニターの方の「感想」よりも、僕が書き足している「解説」の方が、どんどんボリュームを増していますが、さくさく読みたい方は「解説」は飛ばしてもらっても大丈夫です。

けど、結構、大事なことも書いてあるので、できれば読んでもらえるとうれしいです。笑

「もう一人のモニター」の方の感想はこちらです。また「違った視点」から「ロルフィング」の理解を深めていってみてください。

では、「セッション2」の感想をどうぞ。


セッション2の感想

ロルフィング第二回目

前回から1週間が経ちまして、前回リリースしてもらったところのハリがまた戻ってくることもなく、長持ちしています!

筋膜リリースを正しい方法でやると、その場だけの歪み改善ではなく持続するのが、このロルフィングの(大友さんの)すごいところだと私は思います!(1)

本日2回目のテーマは膝から下の部分です。
足の構造などの話をしてから私の足のチェック!

前回から右足の親指がうまく力が入らないので不安視していましたが(2)、診てもらうと、右足の人差し指、中指、薬指が体重移動をすると異様に暴れているということに気づいてくれました。

暴れているというのは、ぎゅっと床を掴むように力を入れたり、違うところに体重をかけると床から離れてしまったりしているという状態です。とにかく落ち着きがない。(3)

反対側の左足を見ると、とっても落ち着いていて逆に動きがほとんどありませんでした。

原因は、脛骨(スネ)のポジションの歪みだそうで、今日はそれを筋膜リリースで改善してくれました。

いつものようにエネルギー療法を終えて、まずスネをグッと押されて骨膜を剥がすような手技をしてくれました。(4)

コレがかなり痛い、、、。

実際に手技後のスネは凹んでます!笑

これは自分では痛くて出来ないし、初めての方はただ拷問のような気分になります。

痛ければ効いているというわけではありません。大友さんの力を入れる方向がとても良くて、あーー、骨膜、整ってんなー、、、ぃたぃ、けど、、気持ちー!!という感覚でした。(5)

次に、前脛骨筋を押されている時は、すごく気持ち良くて、普段からボールを当てて筋膜リリースしたりするのですが、大友さんにやってもらうと、スネが大友さんの肘で貫通してしまいそうな感覚がして、欲しい所にドンと入ってきます。(6)

私がセルフケアでやるのとは大違いで、これ、真似して気持ちいいから毎日やっても問題無いですか?と聞くと、「問題はあります。」との回答。

ロルファーがする手技は、例えると、「とても鋭いナイフで刺身を綺麗に捌いている」のと同じようなもので、切り口がぐちゃぐちゃなものと綺麗に切られたものの傷の治りは、もちろん綺麗な切り口の方が早く治りますよね!

そのような筋膜リリースをしてくれるので、めちゃくちゃ効くしキレイに治るそうです。

やりすぎると、修復が遅くなるし、自分なりにやるとそこの組織は傷つき、治りも良くないとおっしゃっていました。(7)

「マッサージのやりすぎは良くない」と言いますよね。
修復段階を無視して、その場の気持ちよさだけを求めてやるのは、組織を痛めているだけなんだと私は認識しました。(8)

セルフケアもついつい長時間やってしまいがちですが、考えを改めようと今回のセッションで思いました!

次に、膝窩のところ(膝裏)の血管を触って動きを良くしてくれました。(9)

血管も整えてくれる人、私ははじめて会いました。
本当に、前回の内臓の話もですが、大友さんのセッションは身体の全てに働きかけて整えてくれます。(10)

内臓、皮膚、血管、骨、骨膜、筋膜、筋肉、それぞれは繋がっていて、「人間は精巧な生物なんだな」と私はセッションを受けていて思いました。(11)

セッション終了後は、脚がまっすぐに整って、楽に立つ事が出来ました!足裏の感覚も左右差が少なくなって、とってもバランスが取りやすくなった気がします。

今回もとっても痛気持ちいいセッションでした。

次回も楽しみです♪


より理解を深めるための解説

(1)僕自身の体験からも、ロルフィングのすごさは「効果が持続する」ところだと思っています。その理由は、「狙った組織に対しての的確な刺激」と、「受け手の主体的な参加(自分で緩めているという意識)」かなと考えています。

