見出し画像

簡潔であること

私は今、この文章を東京からパリへと向かう飛行機の中でしたためている。実際にこれが公開されるのはパリに到着した翌日くらいだと思う。

羽田を出て8時間半が経ったが、この間映画1つと2回の食事以外はずっと寝ていた。とても疲れていたようだ。
あと残り6時間ほどのフライト、もうちょっとのんびり過ごそうと思う。
(パリで加筆:実はこの後がなかなかしんどかった…)


機内では『ウェディング・ハイ』というバカリズムさん脚本の映画を観た。結婚式を行うカップルとその参列者、そしてウェディングプランナーの心模様や結婚式当日に至る過程を、程よくアホなタッチと幾つもの伏線回収で描いた作品だった。とても面白かった。

映画の中盤におけるメインストーリーは、結婚式の進行が押しに押して、途中の時点で既にスケジュールから1時間もオーバーしているが、予定されている出し物を削ることなく、1つ1つを短縮することで、最終的な帳尻を合わせることを目指す、というものだ。

各参列者がそのために急遽出し物の予定を変更するのだが、その中の1シーンがとても素敵だった。

それは、片桐はいりさん演じる、新婦の高校の恩師のお祝いの言葉。

着物を着た先生が前へ出る。そしてこう述べる。

「はるかさん、あきひとさん、ご結婚おめでとうございます。
はるかさん、先生からは一点だけ…
幸せになってください」

挨拶は、これだけ。

当初長いスピーチが想定されていたが、それを心を込めた一言にまとめたのだ。

もちろん、これは時間短縮のためなのだが、胸にくるものがあった。


ちょうど一年ほど前に、こんな記事を書いた。

記事中に出てくる友人の言葉を抜粋する。

下手な吹きガラス作家ほど“ゆらぎ”という作品名をつけたり、「ガラスの流動的な美しさに心惹かれて、、」とかいいがち

技術のなさを「ゆらぎ」やら「余白」やらといった言葉で誤魔化すというのは、どの世界においても“あるある”なのだろう。香水の世界でもしばしば目にする。

それとは別に、考え抜いた先の結論としての「ゆらぎ」や「余白」も当然ある。そういった「結論としての簡素さ」には、それのみが持ちうる凄みがある。


çanomaのパッケージやボトルデザインも、デザイナーと議論を開始した当初はカラフルだったりゴテゴテしていた。それが議論の末に、今のシンプルなものへと変化していった。


簡素であることのみが正しいことではない。しかし、もしかしたら、様々なものの「結論」には、簡素さがあるのではないだろうか。

映画の中の簡素なスピーチも、きっと長いスピーチを用意していたから生まれたものなのだろう。考えに考えた上での簡素さには、きっと胸を打つものがある。


【çanoma公式web】

【çanomaオンラインストア】

【インタビュー記事】

【çanoma取扱店】
TOMORROWLAND 渋谷/有楽町ルミネ/横浜ルミネ/横浜高島屋/名古屋ラシック/京都/京都BAL/大阪ルクア/神戸/福岡/アミュプラザ博多
Land of Tomorrow 心斎橋PARCO
Super A Market 青山/新宿
Isabel Marant 表参道
Nose Shop 新宿/有楽町/渋谷
ミヤシタパーク “The Editorial”
銀座 蔦屋書店
表参道 context TOKYO
青山 COELACANTH
自由が丘 FREEPARK
蔵前 折角堂東京
千葉 Dresskinそごう店
大阪 Velvet
大阪 Secret
大阪 Tale Cocoon
京都 乙景
神戸 折角堂
恵比寿 Awake
名古屋 Amplir
名古屋 FOCUS EYEWEARSHOP
岐阜 ATELIER OPHERIA 
富山 Green Room
金沢 ACRMTSM
新潟 ASOBINoBA
弘前 The Launderette
盛岡 Localers
寒河江 GEA
仙台 藤崎
仙台 Sukiya S-PAL店
福島 Optical Yabuuchi
高知 sieni
小倉 Antenna
福岡 Birthday
福岡 THREE(s)MILE
長崎 HANAわくすい
大村 古々屋
岡山 Afelice
熊本 アクアブーケ
大分 Bellure
大分 contessa ricca.
大分 Connecter le baton.
鹿児島 NAINARA
鹿児島 mado

オンライン
センテンティア
Safari Lounge

çanoma(サノマ)のインスタグラムもぜひフォローしてください!

@canoma_parfum

#サノマ
#香水
#フレグランス
#ニッチフレグランス
#canoma
#canoma_parfum
#パリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?