見出し画像

長崎は今日も雨だった:和華蘭食べ歩き編

長崎、そこは出島に象徴される日本のゲートウェイ to ザ・ワールド。文明の交わる地域には独特の食文化が育ちますよね、ベトナムとかトルコとか。そんなわけで今回食べ歩いた長崎の和(日本)、華(中国)、蘭(オランダなど西洋)ミクスチャーグルメを振り返りましょう
※参考:ながさき和・華・蘭(わからん)グルメって、なぁに?(長崎市)

到着初日、空港からエアポートリムジンに乗って市街地に着いたのは21時ころでした。チェックイン前にさっと晩ごはん食べるなら、ちゃんぽんでしょ。ということで新地中華街に来たものの、多くの店はすでに閉店していて街並みが暗いよ‥‥

横浜中華街も夜が早かったよね。中華な人は早寝早起きなのかしら…

少し歩くうちに『老李 長崎中華街総本店』の明かりを見つけ、ラストオーダー21:30前に滑り込みました。とりあえずビールを頼むと出てきたお通しは、ブリの刺身にクリスピーな揚げがまぶされ甘辛いタレがかかった無国籍ぶり。しかしこれがうまい!海に囲まれた土地は魚のレベルが高いね

薬味にわさびと生姜の両方つくところも、芸が細かい

次に名物の水餃子(ノーマル+とうもろこし味)と、当店のシグニチャー『元祖 生からすみちゃんぽん』をいただきます。鶏ガラ100%のクリーミースープに、生からすみをちょっとずつ溶かしながら食べる。するとどうしたことでしょう、ちゃんぽん全体が珍味と化して紹興酒が飲みたくなる!この発想はなかったわー

魚介と野菜が具沢山・麺も沢山で腹パン必至

一夜明けて大浦天主堂やグラバー園を散策していると、瀟洒な休憩処『自由亭』が目に入りました。ちょっと歩き疲れたので、お茶でもしていきましょうか

店の隣は「西洋料理発祥の碑」と日本初の西洋料理マスター草野丈吉像

オランダ系長崎食といえばカステラということで、ダッチコーヒー(水出しアイスコーヒー)とのセットをいただきます。底の薄紙をはがした痕のザラメがうまいんだよね〜 滞在中+お土産で何度か食べたけど、カステラも作り手によっていろんな味があるんだな。ここのはわりとあっさりしてたけど、しっとり濃厚系のやつもうまいよね

水出しコーヒーは一滴ずつ抽出するんで、丸1日かけて翌日分を用意するのよ

夜は和華蘭を代表する卓袱料理を食べに『浜勝』さんに行く。経営はリンガーハットだけど、公式サイトのドメインが「sippoku.jp」で気合入ってます。
卓袱はテーブルいっぱいに料理が広がる豪華な料理ですが、中高年的に食べきれない自信満々なので、略式の一人分コースを頼みました。略式といってもお鰭(出汁のきいたお椀)からはじまって豆の蜜煮/刺身/酢の物/揚げ物/口取り盛り合わせ/豚の角煮/御飯/香物/デザート/梅椀が付くので、量的には十分です。最後の梅椀はお汁粉みたいなものだけど、液状化した砂糖を飲んでるみたいな強烈な甘さで、目が覚めましたw

鯨の酢の物が珍しかったけど、やっぱ刺身がうまいわー

そういえば博多の刺身醤油も甘かったよな。九州の甘味文化について大浦天主堂のボランティアさんに聞いたところ、『砂糖はもともと海外から来る貿易船のバラスト(船を安定させる重り)として、長崎に入ってきました。日本の物資を積んだら役割を終えて市場に出回ったんですね。南国は暑さで食品がいたみやすいので、砂糖の防腐効果も重宝されたと思います』と教えてくれた。そのあたり興味ある方はこちらをどうぞ
※参考:砂糖文化を広めた長崎街道(日本遺産 ポータルサイト)

締めは定番の角煮とご飯

翌日は朝から雨が降るなか長崎歴史文化博物館を愉快に探索して、徒歩で飲食店が集積する思案橋方面に向かいました。ランチのお目当ては、九州最古の喫茶店と言われる『ツル茶ん』です。ここで長崎B級グルメの代表選手、トルコライスをいただきます!

