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ROLEXとの関係性は?チューダーの特徴について

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

新年明けましたがいかがでしょうか。
今日は、ROLEXと関係性を聞くことが多いブランドについての
お話です。

0.チューダーについて

ロレックスの兄弟ブランド
ロレックスのディフュージョンブランド
etc...

似たような内容が色々と出てくるチューダー(チュードル)ですが、
そもそもどんなブランドなのでしょうか?

1.創業からの歴史について

1.1.ブランドの誕生

1926年2月、腕時計ディーラーでメーカーでもある
「ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンター」が
ハンス・ウイルスドルフ※の代理で「The Tudor(チューダー)」
を商標登録。

その後、ジュネーブで会社を設立、ハンス・ウイルスドルフは
「ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンター」からブランドの
独占的使用権を取得したのが、誕生となっています。

※ROLEXの創立者

そのハンス・ウイルスドルフが残した言葉として、
下記のものがあります。

「私は何年もの間、ロレックスの技術と信頼をもって、
 確固たる品質と先駆性を備えた腕時計を創りたいと思ってきた。
 その価値ある新しい腕時計を製造・販売するために、
 私は新たに 『チューダー ウォッチ カンパニー』という
 会社を立ち上げることにした。」

1.2.オーストラリアで発売された初期のチューダーウォッチ

初期のチューダー ウォッチには「TUDOR」の「T」の横棒が
右に伸びたシンプルなロゴがダイアルに刻まれていたが、
一部の希少なモデルにはロレックスの名前が施されています。

画像引用:TUDOR

これはブランドがこの業界で自立するまで、
ロレックスがチューダー ウォッチの技術と美的品質を
事実上保証していたということを示しています。

チューダーの名が刻まれた腕時計には、
男性用と女性用の両方のモデルがあり、主に長方形やバレル型、
サイドに面取りが施された形状のものがありました。

1.3.ハンス・ウイルスドルフが ブランド 「チューダー」を取り戻す

1936年、「ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンター」は、
ブランド「チューダー」をハンス・ウイルスドルフへ譲渡。

この時、チューダー朝のローズ((薔薇))がロゴとしてダイアルに
施されるようになりました。
盾の中に刻まれたこのロゴは、頑強さ - 時計の堅牢性 - とともに、
気品 - ラインの美しさ - を象徴しているとされています。

1.4.「モントレ チューダー S.A.」の設立

第二次世界大戦直後、ハンス・ウイルスドルフは
今こそブランド独自のアイデンティティを確立し、
事業を拡大すべきであると判断。

そして1946年3月6日、彼は男性用と女性用の
両モデルに特化した
「Montre TUDOR S.A.(モントレ チューダー S.A.)」を設立。

ロレックスは流通やアフターサービスと共に、
その技術やデザイン、機能性を保証していました。

1.5.ロゴの変化

チューダーが正式に設立された翌年の1947年以降、
盾のマークは徐々に消えていきました。
その後、社名とローズのみで構成されたロゴへ変わります。

画像引用:TUDOR

そして、チューダーからオイスターケース※を
採用したモデルが登場します。

※オイスターケース
イギリスのオイスター社が開発し、1926年にオイスター社を
傘下に収めたロレックスが完成させた完全防水の時計ケース。

1.6.チューダー初の広告キャンペーンを開始

1948年、チューダーの広告を初めて発表。テキストやロゴによって
ロレックスとの繋がりを明確に示していました。
また、男性用と女性用の両モデルが登場し、時計の美しさや
クロノメーター精度、防水性を強調したコピーが添えられています。

画像引用:TUDOR

そして、ここから様々なモデルを発表。
また、英国海軍のグリーンランドの科学探検に採用されたり
下記の過酷な環境下における耐久性をテーマにした
キャンペーンを展開。その堅牢性を証明していきます。

・252時間、手作業で採掘を行う炭坑作業員が着用
・30時間、空気ドリルの振動下で使用
・3ヵ月間、石切り職人が着用
・1ヵ月間、金属の梁の固定作業を行う建設現場で着用
・1,000マイルを走破したバイクレーサーが着用

1.7.ロゴの新たな進化

ここで、ロゴマークに変化が起こります。
ローズ(薔薇)から堅牢性のイメージの強い盾が採用されます。
1969年に採用されてからは現在まで変わることなく
盾のロゴが続いていきます。

1.8.チューダーの日本撤退

1979年、日本ロレックス設立の影響により、チューダーは
日本から撤退します。
そこから約40年経った2018年11月に正規代理店が復活。

また、日本名をそれまで呼ばれていた
「チュードル」ではなく「チューダー」として再登場。
そして現在に至ります。

設立の経緯を見ると、ROLEXの弟分、廉価版と
言われる理由がわかるかと思います。

ただ、現在は自社ムーブメントの開発などオリジナルの色が
強くなっており、ROLEXとは別の高級時計ブランドとして
成長しつつある現在です。

では、続いて特徴についてです。

2.特徴について

2.1.低価格でありながら、ロレックスのパーツを使用し、
防水性などの性能が高い。

チューダー設立の狙いとして言われていることの1つとして、
下記のような内容があります。

ロレックスの技術力の高さは認められていたが、
実用時計としては価格が高く、一般ユーザーの手の届かない
価格設定になっていた。
(富裕層がターゲットならばともかく)

