【プロユース向け】Sinnの特徴は?

こんばんは。yutaです。

今日は、前回紹介した「Bell & Ross」と
共同製作を行なっていたドイツの腕時計ブランドについて
紹介していきます。

https://sinn-japan.jp/

0.Sinnについて

「Bell & Ross」が設立当初に共同で
時計製作を行なった「Sinn」。

プロユース指向の腕時計を製作していますが
一体どんなブランドでしょうか?

※ちなみに前回のBell &Rossについての記事は下記

1.創業からの歴史について

1961年、ドイツ空軍パイロットで飛行教官でもあった
ヘルムート・ジンが、フランクフルトにて創業。

『低コストにて最高の時計作り』、
『高品質で最高の機能性と視認性を搭載』、
『広範囲な広告に頼ることないダイレクト・マーケティングで
 価値あるものを提供する』

この3つの原則をもとに時計作りを行っています。

80年にはコックピット・クロックと腕時計の生産数比は4対1となりました。

1985年、ドイツ人宇宙飛行士ラインハルト・フラーが
ジンのレマニア搭載モデル140.Sを個人装備品として携行。
世界で初めて無重力空間で自動巻きの腕時計の作動が証明された。
それまでの宇宙では、自動巻きが作動しないという説を覆した。

そして1992年のロシアの宇宙計画MIR92、1993年の
スペースシャトル コロンビアでも同様にジンの時計が使用されています。

1994年、IWCのエンジニアであるローター・シュミットが
経営を引き継ぎます。
数々の「ジン・テクノロジー」と呼ばれる過酷な環境下でも
耐久できる技術の発表を重ね、
プロユース向けの腕時計をリリースしています。

また、1999年、フランクフルト・ファイナンシャルシリーズが誕生。
プロユース向けのシリーズではなく、
財政や財務などの金融に関係している人のための計測機器として
開発されたシリーズとなります。

これを機にパイロットやダイバーのミッションタイマーのみならず、
ラグジュアリーウォッチの市場にも参入しています。

2012年、パイロットウォッチの新しい規格を作ろうと試み、
ドイツのアーヘン応用科学大学とジン社が共同で
数年にわたるリサーチプロジェクトを行い、
パイロットウォッチの技術基準「TESTAF」を開発。

どういった技術基準か大きな項目で言うと、
下記の3項目となります。

1・機能性
2・外部応力に対する耐久性
3・安全性と適合性

このTESTAF3大技術要件を満たし、過酷で厳格なテスト基準に
合格した時計にTESTAF認定が与えられます。

第一回試験には、ジンから3つのモデルをエントリーし、その結果、
EZM10.TESTAF、103.TI.UTC.TESTAF、103.UTC.TESTAFの
各モデルが試験にクリアし、世界初のTESTAFモデルとして
文字盤にそのロゴマークを刻んでいます。

また、時計の規格としては、
2016年、「DIN8330」と呼ばれる規格を施行しています。
※ドイツにおけるパイロットウォッチの新規格

「TESTAF」をベースにジンを中心として、
ストーヴァ、グラスヒュッテ・オリジナル、
アーヘン応用科学大学、ルフトハンザ・カーゴ社、
エアバス・ヘリコプター社(前ユーロコプター)、
DNV GL(前ゲルマニアロイド)、その他数多くの機関が
協力し、発行されました。

