くるまれ朝がくるまで
雲ひとつないサックスブルーの空。
整備されたばかりの道路を気持ちよく滑る車の走行音、
角を曲がれば工事に精を出す職人たち。
ノイズキャンセリングされた藤井風の歌声をぶち抜くランマーの鳴き声が朝とこの街を盛り上げている。
最近の私はと言うと、
電気毛布がないと生きていけない体になりつつある。
朝のアラームを泣き止ませてしばし布団に潜り込む。
自分の全力のパフォーマンスをこれから発揮すれば予定よりも長く眠れるのではないか、という可能性だけを寝ぼけた頭を回転させて探してみる。
しかし経験上その算段が上手くいった試しはほとんどなく、大概が自分の首を締めることとなる。
それは言うまでもなく頭が正常に機能している昨日の自分の方が予定を立てるのが上手だからである。
そんなことを考えているとまたしてもスヌーズが喚く。
こんな朝が増えている。
今日こそはたっぷり寝るのだ。
部屋に積もったやるべきことからほどよく目を逸らし、
電気毛布にくるまって眠りにつくのだ。
おわり
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