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2021年買ってよかったもの⑥ 革靴編:CALMANTHOLOGY LONG WING TIP

私のことを個人的に知っている方は、きっと私に対し、スニーカーの印象を強く持っているはずだ。真っ黒ファッションに派手目スニーカーというのが私のいつものユニフォームなのだから、当然そうなるだろう。

ただ、プロダクトとしては革靴もとても好きだ。お店に革靴があるとついついためつすがめつ眺めてしまう。

普段革靴をあまり履かないのは、スニーカーが楽チンという理由もさることながら、「革靴はスーツと共にあるべきものだ」という私の妙な“固定観念”がその大きな背景となっている。

かつて金融機関で働いていた際、コンサバなスーツに、ストレートチップ(つま先部分に横に真っ直ぐな縫い目が入っているもの)かホールカット(縫い目がなくツルッとした顔を持っているもの)の革靴を合わせていた。その時の経験もあり、私は靴表面に縫い目が少ないシンプルな靴こそが「美しい」ものだと感じていた。そして、そういった靴は、コンサバなスーツにこそよく合うとも思っていた。

そんなこんなで、スーツを着ない以上、私が思う「美しい」革靴の出番はほとんどないと思っていたし、それ以上に、表面に“ごちゃごちゃ”と色々な装飾が施されている靴に、どことなく抵抗があった。

この靴に出会うまでは。

「2021年買ってよかったもの⑥ 革靴編」は、CALMANTHOLOGYのLONG WING TIP。見ての通り、“ごちゃごちゃ系”の革靴だ。

ひと目見て美しいと思った。

出っ張ったコバ、外羽根、ウィングチップ…と私が今まで好んで履いてきたシャープな内羽根ストレートチップの対極をなす。それにもかかわらず、私を惹きつけるエレガントさを秘めていた。

言葉ではうまく説明できないのだが、特に横から見た際の、後ろに伸びるウィングチップの軌跡が、何か女性的な美しさを想起させる。この線は、きっと深く考えられて引かれたものだろうし、この線がもし少しでも違う角度だったら、私はこの靴を購入していなかったかもしれない。


この靴は、大切なミーティングがあるときに好んで履いている。普段履かない靴だからこそ余計に、この靴を履いている時は気持ちが引き締まる。この靴に、もっというとこの靴が持つ美しい曲線に対し、恥ずかしくない存在でいようと思うのだ。


この靴は私を、きっとどこか素敵なところへと導いてくれる…そう信じて、私はこの美しい曲線と共に、しっかりと歩んでいこうと思う。


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