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採用のKGIとKPIはこの29個を見ておけば良さそう

採用目標は会社ごとに色々あると思うけど、採用のKGIやKPIは設定されているしょうか?

KGIとKPIについて改めて確認すると

KGIとは

Key Goal Indicator の頭文字をとったもので「重要目標達成指標」と呼ばれる。企業や組織が何らかの目標を目指して活動する際に、その目標が達成できているかを測るための指標となります。採用においては、採用数などがわかりやすい指標。

KPIとは

Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので「重要業績評価指標」と呼ばれる。KPIは最終目標を達成するためのプロセスを評価するための指標となります。採用においては、応募数・内定承諾率などが代表的な指標。

「ウチの採用状況は良いの?」「ウチはなぜ採用できないの?」といった進捗や歩留まりを確認するためには、適切なKGI・KPIの設定が重要となるわけだ。

例えば、採用数10名を目標として掲げた場合、KGIを採用数10名と設定する。そして、10名の採用を達成するために、30名の応募が必要ならば応募数30名というのをKPIとする。その際に、同時に面接の選考通過率や内定辞退率などもKPIとして設定する必要が出てくるかもしれない。

ゴールであるKGIの下に、プロセスの進捗を測るKPIが複数連なるいくためツリー状の構造になっていくため、「KPIツリー」と呼ばれることもある。

企業さんによって様々なKPIを設定されているが、共通するものも多く、だいたいこの29個を見ておけば良いのでは?と思うようになった。

採用関連の主要KGI・KPI

採用KPIはこれを見ておけば良いのでは?の図

この図ではゴールを採用数にしている。

「いや、採用はゴールじゃなくてスタートでしょ!」

という考え方もあると思いますが、そのあたりもカバーする指標をおいている会社さんもあるので後ほどご紹介します。

応募数

応募数は採用目標を達成するために欠かすことができない最重要KPIとも言える指標。いわゆるエントリー数、採用サイトで言えばコンバージョン数(CV数)の事を指す。

応募数は多いほうが良いけれど、その中に求める候補者が何人いるのかという有効応募率など採用の質を測る指標も合わせて確認していく必要がある。

有効応募率

有効応募率は、応募数の中で自社が求める人物からの応募者の割合を測る数値。たとえ応募数が多くても、採用対象とならない人の割合が高ければ、採用目標を達成できる確率は下がってしまう。

有効応募率が高い場合には、自社の採用施策が正しいターゲットにアプローチできていることの裏付けにもなるため、採用活動の"質"を測る指標の一つであると言える。

応募完了率

応募完了率とは、狭義では採用サイトなどにおいて求人を閲覧した人の中で何人が実際に応募したかを測定した数値。見られているにも関わらず応募完了まで至る人の割合を見ることで、採用広報先の質や採用広報コンテンツの質を見極めることができる。

応募に踏み切れない不安要素があったり、応募しづらいようなフォームの設計や・選考プロセスになっていないかを確認してみましょう。

面接率

面接率とは応募数の中で、実際に面接することができた人の割合。面接を設定するということは当然自社が求める人物である「有効応募」の条件を満たす人であるのが前提となる。

その上で日程調整を行い面接を実施するためには、応募者と連絡をとり日程調整するといった応募後のオペレーション業務も関係してくるため、応募者対応を確認する上でも重要な数値である。

応募単価

応募単価は、採用活動のコストパフォーマンスをわかりやすく管理できるため多くの企業で用いられている。複数のメディアや集客手段を使っている場合には、どの方法が効率的に候補者を集められているかを比較することができる。

費用の計算は通常求人メディアの広告費を用いるけど、制作費などの外部費用や人事担当や面接官の人件費を含めるケースもあるようだ。

採用単価

採用単価は、自社の採用計画を実現するための費用を算出するには必要不可欠な指標である。経営者が事業計画を実現するための、全社的なKPIとして活用されるケースも多い。

一方で、採用数とコストの費用対効果しかわからないため、採用活動のプロセスのどこに課題があるのかを考えるためには不十分であり、どちらかというとKGIに近い指標と言えるかもしれない。

採用費については、こちらもぜひ参考にしていただけると幸いです。

採用率

採用率は採用プロセス全体の効率を示す指標として活用することができる。そのため、部署別や職種別、時期別に測定して比較することで、どこに課題があるかを類推することも可能だ。

ただし、実際に改善を行うためには更に詳しい中身を確認する必要があるので、現場の担当というよりも、主に人事や各部署の責任者クラスの方が見る指標だと言えるかもしれない。

歩留率

歩留率はプロセスごとの精度を確認するために活用する指標。

選考を通じて不採用者や辞退者は一定数出てしまうため、最終的な採用目標をクリアするために、各プロセスに何人の候補者がいれば良いか、という採用計画のシミュレーションを立てたり、各プロセスので適切なスクリーニングが掛けられているのかを歩留率をみながら見直していきましょう。