DIN8330の目的は、航空機内の計測器機が
故障した場合の代替えとして、
時計を使用することが想定されています。

過酷な状況での使用を想定した結果、
その基準は視認性や精度はもちろん、
あらゆる面でより厳しいものとなっています。

主に性能面での使用を想定したことについて、
情熱を注いできていると考えています。

では、続いて特徴についてです。

2.特徴について

ジンの正式名は、ドイツ語で「ジン スペツィアルウーレン」
日本語では「ジン特殊時計会社」という意味となります。
名前通り、特殊時計を製作しています。

具体的には、

視認性、機能性を再重要視したプロユース志向の
腕時計を作っています。

「プロユース向け」
具体的には、ダイバー、パイロット、警察などの
プロフェッショナル向けの特殊時計をラインナップしています。

理論レベルで終わるのではなく実用レベルで
機能性を獲得しています。
また、それらの過酷な環境でも実際に使用されており、
実績もあります。

それらを支えているのが、「ジン・テクノロジー」と
呼ばれる技術です。

どんなものかというと、

・ハイドロ
→5,000mという高い防水性能

・Arドライテクノロジー
→可能な限りムーブメントを無水に保つ技術

・ジン特殊オイル66-228
→低温でも粘性を維持し高温でも
 蒸発しないオイルで精度を安定

・マグネチック・フィールド・プロテクション
→80,000A/m(1000ガウス)の高い防磁性能

・テギメント
→1200HV以上の高い耐傷性能

・ディアパル
→特別な素材を組み合わせることで脱進機をオイルフリーにした技術

・特殊結合方式により固定された回転ベゼル

・特殊結合方式+安全システムにより固定された回転ベゼル

・[Q]テクノロジー
→特殊合金でムーブメントを覆い、ムーブメントが発する
 電磁波を最小限に抑える

以上の技術が「ジン・テクノロジー」と呼ばれる技術です。

プロユース向けではない一般向けでの使用ですと、
余りある性能の高さですが、機能性を求める方には
良い腕時計の候補かもしれません。

続いて、展開しているコレクションについての説明です。

1.Instrument Chronographs
 (インストゥルメント クロノグラフ)

クロノグラフと呼ばれるストップウォッチ機能を用いた
コレクションです。

ラウンドタイプの文字盤がメインで、「140」と呼ばれるシリーズは
クッション型ケースと呼ばれる丸みを帯びた四角い感じのデザインです。
ブレスレットはスチールもしくはレザーの2種類となっています。

2.Instrument Watches
 (インストゥルメント ウォッチ)

こちらも「Instrument Chronographs」と同様のデザイン(文字盤など)と
なりますが、三針タイプとなるためクロノグラフのコレクションと比べると
シンプルで見やすいタイプのデザインが多いです。

デイリーユースだとシンプルで一番使いやすいモデルかと思います。

3.Driver / Navigation Chronographs
  (ドライバー / ナビゲーションウォッチ)

ドライバーやパイロット向けの計時機能が用いられたコレクション。
ラウンドタイプの文字盤に、ステンレスもしくはレザーのブレスレットの
デザインとなります。

タキメーターと呼ばれる速度を計測するための機能や、
パイロット向けの速度や距離、燃料消費などが計算できる
機能などを用いているのが特徴です。

4.Diving Watches
 (ダイバーズウォッチ)

名前の通り、ダイビングなどの潜水に適した防水機能を
用いたコレクションです。
 
防水性能は、300mから5,000mまで。
デザインは、ラウンドタイプに逆回転防止ベゼルと呼ばれる
潜水時間を計測するための機能を備えています。

ブレスレットについては、ステンレスもしくはシリコンが主となりますが、
一部レザーへ変更できるモデルもあります。

5.Frankfurt Financial Watches
 (フランクフルト・ファイナンシャル・ウォッチ)

財政や財務などの金融に関係している人のための計測機器として
フランクフルト経済振興協会から要請を受けて開発されたシリーズ。

シンプルな三針タイプからクロノグラフやムーンフェイズ※1を
用いたモデルや、デュアルタイム※2と呼ばれる機能を
用いたモデルがあります。
 
デザインは、ラウンドタイプと呼ばれる文字盤にスチールの
ブレスレットとなりますが、こちらのコレクションは全ての
モデルにレザーのブレスレットが付属となっています。

※1月の満ち欠けを腕時計上で再現した機能
※2時差のある2つの地域の時間を表示する機能

展開しているコレクションではビジネス向けのコレクションとなります。
(スーツに合わせやすい)

6.Classic Timepieces
 (クラシックモデル)

いわゆるドレスウォッチと呼ばれる、フォーマルシーン(冠婚葬祭など)での
着用に適したコレクションです。

ラウンドタイプの文字盤に、レザーのブレスレットとなり
シンプルで全体的に上品さを感じさせるコレクションとなります。

今まで紹介してきた機能性が高いコレクションとは
デザインが異なりますが、こういったコレクションもあります。

3.最後に

いかがでしたでしょうか。

機能性、視認性を重要視し全体的にシンプルな時計が多いです。
でも、プロユース指向とは別の上品さを兼ね備えたモデルもある。
プロフェッショナル向けが多いですが、そこから外れる所も
カバーしており、製品のラインナップも興味深い感じを受けます。

また、

・機能性を重視
・主張が控えめ
・頑丈

これらを時計に求めているのであれば、
おすすめと考えています。

また全体的にシンプルなので、長い期間使用することを
想定した場合、使いやすい時計の候補となるのでは
ないでしょうか。

お役に立てれば幸いです。

今日もご覧いただき、ありがとうございました。













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