2021.12.14
ムンジアルが終わり、ニューヨークへ戻る機内から更新。
次に向けて気持ちは切り替わっているが、もっと上手くやることができたのではないかとふとしたときに悔しくなる。
初戦は映像で研究していた通りの展開になり、作戦を遂行してギリギリ逃げ切ることができた。
予習していなかったら何もできずに負けていたかもしれない。
これまで乗り越えることができなかったタイプの選手に、最後まで集中を切らさず競り勝つことができたのは充実感がある。
二回戦目のジエゴ•パト戦は、正直に言ってこれまでになくビビっていた。
いつもの一日で終わるトーナメントならそんなことを感じる間もなく試合が始まってしまうが、日を跨ぐ時間があったことが理由だと思う。
極めの切れ味、瞬発力のあるワームガード、レスリング力、何をとっても脅威だった。
戦績も圧倒的に差があるし。
後悔しているのは、ダブルガードからアドバンテージを取って試合を始めることができていたら、ということ。
マルセロと試合前に話し合ってこの作戦も当然挙がっていた。
「だけどもし相手がアグレッシブなタイプなら別のタイミングでアドバンテージを取るチャンスがあるよ」とのアドバイスで、スタンドからギロチンチョークを合わせるプランを取った。
パトをビデオで研究すると、唯一引き込む瞬間だけは隙がある気がする。
作戦は失敗してしまい結果的に綺麗に引き込まれるだけとなり、最大のチャンスを逃してしまった。
だけどもしダブルガードからトップポジションになってアドバンテージを貰ったとしても、ワームガードのプレッシャーに耐え切れず簡単にスイープされてさらにマウントやバックまで取られてしまうのではないか、と弱気になっていたのが試合前の本音。
要はパト相手に1アドバンテージを守りつつ逆転を目指して仕掛けてくるアタックを捌き切る自信がなかった。
なので最初のギロチンに望みを託した。
ただ実際組んでみると、思っていた以上に良く動くことができたと思う。
中盤でパトがアドバンテージを先取し、それから本気で仕留めに来ていた感はないのでガチを体感できた時間は短いが、同じ人間だと感じた。
なので今、最初にアドバンテージを取って、リードを取り返しに来るパトを体感してみたかったと欲が出ている。
自分が良く動けたのは相手が無理に攻める必要がなかったからなのは分かっているが、真向勝負がしてみたい。
マルセロからは「予想と違って相手は積極的じゃなかったね。 ダブルガードでアドバンテージが取れれば良かった。 でも相手が攻めてこなかったのはユータのプレッシャーが強かったからだよ。 ミスも少ないし相手よりアグレッシブだった」と優しい言葉をかけてもらった。
マルセロがセコンドにいる状態で試合をするのは今回が初めて。
どちらの試合でも声がよく聞こえて、とても助けられた。
柔術を初めて13年。 ずっと憧れていた人がついにコーチ席に座ってくれている。
コロナ禍は色々なことが起きて日本に残る理由も沢山あったが、ニューヨークへ戻ってこれて本当に良かった。
今度は練習を助けてくれた仲間たちに恩返しをする番。
自分には柔術しかないので練習へ行くしかない。
明日から皆んなに会える。 練習が楽しみだ。
スーパーで買える食材がひとつ増えます。