 前者は、ロルファーの「スキル」の部分ですが、僕はそれを「養成トレーニング(800時間近く)」の中で、長い時間をかけながら磨いていきました。これはなかなか「週末セミナーで習得できるもの」ではないので、「身体を構成する様々な組織(筋、骨、神経、血管、内臓、膜組織など)」の中で、「何に」対して「どんな刺激」を加えればいいのかを見極めなければいけません。

 後者は、彼女の「おためしセッション」の「解説3」にも書きました。「ただベッドに寝ているだけ」ではなく、「主体性」を持って、「一緒にセッションを作り上げる感覚」を大切にしてもらえると、先ほどの「スキル」を「(自分好みに)微調整する」ことができます。自分で微妙に身体を動かすことで、「角度」や「位置」を変えることができて、「おお、そこそこ!」という「身体が求めているポイント」に刺激が入りやすくなります。

 このように「自分で緩めている意識」を持っている人と、「(受身的に)誰かにしてもらっている」という人とでは、「効果の持続期間」が違ってくるのがおもしろいところです。
(2)前回の「セッション1」で、「右足の親指の強張り」に対して、先立って施術しましたが、これに関しては「戻った」ようです。ということは、「そこへの介入の仕方が不十分だった(刺激の量が足りない、刺激の種類が違う、など)」か、「そこではないところに、それを引き起こしているトリガーがある」かのどちらか、はたまたその両方かなと思います。
(3)これはヨガのインストラクターの資格を持っていた時に、よくやっていた「足の裏の重心を、できるだけゆっくりと円を描くように移動させる」というものです。「等速円運動」になるのがいいのですが、「速度の変化(急に速くなる、引っかかる)」や、「軌跡の変化(曲線ではなく直線になる、ぐにゃぐにゃになる)」などがないかを観察します。さらに、彼女のように「足の指の変化(地面を掴むように力む、足の指が地面から浮く)」があったり、「全身の変化(ここに重心が乗せると右腰が痛いなど)」も見逃さないようにします。

 ちなみに、これを「自分でチェックする」のが大切です。こういった「身体の感覚」は「今、ここ」でしか生じないものなので、これをしていると、自然に「瞑想」のような感じになっていきます。「精神的なバランスを崩している人」などは、これができない人が多く、「何か気づいた感覚はありますか?」と尋ねても、「何も感じません」と答えたり、「重心の移動をゆっくりとできない」ことがあります。「今、ここに、居ることが難しい」のかもしれません。そうした人でも、セッションが終わると、「(地に足が着いたように)ゆっくりと」重心の移動ができるようになります。
(4)「骨膜」とは、「スペアリブの食べる肉の反対側の方の骨にくっついている膜」をイメージしてもらえるといいかと思います。あれが、骨の上で「微妙にスライドする」程度の「遊び」があるといいのですが、「(骨に張り付くように)膜組織が硬くなっている」ことがあります。その組織に対して、「持続的な圧」を加えているところです。
(5)1でも書いた「スキル」の部分ですね。これは少しでも「ズレる」と「めちゃくちゃに痛い」です。笑 上手な人にしかやってほしくないです。最初は「とても痛い」のですが、それを「呼吸を止めない」で、しばらく時間が経過すると、「フッと緩む瞬間」が訪れます。そうすると、なぜか「とても気持ちがいい」が続くのです。不思議ですね。

 これらは「いい/歓迎するべき痛み(Good pain)」と呼ばれていて、「(後で気持ちよくなる、軽くなるなど)先がある痛み」になるのですが、中には「悪い痛み/避けるべき痛み(Bad pain)」と呼ばれるものもあります。それは、「神経、血管」などを「過度に刺激しているアラーム」なので、どんなに待っても「先はない痛み」になります。なんとなく「直感でわかる」ものなので、そういう時にはすぐに教えてくださいね。
(6)これもよくわかります。笑 海外で「ロルフィングの先生」をしている人のセッションを、自分の勉強のために結構受けていましたが、みんなに共通しているのが「圧の重さ(厚み)」です。もちろん「体格のいい男性」もいましたが、僕よりも「背の低い女性」もいました。でも、不思議と「ズンと響く圧」は同じでした。中には、「加える圧が軽めの人」も、「ほとんど触れているだけの人」もいるのですが、なぜか「圧感」は同じなんですよね。なんというか、「音量(押す強さ)」は低いのに、しっかり「響き」はある音とでもいいますか。
(7)世間的には「筋膜リリース」という言葉だけが広まっていて、その「専門家」である「ロルファー」としては、「うーむ」と現状を見つめています。「ブルブルと振動するローラー」に、「痛気持ちいいところ」を探して、そこを押し当てて「グリグリ」する。読んでいる方の中にも、そんな感じでしている方がいらっしゃるかもしれません。

