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パリにて考えること

4ヶ月半ぶりにパリに戻ってきたわけだが、不思議とこの街はなんだかすごく変化したように感じている。

それは特に、人々が外ではマスクを着けずに出歩き、レストランも遅くまで営業していることに起因しているのかもしれない。この1年半でそれらの光景は“真新しいもの”となってしまった。

飲食店に関しては新しいお店が増えたように感じる。パリの人々は今回の出来事での憂さ晴らしを飲み食いで消化しているらしい。


一方で、ファッションや香水は全体的にまだまだ低迷している印象だ。新しいセレクトショップや新進気鋭のブランドは、私の知る限り出てきていない。

Samaritaineという百貨店が今年の6月にオープンしたが、香水にしてもファッションにしても新しいブランドは1つもなかった。大手のブランドを中心としたかなりコンサバなセレクションとなっており、建物の素晴らしさ以外に積極的に行く理由が見つからない、というのが私の正直な感想だ。

とは言っても、ラグジュアリーとはそういうものなのだろう。ハイブランドを中心とした、コンサバではあるが“真っ当な”セレクションをし、そして各ブランドがお金をかけて立派なスタンドを作ることで、箱全体の価値も同様に上がる。それこそがラグジュアリーであり、そこにニッチが入り込む余地はない。

2年ほど前にオープンしたGalerie Lafayette Champs-Elyseésは、ニッチなセレクションに力を入れていたが、結果的にうまくいかなかったのだろう、今はそういったものを少しずつ排除しているように見える。

Samaritaineの大手ブランドを中心としたラグジュアリーな作りと、Galerie Lafayette Champs-Elyseésのニッチ寄りのセレクションによる失敗は、改めてパリの消費者がコンサバであることを浮き彫りにした。日本マーケットと違い、セレクトショップという業態がうまくいかない背景にはこういったことがあるのだろう。Coletteの閉店がパリにとって大きな損失であったことを今更ながら思わせる。今やパリで“イケてる”セレクトショップはどこかと聞かれても、返答に困ってしまうのだ。


ブランドを立ち上げて1年経ち、改めてパリを眺めてみる。そこには今後のçanomaが辿るべき道の選択肢が示されている。ニッチを突き詰めるのか、大手を追随するのか。細かくはその他の選択肢もあるだろうが、大きく分ければ道はこのどちらか。

1年前は、迷わず前者を選択していた。

今、私は迷っている。フランスの多くのブランドが後者を選択するのには、何か理由があるのではないか、と考えるようになったのだ。そしてその理由が、1年のブランド運営を通して少しずつ理解できるようになってきた。


さて、今後çanomaをどうしていくか。

このパリの短い滞在の中で、改めてゆっくり考えてみよう。


【çanoma取扱店】
TOMORROWLAND 渋谷/有楽町ルミネ/横浜ルミネ/横浜高島屋/名古屋ラシック/京都/京都BAL/大阪ルクア/神戸/福岡/アミュプラザ博多
Land of Tomorrow 心斎橋PARCO
Super A Market 青山/新宿
Nose Shop 新宿/銀座/池袋
https://noseshop.jp/?mode=cate&cbid=2681149&csid=0
ミヤシタパーク “The Editorial”
表参道 context TOKYO
千葉 Dresskinそごう店
大阪 Velvet
大阪 Tale Cocoon
京都 乙景
神戸 折角堂
恵比寿 Awake
名古屋 Amplir
富山 Green Room
寒河江 GEA
仙台 藤崎
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