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ヨーロッパSAKE事情 ~ギリシャ編~

こんにちは。
株式会社小林順蔵商店の小林佑太朗です。
今回は、ヨーロッパSAKE事情~ギリシャ編~を語っていきたいと思います。

ギリシャの概要

ギリシャは、ヨーロッパの最東端(バルカン半島南端)に位置する共和制国家です。ギリシャに隣接する国々は、アルバニア北マケドニア共和国ブルガリアトルコであり、アジアおよびアフリカの交差点になるというヨーロッパにおいて戦略的立地に存在する国です。
首都はアテネ、公用語はギリシャ語です。ギリシャは元々ドラクマという通貨を使用していたのですが、2001年にEUに加盟したため共通通貨はユーロとなりました。

ギリシャの経済

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ギリシャといえば何を思い浮かべるでしょうか。
多くの人は、ハネムーンで一度は行きたいサントリーニ島ミコノス島などエーゲ海を望むバカンスの地を創造するのではないでしょうか。ご想像の通り、ギリシャの主要産業は観光産業で毎年多くの観光客がバカンスに訪れます
一方で、経済は不安定で失業率は20%を超えていたり、2010年のギリシャ破綻などが皆様の記憶に新しいのではないかと思います。一人当たりの名目GDPも2018年で52位とまだまだ高いとは言えない状況です。

ギリシャのアルコール全般に関して

ギリシャの人々は、もちろんビールやワインがメインのアルコールとなります。ギリシャにも実はいくつものワイナリーがあり非常に高品質なワインを製造しているのが現状です。

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ギリシャ特有のお酒としては、「ウゾ」というアニスというハーブを中心とした蒸留酒を皆さんよく飲まれます。ブランドによって多少違うにせよ、40度程度あるアルコールを食事中や食後に皆様楽しんでおります。40度というとエッと思われるかもしれませんが、アニスの成分のせいか甘口で意外と飲みやすいのです。「ウゾ」自体は無色透明なのですが、アニスの成分により水や氷を入れると白く濁ります。この変化もウゾの楽しいポイントとなります。

ギリシャのSAKE事情

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ギリシャにも日本酒は多くはないですが販売されています。ただ、そのほとんどが直接の輸入ではなく、中央ヨーロッパからの間接輸入で賄っているのが現状です。ブランドも、日本で見られるような地酒はほとんど見ることはできず、比較的安価な外国産の日本酒やナショナルブランドのものがメインとなっています。これは物価から見ても、そのくらいの価格でないとみんな手が出せないというのが現状でしょうか。
いくつかの日本酒を取り扱うショップを回りましたが、中には本当に日本産(日本の製造業者が作った)ものか怪しいものまで、日本酒として売られています。
日本人で小規模に日本酒の良さを発信されている方はいらっしゃるものの、まだまだ日本酒とはなんぞや、などを広める土壌はまだまだこれからというところの様です。

アテネにおける日本食レストラン

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一方で、日本食(風)レストランの数は近年増加してきており、そこで日本酒を提供しているのも事実です。現地系日本食レストランや焼き鳥レストランなども近年どんどんできていており、そこは連日大盛況の様です。この流れは、中央ヨーロッパと同じ流れであり、このままでいけば今後も徐々にですが増えていくのだと思います。

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中には多くの日本酒を取り扱っているレストランもありましたが、日本酒の提供は基本的にボトル売りで、トライアルでグラスのみはほとんど見受けられなかったです。
やはりまだまだ需要が少ないため、日本酒を提供する側からしたら仕方のないことだと思います。

アテネのアルコールイベントに潜入!

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たまたま滞在中にアテネで開催されるアルコール全般の試飲イベントに潜入することが出来ました。
大きな敷地のライブハウスのようなところでワインから蒸留酒、ビールやカクテルまであらゆるアルコールが一般の方に提供されておりました。その中の一つのブースで日本酒を発見しました。たぶん、海外から高級アルコールを輸入しているディストリビューターだと思いますが、「獺祭」を提供していました。大きなワインクーラーに獺祭を冷やしており、ワイングラスで試飲させて頂きました。
(意外にも?)状態は非常に良くて、飲んでいる人もちらほらいました。十中八九、欧州からの間接輸入だと思いますが、東欧への日本酒普及の種火を垣間見たようで非常に嬉しかったです。

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