「昔懐かしトルコライス」1580円(ちょい観光価格かな〜)

トルコライスは、発祥国が異なるピラフ・スパゲティ・とんかつをワンプレートに盛り合わせた“大人の多国籍お子様ランチ”。ここではとんかつにカレーソースがかかってサーブされます。コシのないナポリタンで昭和ムードが盛り上がる!
食後はもう一つの長崎名物、ミルクセーキ(ハーフサイズ)もいただいちゃいましょう。長崎のミルクセーキは飲み物ではなく、ミルクと卵で作るかき氷です(関係ないけど、沖縄の「ぜんざい」もかき氷ですよね)。こちら素材的に当然うまいんですが、12月の雨の日より夏に食べるのをオススメします 🥶

レトロなカスタードプリンが、また昭和濃度高めでうまいんだな

全般的に魚のレベルが高い長崎なので、最後の晩めしはちょいと奮発して茂木の料亭『二見』さんに出かけました。市街地からタクシーで15分少々、真っ暗な海沿いのクネクネ道を辿った先に、店の明かりが見えてきます
広い畳敷の部屋に通されて壱岐焼酎のお湯割りを飲んでいると、まだ触覚が動いている伊勢海老の生作りと鯛の刺盛りがドカンと出てきました

生きてる伊勢海老!なんか申し訳ないけどぷりっぷりでうまい

この後にイカ刺やら鯛のあら炊きやら海老&野菜天ぷらが続き、メインの浜焼(鯛姿焼とサザエ、卵、ピーナッツの盛り合わせ)へとなだれ込みます
これ塩竈焼きみたいな作りだと思うんだけど、サザエはいいとして、何故に卵やピーナツが入るのか?わからないながらも鯛はうまいし、南京豆は恰好のつまみだし、うっすら磯の香りがするゆで(焼き?)玉子も珍味なので、海辺のカフカ的インパクトがある一皿でした

元千葉県民としては、ちょっとうれしかった殻付きピーナッツ

最後に番外編として書いておきたいのが、宿泊先であるドーミーインのご飯です。部屋の作りはビジネスホテル的合理性以外何もないので素泊まり予約したんだけど、チェックイン時に前に並んだ出張サラリーマン二人組の会話(“お前ここに来たら絶対朝メシ付けた方がいいよ。なんなら昼は食べなくていいから、朝はここで食べたほうがいいって“)が耳に入り、朝食バイキングに寄ってみました

魅惑のツートップ、鯵丼と皿うどん

ドーミーインはチェーン店ですが、地方ごとに独自メニューを設定しているらしく、ここ長崎では鯵丼と皿うどんがフィーチャーされていました。皿うどんはバイキングに最適化したミニサイズながら、牡蠣が入るなど魚介の具が充実。そして鯵丼は地元産アジの漬けと明太子や薬味をご飯にのせ、そのまま掻っ込んでよし、脇に用意された出汁を注いで鯵茶漬けにしてさらによし!朝食バイキングによくある“オーダーしてから焼くオムレツ”なんかも、バターが効いてうまいです。夜は夜で夜鳴きそば(素ラーメン)が無料提供されるので、つい寄っちゃいますよね〜

薬味とメンマが付くのが嬉しい

他にも桃太呂の長崎ぶたまんとかブレッドアーエスプレッソのハード系パンなんかもうまかったし、今回行けなかった佐世保のバーガーや五島列島のワイナリーなんかも興味あるので、リピートするしかないですね。和華蘭グルメ、まだまだわからん…

※「長崎街歩き編」もぜひ〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?