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本気の試合、本当の成長


中学年代クラブの最高峰を決める、
U15クラブユース選手権北海道大会。


HKD FOOTBALL CLUB U-15の挑戦は
5回戦敗退、ベスト16の結果に終わりました。

全国大会出場を目指していただけに
目標達成とはなりませんでしたが、
本気で目指したからこそ
得られたものがありました。

負けてしまった5回戦の相手は、
全国大会出場に向けて
大きな鬼門となる相手でした。

北海道のリーグ戦をFIFAランク形式で例えると、
相手は毎年道内TOP3に入るレベルの強豪。
我々は現状20番目以降といったところでしょうか。

歴史、環境、集まる選手の質、
我々にはまだ届かない領域にあるチームとの対戦。

前回のW杯の決勝トーナメントで、
モロッコ代表がスペイン代表に
勝利した時くらいのサプライズ、
ミラクルが必要になる試合だったと思います。

それくらい素晴らしい相手に、
クラブとしても最大のチャレンジでした。



しかし、我々にもプライドがあります。
試合前には相手へのリスペクトを
忘れなければいけません。

背中を押してくれる
他カテゴリーの選手達に応援を依頼し、
最高の舞台を整えました。




試合は、立ち上がりからこちらに勢いがあり、
相手ゴール付近まで何度も迫りますが
チャンスをモノにできませんでした。


相手も技術の高さを生かしたポゼッションで
少しずつボールを握り押し込んできますが、
決定的なピンチは作らせずに凌ぎ続けました。

内容を見ても互角。
むしろそれ以上のものがあったかもしれません。

今大会は初戦から4試合を戦い320分で失点は0。

この試合も固い守備を貫きながら、
80分では決着がつかずPK戦へ。

相手が決めたら勝利という
危機的状況でGKがビックセーブ。


サドンデスへ突入しますが後攻の我々が失敗。

8人目まで続くPK戦でしたが、
無念の敗戦となりました。


多くのチャンスを作りながら最後の力が足りず。
PK戦でも流れが来たと思われましたが
仕留められず。

非常に悔しい試合となりました。


あと一歩が足りなかったと思いますが、
あと一歩と思っている時点で
勝つことは難しかったんだと思います。

もっと圧倒的な「やり切る力」が必要でした。


もちろん選手達が
1番悔しい思いをしたと思いますが、
自分は監督としてこの敗戦に悔いはありません。

本当に全てを出し切ったと思うからです。

勝利の分かれ目は何だったのかなんて、
探すような試合ではないと今回は思います。

どちらが勝ってもおかしくない、
どちらも勝利に相応しい、
それくらい素晴らしい試合でした。




思い返すと彼らとの付き合いは、
長い選手で小学4年生から。

外部チームに所属していても
HKDのスクールに通ってくれていた
選手も多数いる、そんな中学3年生達です。

中学に上がる際には、まだ地区カブスリーグでも
まともに勝てない無名のHKDを選んでくれて、
歴史を自分達で作ろうと入団してくれました。
もちろんセレクションもありません。

何人か辞めてしまった仲間もいますが、
強い思いで巡り合った仲間達と
最高の景色を見たかったと、心から思います。


そして驚くべきは、
小学時代にベンチだった選手が
中3になり不動のレギュラーとして活躍したこと。

この事実は、
U12〜U15で繋いだ1つの育成の成功例と
言えるかもしれません。

そして小学時代にはトレセンにも
選ばれなかった選手達が、
今では北海道中から
注目される選手達へと成長していました。


そんな夢と希望とロマンをこの日に詰め込んで、
後輩達も見守る中、勝利してもおかしくない
立派な試合を見せてくれました。

彼らには本当に感謝しかないし、
試合を現地で見ていた後輩達にも
勇気を与えたことは間違いないでしょう。





小学生時代から知っている彼らが中3になり、
この試合を経験してわかったことがあります。



それは、

置かれた場所で咲くこと

です。


自分がうまくいかない時。
チームが負け続けている時。
不平等だと思う時。
理不尽だと思う時。
ムカつくなと思う時。

サッカーをやっていれば
たくさんあると思います。

実際に彼らも何度も
そのような壁にぶつかっていましたが、
このクラブで成長し続けてきました。

彼らは自分が置かれた環境で120%の努力をし、
試合に出られない日も
トレセンに落ちた日も
指導者に不満を持つ時期も
仲間に不満を持つ時期も
チームが勝てない時期も
歯を食いしばって続けてきました。

数日、数ヶ月の話ではなく、
数年単位の話です。

まずは、それほどの覚悟根性があるかどうか、
あなたも自問自答してみてください。

実際に彼らはサッカーを通じて成長し、
あらゆる逆転劇を起こし、今ここにいます。

あと一歩で道内屈指の集団に
勝つかもしれなかったのだから。

自分が置かれた場所で努力し続ければ
必ず花が咲くことを
数年掛かりで教えてくれました。


そして今後もこのクラブから
そのような選手は生まれ続け、
この日のような熱い試合ができる日が来ると、
私は信じています。

この試合を見て心が動いた後輩達は、
必ず花を咲かせるでしょう。



そして最後になりますが
今回、素晴らしい応援で最高の雰囲気を
作ってくれたHKD応援隊の選手達、
本当にありがとう。

サッカーは観ている人に
感動を与えるスポーツです。

プレーする選手はもちろん、
応援してくれる保護者、チームOB、関係者、
全ての人が楽しめて感動を得られる
サッカーをすることも、
私たちが大切にしていることです。

あれほど真っ赤に染まったスタンドを
中学年代で見たことはありません。

試合内容と雰囲気を含め、
多くの人々の心を動かす試合が
できたと思います。

これぞサッカー、
エンターテイメントのスポーツです。

今後は次の目標に向けて歩き出すとともに
このクラブのサッカーでたくさんの人を
笑顔にし、感動を与えていきます。

今大会を戦うにあたり、
応援していただいた全ての皆さまに感謝します。

ありがとうございました。

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