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子ども本来の姿


HKDスポーツアカデミーでは、
サッカースクールを展開しています。

このスクールは
HKDのクラブに所属している選手以外にも
入会することができます。

僕が受け持たせていただいている
【2023 本校スクール Jugadorコース】
ありがたいことに25名(小学4年生〜6年生)の
定員(最大18名)を大幅に上回る
選手達が来てくれています。

※現在は選手を募集しておりません。
 キャンセル待ちとなります。


当スクールでは、サッカーの個人技術、
個人戦術、グループ戦術に特化した
サッカーで使える実践的な内容を
月ごとのテーマに設定して実施。


ちなみに6月は【スペースを作る・使う】という
比較的難しいグループ戦術。


今回はトレーニングに関する内容ではなく、
毎回のトレーニングの最後に行う、

ゲーム(試合)

に関することを書いていきます。

当スクールのゲームでは、
その日のトレーニングテーマに沿った
アドバイスや指導をすることはなく、
比較的自由に試合を行います。



【ゲーム】


いつもトレーニングの最後に行われる
2面展開のゲーム。

勝てばゴール付きのコート、
負ければコーンゴールのコートへ。

1試合の制限時間は3分。
引き分けの場合はジャンケンで決着。


僕はゲームの時間は
特に何も指示を出しません。

選手のプレーを見ながら
素直に褒めたり、リアクションをしたり、
時には笑ったり、それだけです。


なぜなら選手の〝本能〟を引き出したいから。





このゲームでは、

普段静かな子が喋る。
勝つためにGKの順番を工夫する。
少しズルをして勝とうとする。
無口だが闘志剥き出しのヤツがいる。
判定1つに猛アピールする。
笛と同時にキックオフシュートを狙いまくる。
少し自己中にプレーする。
ヘラヘラしながら楽しそうにプレーする。
ゴール後は全力で雄叫びを上げる。
勝っていたら時間を稼ぐ。
こっそりユニホームを引っ張る。
全力の中で駆け引きをする。
負けた後は膝から崩れ落ちる。
ガチギレしているヤツもいる。
負けた相手を煽る勝者もいる。


みたいなカオスな光景を目にする。


勝ちたい気持ちが強すぎて、0-1で負けたのに
「あのゴールは入っていなかった!」と
無茶苦茶な言いがかりをつけて
引き分けに持ち込もうとするヤツもいる。笑


でも、僕は特に何も言わず見ている。


一般的に教育上は良くないかもしれないけど、
この光景が僕はいつも素晴らしいと感じている。



なぜならこれがサッカーであり、
子ども本来の姿だから。


それを全力で出せる時間、場所。
それが【ゲーム】だ。


サッカーが習い事として増えてきている現代、
選手が機械的にサッカーをやっていないだろうか?

子どもは本来、楽しいことが大好きで
ふざけたことが大好きで、
全力でやることが大好きな生き物だ。


それを素直に普段から表現できているだろうか?
またはそのような環境があるだろうか?


子どもが本当にやりたいことや
子どもが本来持っている、ワンパクな姿を
僕は【ゲーム】という時間で引き出したい。

もちろんチーム活動でも、ほとんどの時間を
そのように過ごすことは難しい。


だからこそ、スクールのゲームだけでも
そんな時間を子ども達にはプレゼントしたい。


ましてやチームではなくスクールなので、
違うチームや学年の選手とプレーするだけでも
普段と違う刺激だろう。

その中で人見知りの子もいれば、
リーダーシップを取れる子もいたり個性は様々。

学年の差もあるため、レベルの差も当然ある。


そして運命的にその日集った
チームのメンバーが
〝勝利〟のために1つになる。

ゲームでは試合開始の笛と共に
選手の活気ある声が響き渡る。

時にはアシスタントコーチも入って本気でやる。




思い返すと、
僕も小学生の頃は公園で自由にサッカーをしたり
休み時間には友達と本気のゲームをしてきた。

間違いなく、その時間が
サッカーを上達させた要因の一つである。

自分達でチームを作ってルールを作り、
自分達だけでプレーする。

先生や親などの大人には縛られない。


その代わり毎日喧嘩になって泣くヤツがいた。

でもそんなふうに色々な経験をして
物事や人の気持ちを理解していった。

ただ、現代はボールの蹴れる公園が減ったり
何かと大人がルールを決めて
大人が過度に子どもを守ることも増え、
子ども本来の姿がなくなってはいないだろうか。


子どもはたくさん失敗をして、
人を傷つけて、その度に痛みを知って、
ズルをしたら自分が損をして、
ルールを覚えて大人に近づいていく。

サッカーはそれを助けてくれるスポーツ。

「サッカーは子どもを大人にする」とは
まさにこのことだ。





しかし、僕もサッカー指導者としては
普段から何でもかんでも自由に
プレーしてもいいと、
子どもに伝えているわけではない。



ただ、どこかでその時間(自由にやること)を
作るようにはしたいと思っている。


ただでさえ、
縛りが多い現代を生きている子どもは
息苦しさも少なからず感じているはずだ。

僕の普段のトレーニングにも
息苦しさを感じられている可能性だってある。


なので、僕はスクールのゲームの時間だけでも
子どもらしさをMAXで引き出すようにしている。

ほんの数十分だけで、
大した貢献ができているかはわからないが、
僕は子どものあの姿が素晴らしいと感じる。


ぜひ、皆さんにも一度見てほしい。

見ている人も笑顔になり、真剣になるほど
子どもの生き様に惹きつけられる時間。


まさに、子どもが大人になるにあたって
社会に出た時に起こりうる様々な縮図が、
サッカーのゲームにはたくさん詰まっている。



今回はHKDサッカースクールのゲームから
学んだことを書いてみました。


僕を含めて大人の皆さんは、
サッカーに限らず、運動や日常生活の中で
子どもの本能を引き出し、
様々な感情を素直に経験させ、
子どもの健全なる心身の成長を
一緒にサポートしていきましょう。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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