 「グリグリ」ってのがポイントで、そうすると「狙ったポイント以外の組織」までも「潰す(壊す)」ような感じになってしまって、それを身体が「修復」しようとして、さらに「広範囲」を、さらに「固く」してしまう可能性があります。(「瘢痕組織化」と言ったりします。)そして、それは「さらなる強い刺激」を求めるようになる「無限ループ」の入り口にもなってしまいかねません。

 感想の中にもある例えですが、「優れた寿司職人」ほど、なるべく魚の身の組織を「潰す」ことなく、「スパッと切る」と思います。「なるべく余分な力、手数を入れずに、組織に負担をかけることなく切る」のでしょうが、「身体に圧をかける」のも同じことです。

 「優れた施術者」ほど、「狙った組織に、角度、深さをピタッと合わせて、圧を的確に加える」ことができます。そうするとことで、「最小限の刺激」によって、身体に「最大限の効果」をもたらします。「狙った範囲に、狙った程度の『再組織化(身体にが刺激に対して応対しようとする働き)』が起こる」ので、「揉み返し」もなく、「効果の持続」が期待できるのです。
(8)7ですでに詳しく書きましたが、例えば、「鍼灸治療」の「鍼を刺す刺激」も、身体がそれに「反応」してくれて、それが「絶妙な塩梅」だから、「(人間にとって)喜ばしい効果」が得られるわけです。だから、「技術のある鍼灸師」ほど、「鍼の本数」も、「鍼自体の長さ、太さ」も、「必要最低限」になっていくはずです。「無駄な手数がない」ということです。それは、「生きている身体」に、「なるべく余計な負担をかけたくない」からだと思います。それは「マッサージ」であっても、他のやり方であっても、原則的には一緒だと思います。
(9)「神経」「血管」「リンパ」などの「管」に対しても、それは「生きている組織」なので、「刺激」に対して「反応」してくれます。それを専門的には、「神経マニュピレーション」などと呼んでいて、有名なのは「Barral Institute(バラルインスティテュート)」ではないかなと思います。「セッション1」の「解説10」で書きましたが、フランス人の「オステオパス(オステオパシーをする人)」である「Jean Pierre Barral」さんという方がいらっしゃって、「内臓」をはじめ、先ほどの「管」にもアプローチしていきます。これに関しても、正規のトレーニングを受けて、資格を認定されているわけではないので、あくまで「もどきの範囲」です。
(10)「身体に関わるもの」であれば、何にでもアプローチします。「筋膜を整えるんですか?」「骨を動かしてるんですか?」「筋肉をほぐしてるんですか?」などと聞かれることがありますが、「特定の組織のみ」を扱っているわけではありません。そう伝えた方が「わかりやすい」とは思うのですが、「人の身体は複雑で、精緻で、そして豊か」です。それを「なるべくそのまま」に捉えたいのです。そして、「自分のしたこと」が「適切な方向に向かっているかどうか」に関しては、「可動域」でチェックするようにしています。逆に言うと、「可動域に影響与えるもの」というのは、実に「多岐に渡る」ということです。それは「筋肉」かもしれないですし、「肝臓」かもしれないですし、「血管」かもしれません。
(11)10ですでに書きましたが、その「豊かさ(豊穣さ)」に気づいてもらえたらうれしいなと思います。何気なく、日々を「この身体で生きている」のですが、それがどれほど「複雑で、精緻なこと」なのか。「腰の痛みがなくなった」というのも、もちろんうれしい感想ですが、「身体って不思議でおもしろい」と感じてもらえると、「ロルフィングをしていてよかったな」と心から思います。


お問い合わせ先

Rolfing House festa|ロルフィングハウスフェスタ
https://www.rolfing-festa.com/

電話:090−2954−8207(大友)
メール:info@rolfing-festa.com

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