ただし価格を下げて販売量を増やし、薄利多売で売り上げを
確保してしまうと、ブランドイメージが低下するので、
リーズナブルな価格帯の別の時計ブランドを立上げ、
それにロレックスの技術を流用した。

そして、ロレックスのブランドイメージを低下させることなく、
性能をアピールし、また、新ブランドの販売で利益を得ることに成功した。

そして、一時期はロレックスの普及モデルとしての
売り出し方が強くなります。

特にモデル名が同じ「サブマリーナ」は、
チューダー・サブマリーナと呼ばれ、ロレックス・サブマリーナと
見た目ほぼそっくりなモデルとして有名です。

2.2.チューダー独自路線強化

また、規格については、マスタークロノメーターと呼ばれる
時計の新しい認定規格を一部のモデルで認証しています。

2.2.1.マスタークロノメーターとは?

スイスクロノメーターのテストをクリアした腕時計に対して
精度、耐磁性、防水性、パワーリザーブなど、
機械式時計に求められる主たる機能特性を
検査対象としている認定規格。

精度については、ケーシングされた時計の日差が
5秒以内(0、+5秒)でなければならない。
これは、スイス公認クロノメーター(COSC)が定める
ムーブメントの状態における日差-4秒から+6秒の基準よりも
5秒も厳しいです。

また、有名な内容として15,000ガウスの磁場環境に
さらされた状態の時計の精度も保証するもの。

そもそも一般的な磁気の磁力として、
ピップエレキバンが800〜2,000ガウス。
強力磁石と言われるネオジム磁石が5000ガウス。
病院のMRIが15,000ガウス。と言われています。

耐磁性能については、驚異的なレベルとなっています。
実際にMRIに入れて試験を行っていますが、問題ないようです。

現在、この規格をクリア出来ているのは下記となります。

TUDOR:「ブラックベイ セラミック」
OMEGA:「マスター コーアクシャル」

ちなみにこの規格はオメガとMETAS(スイス連邦計量認定局)で
共同で制定した腕時計の品質規格となります。

また独自路線強化として2015年、完全自社開発ムーブメントを
発表しています。また、自社開発のムーブメントについては、
クロノメーター認定を受けたムーブメントとなっています。

なお、時計の外観についても現在は一目見て、チューダーと
認識できるようなデザインとなっています。
 
通称イカ針(海外ではスノーフレーク、雪の結晶)と
呼ばれる正方形が短身と秒針に付けられていて
象徴的なデザインとなっています。

このように、現在は上記で述べたようなROLEXとは
別の独自色を出しつつある状況です。

では、続いて展開しているモデルについての特徴を
一部ですが紹介していきます。

2.3.展開しているモデルについて

2.3.1.ブラックベイシリーズ

チューダーのフラッグシップモデル。

このシリーズ内の「ブラックベイ」と呼ばれるモデルの
ベースとなっているのは、ROLEXサブマリーナ。
他のモデルにクロノグラフやGMTなどありますが、
いずれもずれもダイバーズのブラックベイから派生したモデルの位置付け。

また、自社製のムーブメント搭載やマスタークロノメーター認定を
認証したのがこのコレクション。

シンプルな3針モデルから、ダイバーズウォッチ、クロノグラフ、
GMTなど様々なモデルが出ています。

全てのモデルに通称「イカ針」と呼ばれる針を使用していて
チューダーだと一目で判定できます。

2.3.2.ペラゴス

ダイバーズウォッチ。チューダーで展開していた
旧サブマリーナの後継。

左利き用モデルとして、リューズが左側についている
PELAGOS LHDというモデルもあります。

ロレックスでは「シードゥエラー」に搭載されている
「ヘリウムガスエスケープバルブ」 がペラゴスに搭載されています。
潜水に使う時には時計の故障から守るために必要な機能。
これによって防水性能が500mとなります。

※ペラゴスFXDと呼ばれる2021年新作のモデルは、
  「ヘリウムガスエスケープバルブ」が搭載されていないため
  防水性能が200mとなります。
  また、ケースの厚みも薄くなっているようです。

また、ラバーストラップやナイロンストラップが付属しているため、
気分などで付け替えも可能です。

なお、このモデルも通称「イカ針」と呼ばれる針を使用しています。

2.3.3.チューダーロイヤル

2020年に発表された新しいコレクション。
ラグスポを連想させるようなデザインがありながらも、
レトロなデザインの感じもある。

ラグスポ、レトロの融合といったデザインでしょうか。

また、「イカ針」を使用していないコレクションとなります。

チューダーのエントリークラスに位置付けしているコレクションで
最安で約26万〜となっています。

3.最後に

ロレックスとチューダーの関係性について、
ご理解頂けたかと思います。

また、価格帯も安めのスタートとなっているため
初めて高めの腕時計の購入を検討されてい方にとっては、
候補の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

また、独自の路線を歩んでいるのを見ているだけでも
個人的には興味深いとも思います。

参考になれば幸いです。

今日もご覧いただきありがとうございました。



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