育成。
これまで約18年
サッカーの指導者を
現場の最前線でさせてもらってきた事
その中で見えてきた様々な 酸いも甘いも このブログを通して
少しでも伝えていければと思います
あと2年ぐらいでサッカーの指導者、最前線での関わりは
一旦 距離をとろうと思っています
(GINGAのフィロソフィーに沿って、共にこの人なら人間形成も含めて育成を任せられると思う後任がちゃんと見つかったタイミングで)
自分が動ける限り、
一番近くで育成に関わると決めていたのですが
ある一つのきっかけが、
自分の考えを大きく変えました
18年間のうちの一つのエピソードです
*もちろん、現在のGINGAでの話ではなく過去18年間の中(これまで設立したクラブ・関わったクラブも含めた中)での話です
ある日のTM
加入後はじめてのトレーニングマッチで
同年代の試合もまだ経験していなかった選手を
2つ上のカテゴリーの試合に
スタメン起用した際のことです
自分の感覚で
この選手はすぐに上のカテゴリーで競わせて、揉まれた方が成長できると
思った瞬間に、はじめてのTMだとか
加入してまだ1日だとか関係なく
2つ上で試合に出してしまう事があり
様々な見解があることは重々承知しているのですが
その日は、その選手に覚悟を持ってこのクラブでプレーしていってくれ という思いと
2つ上のカテゴリーの選手たちに現状を変えなければ、下からのプレッシャーは増してくるとメッセージを込めたつもりでした
結果的にはその日のTMのファーストゴールをその選手が奪い、その勢いでTMが進んでいく流れを作り出してくれました
ただ、このゴールの瞬間に
正直、自分は指導者を辞めたいと思う出来事がありました
そのゴールが決まった瞬間、喜びと驚きで選手たちが集まる奥に
一人のお父さんが大きく下を向き
その会場で一人だけ、そのゴールに目を塞いでいたのです
様々な感情が入り乱ったり、
何か思う事は仕方ないと思います
ただ、こどもたちが全力でサッカーをする場所で
それを表に出すような事はあってほしくなかった
その瞬間の表情、下を向いていく顔がスローモーションで
今でも自分の中に残っていて、たまに夢にも出てきてしまうぐらいショックでした
18年間、指導者をしてきて一番 残念なゴールの瞬間となってしまいました
このお父さんを全て否定するつもりもないですし、
その表情
俯いていた事がどんな意味を持つのか
本当の真意はわかりません
ただ、自分の中では
なんとなくその意味を感じとってしまいました
同じチームの一員、もちろんライバルになっていく
同じエンブレムをつけていく選手のゴールに対して、非常に残念な姿でした
指導者を辞めたくなったと言いましたが、
自分は指導者で何をしているんだろうと ふと、思ってしまったのです
選手を育てていく事が我々のミッションですが、
価値観・考え方への共感
育成をしていく中での選手たちにはもちろんですが、親御さんへも
大切にしていることを
理解していただき、共感してもらわなければ
素晴らしい選手は育たないと
サッカーの指導だけしているのでは、ダメなのではないかと思ったのです
様々なご家庭があって、様々な考えをされている方がいて
現代の多様性という広いバックグラウンドがあることはわかっているのですが、
どうしても 育成をしていく中での本質的な部分を置き去りにして
様々な価値や考えを受け入れることは
今の自分には難しいと思っています
こどもたちに伝えている大切なことを、親子で一緒になり
考え・共感してもらえるような環境を作っていくことが
これからの自分にとって課せられた使命だと、思っています
千葉県優勝したとか、関東大会に出たとか、バーモンドカップ全国準優勝だとか
J下部に選手を輩出したとか
ナショナルトレセンの選手が出てきている事が一番大切なのではなくて
それ以上に価値のある 心のもっと深く奥 選手の成長を一番大切にして
『サッカーを通して、人生が豊かになる環境』を作っていきたいと強く考えています
GINGAはもちろん、
次年度から少しずつ始まるクラブや
現在、様々な方にご協力頂いているGrow-upの活動などを通して、たくさんのアプローチから伝えていきたいと思います
現在、私には2人の息子がおり
一人は20歳、一人は高校生で今もサッカーを頑張っています
自分の活動が土日メインですので
十数年、殆ど息子のサッカーを見にいったことはありません
ただ、家に帰ればサッカーの話はしますし
家族で応援しているサッカーチームの試合も欠かさずに一緒に観ます
ライフスタイルの中に、常にサッカーがある
私からサッカーの練習をやりなさいなど、
話をしたこともなく
それでもサッカーが好きで、上手くなりたいと頑張っているように見えます
年を重ねるほど、
サッカーが好きになっているのではないかと
思います
最近は息子のサッカー友達と一緒に焼肉に行ってサッカーの話や、たわいもない話をしたり、一緒にスーパー銭湯に行って将来の夢を聞かせてもらったり
そんなサッカーを通じて得た仲間や経験
その仲間と息子とサッカーの話や将来の夢を一緒に聞けることで十分
サッカーで人生を豊かにしてもらっています
今週末はGINGAのお父さんたちと一緒に親睦を深めるイベントもありますので
とても楽しみです
サッカーで人生を豊かにする、ゴールのない道を
これから切り拓いていきたいと思います
おおつか ゆたか