内定承諾率

内定承諾率を測定する意義としては、せっかく自社の求める適性・スキルを持つ人物に選考をうけてもらっても、最終的に入社に結びつかなければ目標が達成できないからである。

特に新卒採用においては2人に1人が辞退するとも言われているため、内定の出し方・内定後のフォローの仕方をいかに工夫するかが採用における重要なポイントになってくる。

平均選考期間

平均選考期間は職種や企業によって大きく変わる。アルバイトであれば1日というケースもあれば、中途採用だと2週間~4週間、新卒採用では数ヶ月に及ぶこともある。

選考期間が長くなると候補者にも負担が掛かるし、採用計画全体のスケジュールも大きく変わってくるので、必要かつ最短の日数で選考が行えるようなプロセスをつくっていくことが重要となる。

平均募集期間

平均募集期間は、「いつ新しい人が入ってくるのか」という現場サイドが大きな関心を持つであろう指標となる。

この期間が長いと、既存のスタッフに業務負荷が掛かってしまい社員満足度の低下につながったり、会社によっては売上の機会損失になってしまうこともありえる。経営層や事業責任者など事業計画の進捗を追う上でも見ておくことが必要な指標のひとつだ。

求人率

求人率は、募集する職種やポジションが多岐にわたる企業ではとても便利な指標。

求人中のポジションが多いということは、事業計画を実現するために必要な組織が完成していない状態であるということなので、採用課題だけではなく組織課題を確認するためにも見ておきたい指標のひとつ。採用だけではなく、人員配置や組織体制も同時に見直すための参考にしたい。

充足率

充足率は採用計画の進捗度合いを確認するための指標。一般的には店舗単位や部署単位で測り「あと何人必要か?」「より逼迫している部署はどこか?」といった採用の優先順位を決めるために活用することができる。

充足率を算出するためには、「本来必要な定員数は何人か?」という人員計画が正確にできていることが前提となる。

早期退職率

早期退職率は採用の"質"やマッチングの精度を測るための指標。入社したにも関わらず早期に退職してしまう人の割合が多い場合には、採用段階で何らかのミスマッチが発生している可能性があることが示唆される。

退職者の傾向や要因を確認し、そこで得られた情報を採用戦略や選考プロセスの改善にフィードバックして活用するのが一般的な使い方である。

採用成功率

採用成功率は、採用後の戦力化・活躍度を測定するための指標。実際に活用している企業はまだ少ないが、採用の質を確認するための参考になる。

もちろん、戦力化できるか?結果を残せるか?は採用だけでなく入社後の育成やマネジメントによるところも大きいため、課題が採用にあるのか、入社後の体制にあるのかを見極める必要がある。

就職クチコミサイト点数

就活や転職活動において、クチコミサイトやSNSでの評判を気にする候補者は年々増えている。

海外ではglassdoorを始めクチコミの点数が採用戦略に大きな影響力を持つようになっている。日本ではまだそこまで広く普及していないが、何も対策をしないでいると悪い評価ばかりが投稿されてしまうことにもなりかねないため、定期的に確認しておくことをオススメ。

多様性スコア

組織の多様性(ダイバーシティ)やインクルージョンを重視する傾向が高まりを見せているなか、自社の採用においてもKPIを設定して、戦略的に理想の組織をつくるための採用計画に反映させる動きが増えてきている。

様々な人材がそれぞれの働き方ができる環境や体制を整えることが、自社の採用力強化へとつながり、組織の強化・成長に貢献するという好循環が生まれる。

タレントプール数

タレントプールとは、必要な時に必要な人材とコンタクトを取れるようにプール(蓄積)しておく採用手法のひとつ。

過去の選考でタイミングが合わなかったり、その時にはポジションが空いていなかった人、辞退者や最終選考で不採用にした候補者と継続的に接点を持っておくことで、お互いの準備が整った時に入社してもらえる可能性があるため、導入企業が増えている。

また、いわゆるソフトセレクションで潜在的な転職者層にアプローチした後のフォローとして計測している企業さんも多い。

数字を掴むのは当たり前、心を掴むんだ

ここで紹介したKPI以外にも、様々な指標を設定しているケースがある。たとえば、ROASと呼ばれる採用者が入社後に生み出した価値÷採用コストのような数値を測定している人材サービスの企業もある。

しかし、あくまでデータを取得・管理するのは採用戦略に活かすためであり、必要以上にデータを集めすぎてしまうと、むしろ採用効率を下げてしまい課題が特定しづらくなってしまう。

ちなみに、個人的には、こちらの記事で書いたような、全てのKPIが100%になる世界がベストだと思っています。

数字を追いかけるのだけではなく、ひとりひとりの候補者の心を掴むような候補者体験を心がけていくことで、結果としてKPIの数字も改善していき、より良い採用につながるのではないでしょうか。


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