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オンライン会議とオフライン会議の違い

今の日本社会ではリアルでの接触を避けるためにリモートでの仕事が増え、オンラインでの会議が主流となりました。初めてインターネットで通話する人もいるでしょうし,慣れていない人もまだたくさんいるでしょう。

コロナ以前でも多くの企業は業務上オンラインで会議していました。会議の議題,人数,参加者の距離,企業の規約などで使い分けがされていたと思います。例えば,進捗報告のような短時間のミーティングはオンライン,ディスカッション多めの報告会や大人数が参加する会議はオフラインとかですね。

未だ外出の可・不可の状態には波がありますが徐々に緩和されつつあります。今後は社内なり学校内で集まって会議することも増えるでしょう。そうなった場合,会議をオンラインでするべきか,オフラインでするべきか悩みます。

オンライン会議とオフライン会議は特性が異なります。それぞれを理解した上で使い分ければ有意義な会議ができるはずです。そこでオンラインとオフラインの違い・特性についてまとめてみました。私が考えたこと・感じたことが中心になりますが,改めて整理するきっかけになればと思います。

オフライン会議の環境

オフライン会議は会議室・講義室・カフェなどの物理的な空間内で行われます。全ての参加者が同じ場所に集う必要があり,人数が多ければ広い部屋を用意しなければなりません。参加人数と部屋の面積は比例する関係にあります。

通常は会社にある会議室を使いますが,最近では金銭を払って限られた時間で使えるレンタルスペース,レンタルルーム,貸し会議室が増えています。また,カフェやファミレスでは料理の注文という形で実質客席を借りているといえます。

保有している会議室,借りる会議室のように違いはあるものの基本的には利用のコストが発生します。特に会社の会議室は,地価やテナント料によってコストは変わりますし,プロジェクタやホワイトボード,机,椅子などの備品にかかる初期コスト,定期的な清掃の管理コストも発生します。

オンライン会議の環境

オンライン会議はインターネットにアクセスできれば各個人の物理的な位置は自由です。同じ建物にいても,県外にいても,海外にいてもどこでも問題ありません。オフライン会議と違う点は個人で環境を準備することです。その環境が自宅であれば,家族と近所に配慮できる仕事部屋,安定したインターネット環境が必要でしょう。一人暮らしなら気にしなくてよいですが,家族で住んでいて全員がリモートであれば気を使って大変かもしれません。

インターネットは建物に依存します。元から備え付けられた無料のインターネットがある物件も増えましたが通信速度が制限されていますので,基本的には光回線の契約が必要です。一人暮らしでインターネットの契約をしていない人がそこそこいる印象がありましたが,コロナ下で一気に契約が増えたのではないでしょうか。光回線を引いたとしても良いルータ(IPoE対応)を買って適切な設定しなければ通信が安定しません。

オフライン会議では会議のコストは組織が負担していましたが,オンライン会議では参加者もコストを支払って環境を用意する必要があります。リモートの手当が出る会社もあると思いますが,人によっては痛い出費になっていると思います。

参加者の出費が増えると説明しましたが,会社や学校の組織側も出費が増えます。オンライン会議に用いるビデオ通話サービスにはZoom,Skype,Google Meet,V-CUBE,Webex,discordなどがあります。個人での利用であれば無料で使えますが,法人の営利目的の利用となると基本的には契約を結んで使用料金を支払わなければなりません。どうにか無料版で済ませたとしてもセキュリティ対策が十分でなかったり,通話時間に限りがあったり,参加人数に上限があったりと何かと制限が設けられており業務においては不便に感じると思います。

会議室への移動

オフライン会議では同じ空間に参加者が集まる必要があります。ここで最も高いコストが会議室への移動でしょう。会社にいる状態なら会議室へはすぐですが,そもそも出社するというコストを払っています。会議の参加者は時間と体力を,会社は交通費と生産性を捧げていることになります。

案件によってはお客さんのところに行って打ち合わせすることもあります。近場なら良いですが飛行機や新幹線で長い距離を移動して打ち合わせすることも普通にあります。私自身,関西から東京へ始発で移動して報告会を二時間で済ませた後,すぐに関西に戻るという経験をしたことがあります。一日だけでしたがとても疲れましたし,利益を生まない時間でもあったので無駄な感じがすごかったです。

