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2024年の始まり 決意と覚悟

2024年1月
タトル明大前洋菓子店オーナーの亀太、
お久し振りにこちらに投稿いたします。

2020年の12月に明大前にてお店をオープンし、
試行錯誤しながらコロコロコロコロと転がるように日々を積み重ねてまいりました。
甲斐があって、たくさんのお客様が応援してくれる素敵なお店になってきております。
ありがたいことです。
そして多くのスタッフにも助けられてきました。
ほぼノープランで開業し不安定な羅針盤を持って大海原を揺蕩い続けたタトルが
いつの間にか法人化、そして3年たってもまだ存在し続けることができているのは
100%スタッフのおかげでございます。
ありがとうございます。

さて、ここで、
改めてタトル明大前洋菓子店がこの先、何を目指していくのか
書き出していこうと思います。
転がりすぎて初心もどこかに転がっていってしまった感があるので、
もう一度ここにぶすっとフラッグを立てましょう。そうしましょう。
タトルの旗、つまり経営理念を示すのです。

経営理念 明日もがんばろうと思えるお菓子

これです。タトルの原点はやはりこれなのです。
タトルのお菓子を食べた方が、
「ああ、美味しいな。ホッコリするな。
よし、明日もがんばりますか。」と思える、
そんな肩の力の抜けたお菓子を提供していく事がタトルの経営理念でございます。

こちらの理念は2020年にタトル発足直後からキーワードとしてあったので、知っている方が多いかもしれません。

イメージ的には行きつけの定食屋のおばちゃんが「行ってらっしゃい」
とそっと背中を押して送り出してくれている様なそんな温かみのあるお菓子です。


さぁ問題はこの理念をどう浸透させるかです。
わかりやすい指針を4つあげていきましょう。

経営指針1 素材を活かす、そしてムダにしない、お店も「明日をがんばる」為に

まずはこれですね。
やはり美味しいお菓子でなくては明日はがんばれません。そして美味しいお菓子は良い材料ありきです。
フランスで修行時代、毎日その素材の大切さを思い知らされました。

技術とかよりもまず良い素材が大事なんだと。
良い素材とは必ずしも値段が高いわけではなく、
必ずしもそれ単体で食べて美味しいものでもないのです。 
素材の持ってるポテンシャルを見極め、お菓子に落とし込む。たしかにこれは簡単じゃ無いですね。
素材は作る人次第で良くも悪くもなるので
そこを見極め、「明日もがんばれる成分」を見いだし、そしてお菓子に反映させていく。 
それがとっても大事なんです。
※明日も頑張れれる成分🟰あれ?なんか美味しいと感じる成分

そして次に、
そんな素材を無駄にしたく無いのです。
洗練されたピシッとそろったお菓子は
とにかく製造ロスが多くなるのです。
切り揃えたり、型で抜いたで切り端がたくさん出てしまうのです。 
その端っこ達はたまたま端にいたから除かれてしまうけど、もとは同じ素材だったのです。
悲しく無いですか。
端にいただけでゴミ箱に放り込まれ、もしくは良くて従業員の賄い、さらにはケーキクラム。
結局使いきれずゴミ箱行き。

端っこにいた素材は可哀想、従業員の栄養バランスは崩れる、原価は上がる、ゴミが増える、つまり地球の為にも良く無い。
そんなサイクルはお店自体が
明日も頑張れなくなると考え、
この指針を最初に上げさせております。

経営指針2 手間をかけず美味しく

マジか手間かけないんすか…?
と大抵の方は思います。
そうなんです、手間をかけてはいけないのです。

こちらとても大事な指針なのです。

不特定多数の人々に「明日もがんばろう」と思えるお菓子を提供する為には多くの時間が必要になってきます。

1秒1秒と確実に死に向かって生きている僕たち私たちは、作れるお菓子の量も限られています。
現実問題我々はいつ死ぬかわからないのです。 
そんな貴重で尊い時間を費やして、 
シュークリーム絞ったり、
タルトを焼いたり、
笑顔で接客したりと
タトルのスタッフの皆様は
「明日もがんばれるお菓子」を日々提供してくれております。

