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採用広報は5W1Hで考える

採用広報とは、採用を目的として求職者に向けた広報活動のこと。

つまり、Indeedに求人募集を出したり、noteでブログを書いたり、新卒学生向けにInstagramを運用したり、就職フェアに出展したり…こういった活動はすべて採用広報となる。

理解はできたけど、採用広報って具体的にどうやって進めていけば良いか?
質問されることも多い。そこで、まずは採用広報の全体観を5W1Hでイメージしてもらう。

採用広報の5W1Hとは?

5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の英単語の頭文字を取ったフレームワーク。

When(いつ): 時間に関する情報
Where(どこで): 場所に関する情報
Who(だれが): 人に関する情報
What(何を): 行動や内容に関する情報
Why(なぜ): 理由に関する情報
How(どのように): 方法に関する情報

英語の授業を思い出した方も多いかもしれない。ただ、ビジネスの場面でも意外と重宝する。ということで、さっそく採用広報を5W1Hに落とし込んでみる。

採用広報の5W1Hの図

基本的には、Why→When→Who→What→Where→Howの順番で考えていくのがわかりやすい。それでは順番に詳しく見てみよう。

採用広報のWhy

採用広報のWhyとは、「なぜ募集するのか?」のこと。まずは経営理念や経営戦略、事業計画に関連した募集背景から考えていく。採用広報のWhyで考えるのは例えば、以下のようなもの

  •  パーパス

  •  MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)

  •  戦略(経営戦略、事業戦略)

  •  事業計画

  •  募集背景 etc.

広報のコンテンツをつくり始める前に、まずは自社理解を深めておくことでブレない軸ができる。逆に、ここがブレていると何の会社か、何を伝えたいのかよくわからない広報になってしまう。

採用広報のWhen

採用広報のWhenとは、「いつまでに採用するのか?」のこと。いわゆる要員計画や採用計画。いつまでに採用するかによって、目標やスケジュール、予算や媒体が変わる。採用広報のWhenでは以下のようなものを整理する。

  • 要員計画

  • 採用計画

  • 採用目標

  • 広報目標 etc.

いつまでに、という計画には具体的な期限と数字による目標も含めて考える。採用広報の目標をどう設定すれば良いか?悩まれている方は、ぜひこちらの記事も参考にしてほしい。

採用広報のWho

採用広報のWhoとは、「誰を採用するのか?」のこと。いわゆる採用ターゲットや求める人物像。どんな人を採用したいのか、自社の採用基準や求めるスキル・経験、具体的なペルソナ像などを考えてみても良いかもしれない。

具体的には、以下のようなものを整理しておく。

採用基準
応募資格
スキル・経験
ペルソナ etc.

当然のことながら、求める人物は全社に共通する部分もあれば、職種やポジションによって変わる部分もある。誰に向けて広報したいのか?を明確にしておくことで、何をどこで届けるかがイメージしやすくなる。

採用広報のWhat

採用広報のWhatとは、「何を訴求するのか?」のこと。自社の特徴や魅力、アピールポイントがこれにあたる。求職者や働く人にとってのメリットや価値、と考え以下のようなものを整理していく。

自社の魅力
採用コンセプト
EVP(Employee Value Proposition) etc.

自分たちは当たり前だと思っていることが、実はとても価値があることであるケースもあるので、色々な立場の人に協力してもらうと何を訴求すべきかが見えてくるかもしれない。

採用広報のWhere

採用広報のWhereとは、「どこに広報するのか?」のこと。ひとことで言うと、掲載先・運用先の媒体、メディア。Who(誰に?)で考えたターゲットがより多く見ている媒体を考える。たとえば、以下のようなものがある。

採用ホームページ
ブログ
SNS
ハローワーク
イベント
note
wantedly etc.

迷うときには、まず自社の採用ホームページ上での広報から始めるのがオススメ。また、どこで伝えるかと合わせて、文章、画像、動画、対面のどのような形式で伝えるべきか?も考えておくとスムーズとなる。

さらに、When(いつまでに)で立てたスケジュールに沿って、急ぎの場合には即効性のある求人広告の利用を考えたり、複数のメディアを並行して検討する必要もある。使いわけることで、目標達成に近づけていこう。

採用広報のHow

採用広報のHowとは、「どのように選考するのか?」のこと。採用広報では、必ずしも今スグに転職を考えている人だけが対象となるわけではない。そのため、通常の採用プロセスとは選考方法を変える必要があるかもしれない。以下のようなものを参考に、プロセスについて考えてみる。

カジュアル面談(オンライン/オフライン)
会社見学
体験入社
先輩訪問
インターン
副業勤務
会社説明会
ミートアップ
食事会/お茶会
会社行事への参加 etc.

見ていただいてわかる通り、必ずしも「選考」をおこなうものばかりではない。逆の立場で考えればわかりやすい。たとえば、SNSでたまたま見かけた会社に興味を持ったとして、いきなり応募しないよね?そんなときは、まず気軽にお話をしたり、会社見学に来てもらうような工夫も必要。

対応する側の手間は増えるけど、長期的に採用広報に取り組むことで今まで出会えなかったような方と会えるチャンスも生まれる。だから、社内の体制や候補者の声を参考に、プロセスを最適なものにしていきたい。

採用広報が大切な時代

採用広報を進めるとなると「けっこう面倒だな…」と感じる人も多い。しかし、今や採用においても広報は必要不可欠な時代。人的資本開示義務化、ISO30414取得、転職クチコミサイトのアクセスが過去最高更新…など。多くの求職者が求人企業の採用情報公開を求めている。

求職者には、実際に応募する会社・職場がどんな様子なのか入社するまでわからない。だからこそ、企業から積極的に情報を開示することが大切。

採用広報により自社の透明性を高めることで、自社の理解を深めてもらい、新しい求職者との接点を増やしていこう。それが結局は、企業と求職者のより良いマッチングにもつながっていく。遠回りのようで実は一番の近道。

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