会議の準備

会議の前には会議室を押さえる必要があります。会議や打ち合わせが多い会社であれば会議室の取り合いになると聞いています。会議室の予約システムを導入している会社もありますが,仮予約しただけで使われなかったり,逆に占拠され続けたりと効率性に問題があったりするでしょう。

一方,オンライン会議は開催がしやすいです。日時を決めてWebで部屋を作って参加者に共有するだけでよいです。オフラインあれば会議室を押さえたり,集合場所を設定して受付に話を通したりする必要がなく手続きがとても楽です。参加に関しても自宅からであれば移動する必要もなく,PCやスマートフォンで接続するだけよいので気軽にできます。会議を簡単に設定でき,すぐに参加できるのがオンラインの良い点でしょう。

意思疎通

コストの面から見ればオンライン会議はオフライン会議より優位ですが,難しいと思われるのが意思疎通になります。どの年齢層に置いても電話やメールなどで1対1のコミュニケーションは経験していますが,オンライン会議では1対Nのコミュニケーションになり勝手がわからない人がいるでしょう。

リアルでのコミュニケーションに比べれば,カメラとディスプレイの位置がずれるためアイコンタクトが難しく,空間的な位置関係がないため声の方向が一定で,カメラの位置と画質・インターネット回線の品質などに影響して相手を映す画素が荒くなったりすることからオンラインではコミュニケーションの体験価値が大幅に下がります。そのために,情報が伝わりにくくなり理解度が下がって会話の齟齬が増える可能性が高いです。

数人の会議においてはコミュニケーションが難しくなりますが,大人数が参加する会議や講義であれば異なります。大きな会議では主軸となる発表者のプレゼンテーションを聞いて,それに対して質問を投げかけるという形式が一般的です。その会場で質問する場合は,手を挙げて司会者がマイクを持ってきてやっと発言できるわけですが,参加者が多ければその間が緊張しますし,視線もひしひしと感じますから,ハードルが高いと感じています。しかし,オンラインであれば100人であろうが1000人であろうが,他の参加者の視線を肌で感じないため発言しやすいです。また,手を挙げる動作もボタンで済み,マイクを持ってくるような手続きもありませんので,質問するまでのスパンが短いです。このことから大人数が参加する会議においては心理的にも効率的にも有用に働くと思います。

不具合

ちょっとしたことですが,オンライン会議だとPCの不具合で共有画面が固まったり,マイクの音質がガビガビであったり,ネットワークの調子がいまいちだったりしてトラブルが発生します。問題が解決できなければ発表者の順番を入れ替えたり,会議をリスケすることもあるでしょう。オフライン会議でもPCやケーブル,プロジェクタの不調で進行が阻害されたりしますが,オンラインに比べると軽微であると思います。

雑談

会議が終わった後は次の場所へ移動するまでの合間が生まれます。その間はお客さんとざっくばらんな話をしたり,帰りのタクシーで先輩と会議の内容を振り返ったり,雑談が相手と親交を深める機会になっています。現実ではその場にいた顔見知りの人や近くの席の同僚に気軽に声をかけれますが,オンラインとなればばったり会うようなことはほぼなく,自分から切り出さなければ雑談はできません。あえてそういう時間を設けるというのは,業務上やっていいのか悩みますし,相手の仕事の邪魔にならないかと億劫になってしまうでしょう。

そのような悩みが昔からあったようで元から一人で仕事をするイラストレータのようなクリエイタは「さぎょいぷ」という作業しながらスカイプ通話する文化があったりします。エンジニアでしたら「もくもく会」という集まりが昔からあります。もくもく会ではコワーキングスペースやZoomに集まって自分の作業をもくもくと進めて,わからないことがあったり疲れたりしたら近くにいる方とお話します。若い世代だと「つうわぼ」とか「作業通話ぼ」とかをチャットやツイートで雑談相手を募集する文化があります。discordやLINEのツールが多い印象です。偶発的な雑談がなかなか生まれづらい環境では,このような雑談の機会を意図的に作る仕組みが重要になってくるでしょう。

まとめ

ということでオンライン会議とオフライン会議についての違いについてまとめてみました。意味合い的に会議とコミュニケーションが混ざってしまって人によっては腑に落ちていなければすみません。私の主張としては,

・少人数の会議であればオフライン

・大人数の会議であればオンライン

くらいです。あとは話したい内容によって変えられると良いのでしょう。機会があればその点に関してもまとめてみたいと思います。

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