大袈裟ではなく、常に死と隣り合わせの中、我々は1秒たりとも無駄にする訳にはいかないのです。

この指針に関しては業態に限らずいろいろな考えがあると思います。
「手間をかけないお菓子なんかけしからん!」っていう方もいらっしゃるかもしれません。
手間をかけて付加価値を付けて利益も出す事も
確かに世間では常識でございます。
しかしそれはホントすみません。
タトルのお菓子は簡単で効率的で誰でも作れるお菓子を目指させていただきます。 

多くの「明日もがんばりたいチルドレン」に対応しなくてはならないのはもちろん、
変化の激しいこの世界にすぐに順応し
生き残っていく為には、
簡単で効率的な事が必須なのです。


さらに言えばスタッフに非効率な仕事で残業を常態化させて、
「ダメだ明日もがんばれねぇ…」
と思うわせる訳にはいかないのです。

この指針がこれからのお菓子屋さんのスタンダードになると信じてタトルは歩み続けます。

経営指針3 お店もスタッフも一緒に成長していこう
発足当初は「スタッフみんなで和気あいあい楽しいお菓子屋さんにするぞーヤッホー!」
みたいな幻想を抱いておりましたが、
亀太さんには初めからからそのスタンスで円滑にスタッフをまとめるコミュニケーション能力も、すべてを包み込む包容力も持ち合わせておりませんでした。
この3年でやっとわかりました。
いえいえ、これはネガティブから思考ではなく、ポジティブな気付きなのです。
お互い切磋琢磨し一緒に成長して楽しい職場をめざしていきましょうという考えに至りました。

一人一人が完璧な人間なんてどこにも存在しないと言う前提のうえ、うまくいかない事だらけの日々を乗り越えていきましょうよ。
人間的にも技術的にも道半ばの我々が 
補い合って少しでも高見を目指しましょうよ。
このタトルという場所を使って成長することを楽しみましょうよ。
そんな指針ですね。


人の幸せのためにお菓子を作っていますが、
時には意図せず人を不幸にしてしまったり、
理念から外れてしまう事もあります。
そんな時こそ、スタッフ同士で助け合い、
時には指摘し合い、
厳しい言葉をかけあう事もあるかもしれません。
ただそれが個人の成長、お店の成長につながるのかなと。
そしてその成長を求める姿勢の先に真に楽しい職場があるのだと。
スタッフもお菓子を作りながら「よーし明日もがんばるぞー」
と思えたら最高ですね。

経営指針4 人情みのある接客
理念にある「明日もがんばろう」と思ってもらうには、
接客がとても大切になります。
心無い接し方一つでお客様は明日もがんばれなくなります。

お客様をお迎えし、
お客様のご要望に寄り添い、
お客様をお見送りする。

そんな複雑なことではありませんが、この3つを丁寧に、そして人情みを忘れずにできたら、もう100点満点です。

例えばお客様をお迎えするとき心の中で
「ああ、明日もがんばる為にいらしてくれたんですね」
なんてつぶやき。

選んでいるときは
「どのお菓子で明日をがんばるんでしょうか、
なるほどそのチョイスは素敵ですね」とか

お見送りするときは
「どうぞ明日もがんばってくださいね、お互い明日もがんばりましょう」
なんて思う様にしましょう。

実際言っても良いですが、難易度が高いので、
心の中に留めて接客出来たら、
それだけで十分伝わるのかなと思います。

さて2024年の幕開け。
世の中ではいつ終わるかわからない紛争が続き、
大きな震災や事故が起こり、
想像を絶する大変な事態となっております。
そんな中、僕達にできることは、
とにかく美味しいお菓子を作り、
手の届く範囲から「明日もがんばろう」を広げていけたらと。
そしてそのお菓子は東京を飛び出し、全国、そして世界へと目指していきます。

そんな決意と覚悟が強まる2024年です。
引き続きよろしくお願いいたします!

亀太

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