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ドラッカーの『経営者の条件』読んで自分が何に時間を使っているか可視化した話

最近TWICEやNizi projectの選考過程をYoutubeでみまくっています.本当にJ.Y.Parkさんの言葉が素晴らしく毎回眼がうるっとしてしまいますね...

はじめに

さて,皆さんは自分が仕事をしているときに何にどれくらいの時間を割いているのか,確認したことがありますか?

P.ドラッカーの『経営者の条件』という本に,「汝の時間を知れ」という章があります.

この本は経営者のためだけの本ではなく普通の働く人たちのための本だと明確に述べられています.曰く「上司に命じられたこと以上の仕事をする人は全てエグゼクティブである」とのこと.現代の多くの人にとって働き方として参考になる部分が多いと思います.

第一章で「成果をあげる能力は修得できる」と述べられたあと,第二章に「汝の時間を知れ」という章題でタイムマネジメントについて書かれていて,それだけ時間が重要だと考えているのが読み取れます.

「汝の時間を知れ」は以下のように始まります.

通常,仕事についての助言は「計画せよ」から始まる.もっともらしく思えるが,問題はそれではうまくいかないところにある.計画は紙の上で消える.よき意図の表明に終わる.実行されることは稀である.

私の観察では,成果を上げるものは仕事からスタートしない.時間からスタートする.計画からもスタートしない.時間が何に取られているかを明らかにすることからスタートする.次に時間を管理すべく,時間に対する非生産的な要求を退ける.そして最後にそうして得られた自由になる時間を大きくまとめる.

したがって,時間を記録する,整理する,まとめるの三段階にわたるプロセスが,成果をあげるための時間管理の基本となる.
(P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用)

成果の限界を規定するものは最も欠乏した資源であり,それが時間である
のでまずは実態を把握せよ,という趣旨でしょうか.

実際のところ,僕もプロダクトを管理する立場として「普段ミーティングに何割を割いているか?」という質問に即答ができませんでした.2割なのか?3割か?4割なのか?

というわけで,実際に自分が仕事で何にどれくらいの時間を割いているのか簡単な方法で記録したのでその方法をお伝えしたいと思います.

実際に記録したやり方

まずExcel(僕の場合はGoogle Sheets)を用意して,普段自分がやっているタスクを適当に分類して並べます

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分類は最初から厳密すぎずに,仮決めして運用する中で改良するのがよいです.分類が曖昧になりそうなものはセルコメントなどでカテゴリーの定義をささっとメモしておくと良いです.一応「不明」を入れておくと良いかも知れません

各カテゴリーに適当にアルファベットを割り当てておきます.これは記録するときにタイピング量をなるべく減らすためです.

次に,1日の勤務時間を5分刻みに分けて用意しておきます.こんな感じです.各セルにはアルファベット1文字が入る横幅があれば十分なので縮めておきます.

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あとは,それぞれの5分をカテゴライズした仕事の中で何をしていたのか,記入していくだけです.

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大事なのは,こまめに記録することです.1日の終わりに振り返って記録しようと思っても,記憶に頼ることになるため,記録がカイロス時間に寄ってしまって正確さが下がってしまいます.

なので,Google Sheetsを使っていた私はブラウザにピン留めして常にすぐにタブを開けるようにしていました.

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なお,付言しておくと”めちゃくちゃ丁寧に記録する”必要はないです.ポイントは,作業を開始するときになるべく記録する(その時刻まで直前の動作をやっていたと記録する)ことを意識すれば大丈夫です.記録する行為にはほとんど時間を費やしていないです(1日でトータル5分も使っていない).

これを1ヶ月くらい続けます.最初は忘れがちですがだんだん習慣が着くと思います.

ポイントまとめ

- エクセルを用意する
- 仕事の種別をざっくり書き出す
- カテゴリーには「不明」を入れておく
- アルファベットを振っておく
- 5分単位にセルを分けて用意する
- エクセルはすぐ開けるようにしておく
- こまめに記録する

記録方法や頻度について本で書かれていること

記録した結果はこの次に参考として掲載しますが,その前にドラッカーが著書の中で時間の記録について述べていることを転記しておきます.

時間の記録の方法については気にする必要はない.自ら記録する人がいる.秘書に記録してもらう人もいる.大切なのは記録することである.記憶によってあとで記録するのではなく,リアルタイムに記録することである.

時間の記録をとり,その結果を毎月みていかなければならない.最低でも年二回ほど,三,四週間記録をとる必要がある.
(P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用)

私が上で実践したのは,この内容にそってやってみた,というものです.

記録した結果

これは純粋に「結果どうなんだよ」という興味に答えるものですが,1ヶ月記録した結果はこんな感じでした.ちなみに私はプロダクトマネージャーに近い仕事をしているので,私の仕事の目的は「プロダクトの成果の最大化」です.

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*勉強と休憩時間はノイズなので除きました

所感としては

- MTGが4分の1を占めており予想より大きかった.スクラム(ソフトウェア開発手法)では20%をコーディング以外に充てる目安があるので大きな問題ではないかも知れないが,これ以上増やしづらい.
- コミュニケーション(会話・MTG)に多くの時間を割いている印象があったが4割もの時間を割いており,これ以上は増やしづらいかも.進行方法で効率よくできる印象がある
- コーディングから意識的に離れようとした1ヶ月だったのでコーディング関連タスクは10%未満に抑えられていて行動を実践できた
- 問合せの対応は自分が思ってたより時間を使っていなかった.記憶ベース(カイロス時間)では5%以上費やしている感覚だったので,このタスクの心理的負担が大きいのだろう
- 「作業」としたタスクが結構あれこれ含んでしまったので次はカテゴライズを改良したい

などです!多分みなさんも記録してみると色んな発見があると思います!!

終わりに

冒頭の引用部分でも述べているように,時間を記録するのは管理(非生産的な部分を見つけ,退ける)して自由時間をまとめて用意することにありますが,その点の実戦はまた今後やっていきたいと思います.

ですが,社会人6年目になって初めてファクトベースで自分が何に時間を費やしているのか知れたということは結構大きい発見であり,次は少しカテゴライズを改良して「コンセプトや計画,課題設定などを考える・まとめる創造的な仕事」という部分にどれだけ時間を使っているか記録したいと思っています.その後「生産性を上げないものは何か」など管理できるようにして行こうと思います.

最後まで読んでいただきありがとうございました.もし役に立つことがあれば,ぜひいいね押して頂けると嬉しいです.

余談ですが,最初はMacのScreenTimeで測定しようとしたのですが,使っていなくても開いていると使用中扱いになっているのか全然期待した結果が得られず,諦めました.



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