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縁と陰陽の関係


1.人間関係と縁

 人間関係が最も円滑に進むのは二番目に太い縁の人達であることが多く、家族や親友など一生で数人程度出会う。彼らとは意気投合して善のエネルギーを与え合う。心の相性がよく、穏やかで温かな関係が続く。
 一番太い縁の人は通常1人存在するが、お互いの霊性が進化していないと交流はおろか、一生のうちで出会うこと自体が難しい。40代以降に引き合う場合も珍しくなく、中には80代前半まで独身で自営業に専念し、10歳ほど年下の男性と巡り会った女性もいる。
 そのお二人とは知り合いで、品格があり、ともに実年齢よりも10歳20歳若く見える。互いに投げかけ合う愛と喜びの波動が伝わり、気高さと美しさに感激の思いが沸き起こったことがあった。
 ひとたびそのような人と出会うと、初めて会ったにも関わらず懐かしさがこみ上げたり、後に数々の偶然の一致を目の当たりにする。魂の波長が近いため、その人の思いだけが他の人の数倍、テレパシーで明確に伝わってくる場合もある。
 そのような出来事から、生涯の伴侶やパートナーになると直観的に気づくことが少なくない。霊格の高さに応じて、与えられる試練の質は変わり、覚醒が進んでいる場合は特に、双方がそれぞれの課題を克服し向上していくことが一層求められる。
 一番太い縁の人とは強固な友情に基づく無二の愛情を与え合う。一方で、水面下では自分の光にも闇にも深い影響を及ぼす存在であり、陰陽ともに極まりやすい。例えば、エネルギー交換によって霊性が次第に開発される陰転のほか、浄化作用や好転反応として体調不良や精神的な落ち込みなどの陽転が起こる。
 誰よりも恐れを抱きうる反面、無償の愛に目覚め大きな幸運をもたらす可能性を秘めている。魂の相性のよさに特徴があり、三次元的な状況がどう変化しようとも、霊的なつながりは消えることはない。人間性というよりもむしろ霊性によって、結び合っている関係といえる。
 先祖や自分によって蒔かれた種が因となって縁が生まれる。そして、その縁起によって因と縁が相互につながり支え合いながら、果という花が咲く。その循環は絶えることなく、その花が新たな因となって更なる花を咲かせる。

2.陰陽と転換期

 陰陽論は自然界のすべてのものを陰と陽の相反する二つの要素でとらえ、相互に対立や依存をしながら常に変化している関係を表す。万物は木、火、土、水、金の5要素から生成されているとする五行説と合わさって、中医学や東洋哲学、四柱推命などの中核思想になっている。
 相互対立には陽と陰がお互い過剰にならないようにもう一方を抑制する働きがある。相互依存は陽の要素は陰から生まれ、陰の要素は陽から生まれるということを示している。
 初めから成功しすぎると知らず知らずのうちにわがままになったり、うまくいくのが当たり前になり感謝の心が薄くなったりしやすい。思うようにならない時期が長くとも、心に笑みを絶やさず困難を乗り越えていくことで、人の苦しみや怒り、悲しみを心からわかるようになる。その経験に加えて、望む生き方は叶うと心の奥から信じ行動することで、陰から陽、陽から陰の転換期を乗り切る力が与えられる。
 光のエネルギーが強い人は闇を引き寄せる力も強い。霊性が磨かれるほど、苦難も多くなり試され続ける。しかし、それは自分の可能性を試す貴重な好機であり、喜びと感動もまた深くなることを意味している。
 この世界に光だけがあるのなら、光と認識できない。過去の苦しみがあったからこそ、幸せを幸せと心から感じられ、今生かされていることがありがたいと思うようになっていく。内に潜む闇と向き合うことで、闇の中に光を見出し、抑えてきた否定的な感情が解消されていく。光だけに固執せず視野を広げてみると、人生に無駄な経験はほとんどないことを実感する。
 霊性についての学びを現実社会に生かすことで、これまで気づかなかった事柄が明らかになる。目に入る言葉や人の様子、ふとした直観など、目の前の出来事を通して自分に伝えようとしていることを理解するほど、転換期を迎えるとき、最良の道を自然と選ぶことができる。
 霊性という陰は転じれば現実社会という陽になり、現実社会という陽は転じれば霊性という陰になる。そして、陰陽の相補性を保ちながら皆、いつの日にか光へ還っていく。光のない人間は存在せず、陰陽の視点から見れば、すべての人の最終的な幸せは約束されていることに気づくことができる。
 



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